株式会社トリケミカル研究所の2024年度第1四半期決算報告書が公表されました。同社は、半導体製造用の高純度化学化合物を手がける企業です。今回の決算では、売上高が前年同期比1.4%増加し、経常利益は17.7%減少するものの、堅調な業績を維持しています。
企業情報
企業名: 株式会社 トリケミカル研究所
証券コード: 43690
決算期: 1月31日決算
株式会社 トリケミカル研究所の決算日・決算時期(スケジュール）は？
株式会社トリケミカル研究所の決算日は1月31日です。決算発表は例年4月下旬に行われます。
主な事業
株式会社トリケミカル研究所は、半導体製造に欠かせない高純度化学化合物の開発、製造、販売を主な事業としています。特に、半導体のSi基板へのHigh-k、Metal、Etchingなどの薬剤の供給に強みを持っています。近年は、生成AI向けの最先端半導体への需要にも注目しており、事業領域の拡大を目指しています。
今期の業績と利益率は？
2024年度第1四半期の業績は、売上高が3,274,573千円と前年同期比1.4%増加しました。一方、営業利益は664,972千円と24.0%減少しましたが、経常利益は1,068,300千円と17.7%減少にとどまり、高い収益性を維持しています。
売上・利益の推移
過去3年間の業績推移を見ると、売上高、経常利益ともに上昇傾向にあります。特に、2023年度は過去最高の売上高、経常利益を記録しました。業績の安定性と向上が評価されていると考えられます。
四半期連結貸借対照表について
2024年4月30日時点の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は33,615,642千円と前期末比5.5%増加しています。主な要因は、南アルプス事業所の建設に伴う建設仮勘定の増加によるものです。一方、負債合計は6,117,218千円と前期末比42.6%増加しています。
資産の部
流動資産は20,021,763千円と前期末比5.3%増加しました。現金及び預金、原材料及び貯蔵品が増加しています。固定資産は13,593,878千円と前期末比5.7%増加しました。南アルプス事業所の建設に伴う有形固定資産の増加が主な要因です。
負債の部
流動負債は4,392,473千円と前期末比72.0%増加しました。買掛金や未払金等の増加が主な要因です。固定負債は1,724,745千円と前期末比1.0%減少しました。
純資産の部
純資産は27,498,423千円と前期末比0.3%減少しました。利益剰余金の減少と為替換算調整勘定の増加が主な要因です。自己資本比率は81.8%と高水準を維持しています。
ROAとROE
同社のROAは過去3年間7%台後半を維持しており、資産効率の高さが窺えます。一方、ROEは10%台前半で、株主資本の収益性もおおむね良好な水準にあると言えます。今後も事業拡大や生産性向上に取り組み、収益性の維持・向上を図っていくことが期待されます。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが2,047,589千円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが460,413千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが942,445千円の支出となりました。手元流動性は引き続き高水準を維持しています。
配当の支払額
同社は、株主への利益還元を重要な経営課題の一つと位置づけています。2024年4月の定時株主総会において、2024年1月期の期末配当金を1株当たり30円と決議しました。連結配当性向は高水準の36.8%となっています。
今後の展望
同社は、中期経営計画に基づき、半導体製造用化学化合物の生産能力増強や新製品開発に取り組んでいきます。また、製造プロセスの環境負荷低減や安全性向上にも注力し、サステナビリティの向上にも努めていく方針です。半導体市場の回復や最先端IC需要の取り込みに期待が高まっており、今後の更なる業績拡大が期待されます。
編集部のまとめ
株式会社トリケミカル研究所は、半導体製造に欠かせない高純度化学化合物を手がける企業です。今回の決算では、売上高が増加し収益性も高水準を維持しました。今後は、生産能力の向上や新製品開発、サステナビリティ対策などに取り組み、半導体市場の回復を取り込んでいくことが期待されます。同社は、安定した業績と高い収益性を兼ね備えた優良企業と言えるでしょう。
株式会社 トリケミカル研究所の決算日や配当についてまとめました。
株式会社トリケミカル研究所の決算日は1月31日、決算発表は例年4月下旬に行われます。2024年1月期の期末配当金は1株当たり30円と、連結配当性向は36.8%と高水準を維持しています。同社は、株主への利益還元を重要な経営課題の一つと位置づけており、今後も安定的な配当の実施が期待されます。
