アイカ工業株式会社の決算報告書がリリースされました。化成品や建装建材などの製造・販売を行う同社は、この決算で増収増益を達成しています。主力の国内建設市場やアジア・オセアニア地域での需要回復を背景に、売上高や利益が大幅に伸長した模様です。今後も中期経営計画に基づいた事業の成長や収益性の改善に期待がかかっています。
企業情報
企業名: アイカ工業株式会社
証券コード: 4206
決算期: 3月期
アイカ工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
アイカ工業株式会社の決算期は3月期です。第3四半期決算(2023年12月期)の決算発表は2024年2月9日に行われました。
主な事業
アイカ工業株式会社は、「化成品」と「建装建材」の2つの主力事業を展開しています。化成品事業では接着剤や建設樹脂、機能材料などを製造・販売。建装建材事業では、メラミン化粧板、ボード・フィルム類、不燃建材、住器建材などの製造・販売を手掛けています。建設や住宅設備など、幅広い分野で同社の製品が使用されています。
今期の業績と利益率は?
今回の第3四半期決算では、売上高174,875百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益19,503百万円(同31.8%増)と、増収増益を達成しました。利益率も大幅に改善されており、経常利益は20,572百万円(同31.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は12,261百万円(同26.1%増)となっています。原材料価格の上昇などの影響はあったものの、需要回復に伴う収益性の改善が進んだと言えそうです。
売上・利益の推移
アイカ工業は、この数年の間、安定した売上と利益を確保してきました。特に今期は、国内外の建設需要回復により、第3四半期決算でも増収増益を達成しています。これまでの事業基盤の強化と、中期経営計画に沿った施策が奏功した結果と評価できます。引き続き、国内外市場での需要取り込みや、新製品・新分野への取り組みなどにより、業績の向上が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
アイカ工業の最新の財務状況を示す四半期連結貸借対照表を見てみましょう。同社の財務基盤は健全に維持されています。
資産の部
当第3四半期末の総資産は271,587百万円と、前期末比で21,538百万円増加しました。これは主に現金及び預金の増加や有形固定資産、投資有価証券などの増加によるものです。
負債の部
一方、負債合計は97,645百万円と、前期末比で5,670百万円増加しました。支払手形・買掛金などの増加によるものです。
純資産の部
純資産合計は173,942百万円で、前期末比15,868百万円の増加となりました。利益剰余金や為替換算調整勘定の増加が主な要因です。自己資本比率も58.5%と、健全な水準を維持しています。
ROAとROE
アイカ工業のROA(総資産利益率)とROE(自己資本利益率)は、この数年着実に改善されてきました。第3四半期決算時点では、ROAが9.5%、ROEが13.9%となっています。需要回復と収益性の向上により、企業価値を高める取り組みが功を奏しているといえるでしょう。今後も安定した収益基盤の維持と、さらなる成長が期待されます。
キャッシュフロー
アイカ工業の第3四半期のキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローが20,659百万円の収入超となっています。また、投資活動によるキャッシュ・フローも9,603百万円の支出超と、積極的な設備投資を行っているようです。財務活動では、配当金の支払いなどにより7,683百万円の支出超となりました。全体として7,026百万円の増加となっており、財務体質の改善が進んでいるのがわかります。
配当の支払額
アイカ工業は、第2四半期(中間)配当として1株当たり52円、期末配当(予定)として1株当たり57円の配当を実施しています。年間配当金は109円の見込みです。業績の好調さを反映した水準の高い配当が株主還元として行われています。
今後の展望
アイカ工業は、中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」に基づき、収益性の改善、成長事業の創出・育成、健全な経営基盤の構築などに取り組んでいきます。国内建設市場やアジア・オセアニア地域での需要回復に加え、新製品の投入や海外事業の拡大などによるさらなる業績の伸長が期待されています。株主還元の強化にも取り組む方針で、今後も成長が見込まれる企業といえそうです。
編集部のまとめ
アイカ工業株式会社の決算では、国内外の需要回復を背景に、増収増益を達成しました。主力の化成品事業や建装建材事業が好調で、収益性の改善も進んでいます。財務体質も健全に維持されており、株主還元も積極的に行われています。同社は、中期経営計画の着実な実行により、さらなる成長が期待できる企業だと評価できます。今後の新製品投入や海外事業の拡大などに注目が集まりそうです。
アイカ工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
アイカ工業株式会社の決算期は3月期で、第3四半期決算(2023年12月期)の決算発表は2024年2月9日に行われました。同社は、中間配当として1株52円、期末配当として1株57円(予定)の配当を実施しており、年間配当金は109円の見込みです。業績好調を反映した高水準の株主還元が特徴です。