株式会社ファブリカコミュニケーションズの最新の決算報告を分析してみました。SMSソリューションやU-CAR、インターネットサービスなどを手がける同社は、この第3四半期で順調な業績を遂げています。特に売上高は前年同期比で7.7%増加し、堅調な推移となりました。
利益面でも一部減少があるものの、全体として高水準を維持しています。また、同社は2024年4月1日を目処に持株会社体制への移行も決めており、今後の成長に大きな期待がかかっています。
企業情報
企業名: 株式会社ファブリカコミュニケーションズ
証券コード: E36261
決算期: 3月31日
株式会社ファブリカコミュニケーションズの決算日・決算時期(スケジュール)は?
同社の決算日は3月31日で、この度の決算は2023年4月1日から2023年12月31日までの第3四半期決算となります。通期決算は毎年6月に行われる予定です。
主な事業
株式会社ファブリカコミュニケーションズは、SMS配信サービス「メディアSMS」やU-CARソフト「symphony」などの事業を展開しています。特に「メディアSMS」は全キャリアに直接契約しており、法人向けSMS配信サービスで高いシェアを誇っています。
その他にもインターネットメディア事業やWEBマーケティング、自動車整備・レンタカー事業など、幅広い事業を手がけています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は、売上高が5,976,588千円(前年同期比7.7%増)、営業利益が800,603千円(同16.4%減)、経常利益が813,857千円(同14.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が501,117千円(同18.4%減)となりました。
増収ながら減益となったのは、主に競争環境の激化などにより一部の大口顧客で単価が下がったことなどが影響しています。ただし、全体としては高い利益水準を維持しています。
売上・利益の推移
同社の売上高と主要利益の推移を見ると、直近3年で堅調な伸びを示しています。特に売上高は2022年3月期に7,600,296千円と大きく伸長しました。利益面でも2022年3月期に過去最高の経常利益1,262,024千円を記録するなど、順調に推移しています。
今後もデジタル化の進展などを背景に、主力事業の継続的な成長が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
同社の当第3四半期末の連結貸借対照表は、資産合計が5,013,341千円、負債合計が1,490,524千円、純資産合計が3,522,817千円となっています。
前期末から資産は約310,000千円増加し、負債は約33,000千円減少、純資産は約344,000千円増加しました。財務体質の健全性が維持されている様子がうかがえます。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が約338,000千円減少した一方で、受取手形・売掛金や有形固定資産、投資その他の資産などが増加しました。これにより総資産は前期末比で増加しています。
負債の部
負債の部では、未払法人税等が約211,000千円減少したものの、長期借入金の増加や流動負債その他の増加などから全体としては減少しました。健全な財務体質を維持しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が約345,000千円増加したことが主な要因となり、純資産合計が前期末比で増加しています。自己資本比率も70%と高水準を維持しています。
ROAとROE
同社のROA(総資産利益率)は前期末の8.3%から当第3四半期(年率換算)で6.7%に、ROE(自己資本利益率)も前期末の17.1%から14.2%にそれぞれ低下しています。
これは利益が減少したことが主な要因ですが、依然としてROAが6%台、ROEが14%台と、高い水準を維持していると評価できます。
キャッシュフロー
当第3四半期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが703,770千円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが△284,107千円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが△758,486千円のマイナスとなりました。
全体としては約338,800千円の資金が減少しましたが、依然として手元流動性は十分に確保されています。
配当の支払額
当期の配当については、期初に1株35円(うち5円は創業30周年記念配当)の期末配当を実施しました。前期に比べて10円増配となっており、株主還元の強化が図られています。
今後も安定配当の継続と、成長投資のためのキャッシュバランスの最適化を目指していくものと思われます。
今後の展望
2024年4月1日には、持株会社体制への移行が予定されています。これにより、グループ経営の効率化と成長力強化が期待されます。
また、AI技術の活用や新規事業開発にも積極的に取り組んでおり、今後の更なる事業拡大が見込まれます。
ファブリカコミュニケーションズは、テクノロジーを武器に社会課題を解決する企業として、さらなる成長が期待できる企業だと言えるでしょう。
編集部のまとめ
今回の決算報告から、ファブリカコミュニケーションズは売上高、利益ともに高水準を維持しつつ、持株会社体制への移行など、更なる成長に向けた施策にも取り組む優良企業であることがわかりました。
同社は、次世代のコミュニケーションツールであるSMSや、自動車業界向けのソフトウェア等、先進的な事業を手掛けており、今後の需要増加が期待されます。
株主還元面でも、堅実な配当政策を実践しているのも魅力の1つです。今後の成長が楽しみな企業だと言えるでしょう。
株式会社ファブリカコミュニケーションズの決算日や配当についてまとめました。
同社は3月31日を決算日とし、6月頃に通期決算を発表しています。また、1株当たり配当金は前期より10円増額の35円(うち5円は創業30周年記念配当)を実施しました。
今後も安定配当を目指していく方針のようで、株主還元への意欲が感じられます。