扶桑化学工業株式会社は、食品や電子材料といった幅広い分野で事業を展開する化学メーカーです。この度、同社は2023年4月1日から12月31日までの第3四半期決算を発表しました。売上高は43,135百万円と前年同期比で18.0%の減収となりました。一方で、経常利益は8,698百万円と43.5%の大幅減益でした。今期の業績は半導体市場の低迷や原材料価格高騰の影響を受けたものの、販売価格の改定などにより収益性は確保できています。
企業情報
企業名: 扶桑化学工業株式会社
証券コード: 43680
決算期: 3月期
扶桑化学工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
扶桑化学工業株式会社は3月期決算を行っています。今回の報告は2023年4月1日から12月31日までの第3四半期決算となります。
主な事業
扶桑化学工業株式会社は主にライフサイエンス事業と電子材料および機能性化学品事業の2つの事業を手掛けています。ライフサイエンス事業では、果実酸や食品添加物などを生産・販売しており、電子材料および機能性化学品事業では、半導体製造に使われるコロイダルシリカなどの製品を提供しています。これらの製品は世界各国の顧客に供給されており、同社は化学メーカーの中でも高い技術力と品質管理力を誇っています。
今期の業績と利益率は?
今期の売上高は43,135百万円と前年同期比18.0%の減収となりました。一方で、営業利益は8,226百万円、経常利益は8,698百万円と、それぞれ44.1%、43.5%の大幅な減益となっています。これは主に半導体市場の低迷や原材料価格高騰の影響を受けたためです。しかし、売上高営業利益率は19.1%と高水準を維持できています。
売上・利益の推移
過去3年間の同社の業績をみると、売上高は52,634百万円→43,135百万円と18.0%減と減少傾向にありますが、経常利益は15,392百万円→8,698百万円と43.5%減と大幅な減益となっています。これは半導体関連製品の需要低迷に加え、原材料価格高騰の影響を受けたためです。一方で、同社は販売価格の改定や生産性向上に努め、利益率の確保に取り組んでいます。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表では、総資産が125,126百万円と前期末比11,597百万円増加しています。これは主に現金及び預金、商品及び製品、流動資産のその他に含まれている未収消費税、有形固定資産、無形固定資産が増加したためです。一方で、負債は33,234百万円と前期末比7,208百万円増加しています。これは主に長期借入金の増加によるものです。純資産は91,891百万円と前期末比4,388百万円増加しており、自己資本比率は73.4%を維持しています。
資産の部
同社の四半期連結貸借対照表の資産の部では、現金及び預金が増加したほか、商品及び製品や未収消費税などの流動資産、有形固定資産や無形固定資産も増加しています。これは主に、新設備の稼働などによるものと考えられます。
負債の部
一方、負債の部では長期借入金が増加しています。これは、新設備の設備投資資金の調達によるものです。一方で、設備関係未払金や未払法人税等が減少しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金の増加や為替換算調整勘定の増加などにより、純資産が91,891百万円と前期末比4,388百万円増加しています。この結果、自己資本比率は73.4%と高水準を維持しています。
ROAとROE
同社のROAは前期の7.5%から当期7.5%と横ばいとなっていますが、ROEは前期の14.4%から当期10.0%と低下しています。これは、主に経常利益が減少したことによります。一方で、自己資本比率は高水準を維持しており、今後の業績回復に期待がかかっています。
キャッシュフロー
同社の営業活動によるキャッシュ・フローは1,129百万円の獲得となりました。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは20,263百万円の使用となっています。これは主に、有形固定資産の取得によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは17,677百万円の獲得となっており、これは長期借入れによる収入によるものです。この結果、現金及び現金同等物は前期末比922百万円減少し、21,428百万円となっています。
配当の支払額
扶桑化学工業株式会社は、2023年6月23日に開催された定時株主総会において、1株当たり33円の期末配当を実施しました。また、2023年10月31日開催の取締役会では、1株当たり33円の中間配当の支払いを決議しています。配当性向は、現在のところ20%前後で推移しており、株主還元にも注力しています。
今後の展望
扶桑化学工業株式会社は、ライフサイエンス事業と電子材料および機能性化学品事業において、新製品開発や生産性向上に注力し、収益力の強化を目指しています。半導体市場の回復にも期待がかかっており、原材料価格高騰への対応を進めることで、業績の早期回復が期待できます。また、ESG経営にも積極的に取り組み、持続可能な企業としての成長も目指しています。
編集部のまとめ
扶桑化学工業株式会社は、化学素材分野で高い技術力を持つ企業です。今回の第3四半期決算では、売上高は前年同期比で減少したものの、利益率の高さを維持しており、今後の業績回復に期待が高まります。同社は半導体関連製品や食品素材など、成長分野への取り組みを強化しており、ESG経営にも尽力しています。中長期的に見れば、安定した収益基盤と財務体質を背景に、さらなる企業価値の向上が期待できるでしょう。
扶桑化学工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
扶桑化学工業株式会社は、3月期決算を行っており、今回の決算は2023年4月1日から12月31日までの第3四半期決算です。配当については、年間で1株当たり66円の支払いを予定しており、株主還元にも力を入れています。同社は化学素材分野のリーディングカンパニーとして、今後の業績回復に期待がかかっています。