株式会社電通グループの決算報告書を分析しました。この企業は、広告業を中心に事業を展開する大手企業です。直近の決算結果では、売上高が前年同期比8.9%増加と堅調な業績を維持しています。特に日本国内の事業が強く、売上総利益は2.3%増と良好な成長が見られます。一方で、海外事業の一部では経営環境の悪化により利益が減少している状況です。今後も持続的な成長を実現するためには、海外事業の収益改善が課題になると考えられます。
企業情報
企業名: 株式会社電通グループ
証券コード: E04760
決算期: 2024年12月期 第1四半期
株式会社電通グループの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社電通グループの決算日は、12月31日です。決算報告書は2024年5月14日に提出されています。
主な事業
株式会社電通グループは、広告業を中心に事業を展開しています。主な事業内容は、テレビCM制作、雑誌広告、インターネット広告、プロモーション、イベント企画などの広告およびマーケティング支援サービスの提供です。国内外に多数の拠点を持つグローバル企業で、日本国内、アメリカ、欧州、アジアなど世界各地でサービスを提供しています。
今期の業績と利益率は?
株式会社電通グループの当第1四半期の業績は、売上総利益が前年同期比6.9%増加と堅調に推移しました。一方で、営業利益は43.8%減と大幅な減益となりました。営業利益率も前年同期の8.5%から4.3%と大幅に低下しています。利益面では海外事業の収益性が悪化したことが主な要因と考えられます。
売上・利益の推移
株式会社電通グループの過去1年間の売上高と営業利益の推移を見ると、売上高は305,809百万円から332,905百万円と8.9%増加しています。一方で、営業利益は25,778百万円から14,489百万円と43.8%減少しています。この間の経営環境の悪化により、収益性が大きく低下していることがわかります。
四半期連結貸借対照表について
株式会社電通グループの四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は3,624,706百万円となっています。前期末から96,695百万円減少していますが、依然として大規模な企業規模を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び現金同等物が275,125百万円と大きな金額を保有しています。一方で、のれんが880,261百万円と非常に大きな割合を占めています。過去の M&A によって積み上がったのれんの管理が重要な課題と考えられます。
負債の部
負債の部では、借入金が450,111百万円となっています。また、退職給付に係る負債も17,977百万円あり、財務体質の健全性を確保する必要があります。
純資産の部
純資産の部では、親会社の所有者に帰属する持分が878,844百万円となっています。自己資本比率は24.2%と一定の水準を維持しています。
ROAとROE
株式会社電通グループのROAは0.6%、ROEは0.9%となっています。前年同期と比べROAは大幅に低下しており、経営効率が悪化していることがうかがえます。今後は収益性の改善に向けて、資産の効率的な活用が課題になると考えられます。
キャッシュフロー
株式会社電通グループのキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは152,340百万円の支出超過となっています。一方で、投資活動によるキャッシュフローは6,800百万円の支出超過、財務活動によるキャッシュフローは35,935百万円の収入超過となっています。全体としては現金及び現金同等物が1,155億53百万円減少しており、運転資金の需要が大きいことがわかります。
配当の支払額
株式会社電通グループは、2024年3月14日に2023年12月期の期末配当を行っています。1株当たりの配当金は61.00円で、前期と比べ24円減少しています。その他にも自己株式の取得を積極的に行っており、株主還元に注力している企業といえます。
今後の展望
株式会社電通グループは、経営環境の悪化により収益性が悪化している状況です。日本国内は堅調に推移しているものの、海外事業の収益改善が重要な課題となっています。グローバル展開を強化し、収益基盤の多様化を進めることで、持続的な成長を目指していくことが期待されます。
編集部のまとめ
株式会社電通グループは、国内外で広告事業を展開する大手企業です。当第1四半期の決算では、売上高は増加したものの、営業利益は大幅に減益となり、経営環境の悪化が影響しています。今後は海外事業の収益改善に取り組むとともに、自己株式の取得など株主還元にも注力しており、中長期的な成長が期待されます。
株式会社電通グループの決算日や配当についてまとめました。
株式会社電通グループの決算日は12月31日で、2024年5月14日に2024年第1四半期の決算報告書が提出されています。配当は、2024年3月14日に2023年12月期の期末配当として1株当たり61.00円が支払われました。今後の持続的な成長に向けて、グローバル展開の強化と収益改善が重要な課題となっています。