広栄化学株式会社の2023年12月期第3四半期決算報告が公開されました。売上高が130億60百万円と前年同期比0.9%減少しましたが、利益率の高い製品の販売減少などにより、経常利益は2億34百万円と前年同期比78.1%減少しました。この決算結果を分析してご紹介します。
企業情報
企業名: 広栄化学株式会社
証券コード: 43670
決算期: 3月31日
広栄化学株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
広栄化学株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期の決算発表は2024年2月8日に行われました。
主な事業
広栄化学株式会社は、化学品製造業を主な事業としています。医薬品原料や農薬原料、機能性化学品などのファイン製品を製造・販売しています。国内のほか、アジア、北米、欧州などへも製品を輸出しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の売上高は130億60百万円と前年同期比0.9%減少しましたが、利益面では苦戦しています。営業利益は3億23百万円と前年同期比69.2%減、経常利益は2億34百万円と78.1%の大幅減益となりました。利益率の高い触媒関連製品の販売減少が主な要因です。
売上・利益の推移
直近の3年間の売上高は130億円前後で推移しています。一方、利益面では、前述の通り当期は大幅な減益となりました。利益率の高い製品の販売減少により、収益性が悪化しているようです。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期の財務状況をみると、総資産は396億37百万円と前期末比5億55百万円増加しました。一方、負債合計は179億31百万円と9億3百万円増加し、純資産は217億6百万円と3億47百万円減少しています。
資産の部
資産の部では、流動資産が162億66百万円と前期末比13億35百万円増加しました。一方、固定資産は233億71百万円と7億80百万円減少しています。
負債の部
負債の部では、流動負債が101億6百万円と前期末比14億27百万円増加しました。一方、固定負債は78億24百万円と5億23百万円減少しています。
純資産の部
純資産の部は、217億6百万円と前期末比3億47百万円減少しました。自己資本比率は54.8%となっています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前年同期の2.6%から0.4%へと大幅に低下しました。また、ROE(自己資本利益率)も前年同期の3.6%から0.8%と大幅に悪化しています。これは、上述の通り、利益率の高い製品の販売減少により収益性が悪化したことが主な要因です。
キャッシュフロー
当第3四半期の営業キャッシュフローは、前年同期比で17億90百万円減少しています。これは、売上高減少に伴う収益性の悪化が主な要因と考えられます。投資キャッシュフローは、設備投資などにより7億66百万円の支出超過となりました。財務キャッシュフローは、借入金の返済などにより11億23百万円の支出超過となっています。
配当の支払額
当社は年2回の配当を実施しており、第2四半期末及び期末に配当を行っています。当第3四半期では、2023年9月30日基準日の中間配当として1株当たり50円の配当を実施しました。
今後の展望
当社は、今後も売価是正や生産の合理化・効率化などによるコスト削減に注力し、収益確保に努める方針です。また、医薬品原料や農薬原料などの販売拡大に注力するとともに、新製品開発にも力を入れていく予定です。この結果、次期以降の業績回復が期待されます。
編集部のまとめ
広栄化学株式会社の2023年12月期第3四半期決算は、売上高は前年同期並みを確保できましたが、利益面では大幅な減益となりました。利益率の高い製品の販売減少が主な要因です。今後は収益性の改善に向けた諸施策を推進し、業績の回復を目指していくことが課題といえます。一方、年2回の配当を維持し、株主還元にも尽力している点は評価できます。
広栄化学株式会社の決算日や配当についてまとめました。
広栄化学株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期の決算発表は2024年2月8日に行われました。また、同社は年2回の配当(中間配当50円、期末配当50円)を実施しています。業績回復に向けた取り組みに注目していきたいと思います。