ニチバン株式会社の2023年3月期第3四半期決算がアップデートされました。売上高は前年同期比4.2%増の355億円と好調に推移し、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益も前年同期を上回る結果となりました。ヘルスケア製品の需要拡大やテープ事業の価格改定が業績を後押ししたようです。これからの決算期の動向にも注目ですね。
企業情報
企業名: ニチバン株式会社
証券コード: 42180
決算期: 3月期
ニチバン株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ニチバン株式会社の決算期は3月期で、第3四半期決算は12月31日が基準日となっています。具体的な決算スケジュールとしては、通期決算は6月下旬、第2四半期決算は11月中旬、第3四半期決算は翌年2月中旬といった感じでしょうか。
主な事業
ニチバン株式会社は医療・健康関連商品や粘着テープ製品など、ヘルスケアやオフィス・生活用品を中心とした事業展開を行っている企業です。メディカル事業では救急絆創膏や鎮痛消炎剤、医療材料などを手掛け、テープ事業では事務用品の「セロテープ」や両面テープなどのアイテムが主力製品となっています。
今期の業績と利益率は?
当期の業績は好調で、売上高は355億円(前年同期比4.2%増)、営業利益は17億円(同18.5%増)、経常利益は18億円(同19.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13億円(同29.2%増)と、いずれも前年同期を上回る結果となりました。利益率では営業利益率が4.8%、経常利益率が5.2%と、健全な水準を維持しています。
売上・利益の推移
ここ数年の実績を見ると、売上高は横ばい傾向にありますが、利益面では着実に改善してきています。特に今期は大幅な増益となり、経常利益率も5%台と高水準を維持できている点が評価できるでしょう。今後も新製品の投入やコスト削減施策などにより、持続的な成長につなげていくことが期待されます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は671億円と、前期末から19億円減少しています。流動資産は現金及び預金の減少などにより14億円減少、固定資産も有形固定資産や無形固定資産の減少により5億円減少しました。一方、負債は261億円と23億円減少しており、自己資本比率は61.0%と良好な水準を維持しています。
資産の部
流動資産では売上増加に伴う売上債権の増加や在庫の増加などがありましたが、現金及び預金の減少により全体としては減少しています。固定資産は減価償却の進行などにより有形・無形固定資産が減少しています。
負債の部
流動負債は法人税等の支払いや設備投資代金の支払いなどによりそれらの減少がありました。固定負債はほぼ横ばいとなっています。
純資産の部
株主資本は利益剰余金の増加と自己株式の取得による減少がありました。その他包括利益累計額も増加しており、純資産合計は409億円となっています。
ROAとROE
ニチバン株式会社の収益性を示す指標であるROA(総資産利益率)とROE(自己資本利益率)は、前年同期と比べて改善しています。ROAは前年同期の2.6%から2.8%に、ROEは前年同期の2.7%から3.0%に上昇しました。この背景には、売上高と利益の増加により資産効率や自己資本効率が高まったことがうかがえます。今後もこれらの指標を意識しながら、企業価値の向上に努めていくことが重要です。
キャッシュフロー
当第3四半期の営業キャッシュフローは30億円の収入超過となりましたが、設備投資や自己株式の取得など、財務活動に55億円の支出があったため、現金及び預金は33億円減少しています。長期的な事業の成長と財務の健全性を両立させていくためには、キャッシュフロー management が重要になってくると考えられます。
配当の支払額
ニチバン株式会社は年2回の配当を実施しており、当期の年間配当金は35円と、前期の30円から5円増配となりました。配当性向は約52%と、株主還元の水準も高い水準にあります。今後も業績に応じた適正な配当を継続していくことが期待されています。
今後の展望
ニチバン株式会社は、中期経営計画「ISHIZUE 2023 〜SHINKA・変革〜」に基づき、「イノベーション創出」「グローバル展開・拡大」「事業推進体制の見直しと収益改革」など、様々な施策に取り組んでいます。新製品の上市やM&Aなどによる新事業の創出、海外市場への更なる展開、生産効率化など、幅広い取り組みを通じて持続的な成長を目指していく方針です。先行きの不透明な事業環境ではありますが、これらの戦略的な取り組みにより、業績の向上と企業価値の向上が期待されます。
編集部のまとめ
ニチバン株式会社の2023年3月期第3四半期決算は、売上高、利益ともに前年同期を上回る好調な結果となりました。ヘルスケア分野の需要拡大やテープ事業の価格改定の効果が業績を押し上げています。財務面でも自己資本比率が良好な水準を維持するなど、健全性が高いのが特徴です。今後も新製品開発やグローバル展開など、様々な施策を通じて持続的な成長を目指していく方針のようです。株主還元も充実しているため、中長期的な投資対象としても魅力的な企業だと言えるでしょう。
ニチバン株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ニチバン株式会社は3月期決算で、第3四半期決算が行われるのは毎年2月中旬頃となります。また、年2回の配当を実施しており、当期の年間配当金は35円と前期から5円増えています。業績の推移とともに、今後の配当動向にも注目していきたいですね。