信越化学工業株式会社の2024年3月期第3四半期の決算報告書が公開されました。この決算では、全体的に業績が堅調に推移しているものの、一部の事業では市況の影響を受けている様子が見られます。
今後の企業にとって重要な動向をご紹介しましょう。
企業情報
企業名: 信越化学工業株式会社
証券コード: 40630
決算期: 2024年3月期(第147期)
信越化学工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
信越化学工業株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期決算は2023年12月31日時点の業績を示しています。
主な事業
信越化学工業株式会社は、化学製品の製造・販売を主な事業としています。具体的には、シリコーン、塩化ビニル、半導体関連材料などを製造しており、幅広い産業分野に製品を供給しています。特に、近年は電子材料や機能性材料の事業が成長している注目企業です。
今期の業績と利益率は?
今期の業績は、売上高1兆8,234億円、営業利益5,595億円、経常利益6,157億円、純利益4,065億円と、前年同期比で減少しています。
利益率については、営業利益率30.7%、経常利益率33.8%、純利益率22.3%と、高い水準を維持しています。
売上・利益の推移
過去3年の売上高と利益の推移を見ると、2022年3月期から2023年3月期にかけて大きな増収増益を遂げていました。
しかし、2024年3月期第3四半期では、市況の変化等の影響により、前年同期比で売上高が15.7%減、営業利益が30.8%減、純利益が29.7%減となりました。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月31日時点の総資産は5兆1,237億円と前期末比で増加しています。これは主に、円安による外貨建て資産の評価額上昇と、有形固定資産の増加によるものです。
資産の部
現金・預金は1兆6,458億円と前期末から増加しています。また、棚卸資産も7,213億円と前期末から増加しています。
負債の部
有利子負債は2,560億円と前期末から減少しており、財務体質の改善が進んでいます。また、支払手形及び買掛金も1,623億円と前期末から減少しています。
純資産の部
純資産は4兆4,266億円と前期末から大きく増加しました。これは主に、為替換算調整勘定の増加によるものです。自己資本比率も83.1%と高水準を維持しています。
ROAとROE
ROAは前年同期の7.7%から4.7%に低下しました。これは経常利益が減少したことによるものです。一方、ROEは前年同期の16.4%から9.1%に低下しましたが、依然として高い水準を維持しています。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは5,483億円の収入となり、前年同期に比べて減少しています。これは主に売上債権の増加によるものです。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは1,724億円の支出となり、前年同期に比べて増加しています。
配当の支払額
2024年3月期の中間配当金は1株当たり50円、年間配当金は1株当たり75円を予定しています。これは前年度実績から増配となっています。
今後の展望
信越化学工業は、半導体や電子材料など成長分野への投資を積極的に行っていく方針です。特に、次世代デバイス用の新材料開発に注力しており、今後の業績拡大が期待されます。また、環境配慮や事業の強化にも取り組み、持続可能な成長を目指しています。
編集部のまとめ
信越化学工業の2024年3月期第3四半期決算は、収益性の高さを示す一方で、一部の事業では市況の影響を受けている状況でした。
ただし、成長分野への投資と事業構造の強化に取り組んでおり、中長期的な業績拡大が期待できる企業と言えるでしょう。
信越化学工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
信越化学工業株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期決算は2023年12月31日時点の業績を示しています。
配当については、2024年3月期の年間配当金は1株当たり75円を予定しており、前年度実績から増配となっています。今後も安定的な配当を続けていくことが期待されます。