堺化学工業株式会社の2023年12月期第3四半期決算が発表されました!売上高は前年同期比4.7%減の60,755百万円と減収となりましたが、営業利益は1,705百万円と減益ながら、企業としての安定性がうかがえる結果となっています。
企業情報
企業名: 堺化学工業株式会社
証券コード: 40780
決算期: 3月31日
堺化学工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
堺化学工業株式会社の決算日は3月31日です。配当は年2回、6月と12月に支払われています。
主な事業
堺化学工業株式会社は、酸化チタンや樹脂添加剤、医薬品原料などの化学品の製造・販売を主な事業としています。電子材料や化粧品原料、医療用医薬品なども手がけ、多角化した事業展開をしています。化学業界では大手企業の一つに数えられ、幅広い製品ラインナップを持っているのが特徴です。
今期の業績と利益率は?
今期第3四半期の業績は、売上高が60,755百万円と前年同期比4.7%の減収となりました。一方で営業利益は1,705百万円と59.2%も減少しており、利益率も低下していることがわかります。これは、主力の酸化チタン事業の販売数量が落ち込んだことが大きな要因だと分析されています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と経常利益の推移を見ると、2023年3月期の売上高は83,861百万円、経常利益は4,854百万円と堅調な業績を残しています。しかし、今期第3四半期では経常利益が1,777百万円と大幅に減少しており、景気の先行きに不透明感が出てきていると考えられます。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は123,665百万円となっています。前期末から4,355百万円減少しており、資産規模が縮小傾向にあることがわかります。
資産の部
資産の部では、受取手形及び売掛金が1,962百万円増加しているものの、機械装置及び運搬具が3,444百万円、土地が1,499百万円それぞれ減少しています。また、繰延税金資産が1,364百万円減少しており、資産全体としては減少傾向にあります。
負債の部
一方の負債の部では、転換社債型新株予約権付社債が3,000百万円増加しているほか、支払手形及び買掛金が1,288百万円、長期借入金が1,143百万円それぞれ増加しています。負債合計は48,942百万円と、前期末から5,638百万円増加しています。
純資産の部
純資産合計は74,722百万円と前期末から9,994百万円減少しており、自己資本比率も59.5%と前期末より3.4ポイント低下しています。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失7,469百万円の計上によるものです。
ROAとROE
堺化学工業のROA(総資産経常利益率)は1.4%、ROE(自己資本当期純利益率)は-9.4%と、ともに前期に比べて大幅に悪化しています。これは、経常利益が大きく減少したことと、純資産が減少した影響が大きいと考えられます。収益力の改善と財務体質の強化が課題となっています。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況については開示されていません。ただし、営業活動によるキャッシュ・フローが減少傾向にあることから、業績悪化の影響が現れていると推測されます。キャッシュ管理の強化が重要になってきています。
配当の支払額
堺化学工業の配当は年2回、6月と12月に支払われています。今期第3四半期までの配当実績は、第1四半期30円、第2四半期35円の合計65円となっています。前期の年間配当は75円でしたので、現時点では前期並みの配当水準を維持できる見通しです。
今後の展望
堺化学工業は、酸化チタンや樹脂添加剤、医薬品原料などの化学品事業を中心に事業を展開しています。今期の業績は減収減益となったものの、中期的には化粧品原料や電子材料などの成長事業の強化や、コスト削減、事業再編などにより収益力の改善を目指していくと発表しています。また、4月には連結子会社の吸収合併を行うなど、グループ経営の効率化にも取り組んでいくとしています。
編集部のまとめ
堺化学工業の今期第3四半期決算は、景気減速の影響を受けて減収減益となりました。ただし、成長が期待される事業領域の強化や、経営の効率化に取り組んでおり、中長期的な企業価値の向上につなげていく方針だと評価できます。今後の業績回復に期待したいと思います。
堺化学工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
堺化学工業の決算日は毎年3月31日で、配当は年2回、6月と12月に支払われています。今期第3四半期までの1株当たり配当金は65円と、前期並みの水準を維持しています。今後の業績次第では、株主還元の拡大も期待できるかもしれません。