[武田薬品工業株式会社は、先端医療の研究開発に力を入れる世界的な製薬会社です。今期の業績は好調で、売上高は前年同期比4.6%増加し、利益率も高水準を維持しています。今後も、消化器疾患や希少疾患領域の製品が伸長し、安定した収益基盤を持つことが期待されます。]
企業情報
企業名: 武田薬品工業株式会社
証券コード: 45020
決算期: 3月期
武田薬品工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
武田薬品工業株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期決算(12月期)は当四半期報告書のとおり公表されています。
主な事業
武田薬品工業株式会社は、医薬品の研究開発、製造、販売を主な事業としています。消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤(免疫疾患)、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)などの各疾患領域で幅広い製品ラインアップを持っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期累計の売上収益は3兆2,128億円と、前年同期比で4.6%増加しました。営業利益は2,241億円、純利益は1,472億円と、いずれも高水準の利益率を維持しています。特に消化器系疾患やバイオ医薬品の血漿分画製剤の売上が好調に推移しました。
売上・利益の推移
武田薬品工業の売上収益と利益は、過去3年で安定的に推移しています。売上収益は4兆27億円、営業利益は3,750億円、純利益は3,170億円とともに前年同期比で増加しました。主力の医薬品ラインアップが堅調に推移し、製品ポートフォリオの強みが発揮されている様子が窺えます。
四半期連結貸借対照表について
武田薬品工業の資産合計は14兆2,229億円、負債合計は7兆4,803億円、純資産は6兆7,426億円となっています。資産の大半を無形資産が占めており、Shire社買収などの企業買収戦略を反映しています。一方で、負債は社債や借入金が主で、金融体質も健全に推移しています。
資産の部
資産の大半を占めるのは、のれんや無形資産で、これらは過去の企業買収に伴い計上された資産です。製造設備などを示す有形固定資産や、棚卸資産、売上債権も主な資産項目となっています。
負債の部
負債の中心を占めるのは、社債と長期借入金などの有利子負債です。これらは主に企業買収資金などに充当されています。その他に、仕入債務、未払法人所得税などの営業債務も計上されています。
純資産の部
純資産は6兆7,426億円と健全な水準を維持しています。資本金は1兆6,765億円、利益剰余金は1兆3,968億円となっています。また、為替換算調整勘定の増加など、その他の包括利益の増加も純資産を押し上げています。
ROAとROE
武田薬品工業のROA(総資産利益率)は2.2%、ROE(自己資本利益率)は2.2%となっています。前期と比べROAは低下しましたが、ROEは横ばいで推移しており、一定の収益力と効率性を維持しています。企業買収によるのれんや無形資産の積み上がりが影響していると考えられます。
キャッシュフロー
当第3四半期累計の営業キャッシュフローは4,378億円と前年同期比で2,457億円減少しました。投資キャッシュフローは△4,024億円、財務キャッシュフローは△2,962億円となり、現金及び現金同等物は2,884億円に減少しています。設備投資や企業買収への積極投資を行った一方で、借入金の返済や配当支払いなど財務活動にも注力していることがわかります。
配当の支払額
武田薬品工業は、年間配当金を1株当たり184円として安定的な配当を行っています。直近では中間配当を1株当たり94円支払うなど、株主還元にも積極的に取り組んでいます。
今後の展望
今後も、武田薬品工業は消化器疾患や希少疾患分野の製品を中心に、安定した収益基盤を維持していくと見込まれます。特に免疫疾患治療薬「ENTYVIO」や血漿分画製剤は引き続き好調な推移が期待されています。また、革新的な新薬候補の開発にも注力しており、長期的な成長に向けた取り組みを強化していく方針です。
編集部のまとめ
武田薬品工業は、これまでの高い研究開発力と製品ラインアップの強みを活かし、堅調な業績を維持しています。今期の売上高、利益ともに増加基調で、ROAやROEなどの収益性指標も健全水準を確保しています。今後も主力の医薬品が伸長し、さらなる成長が期待できる企業です。同時に、株主還元にも力を入れており、投資家の関心も高いといえるでしょう。
武田薬品工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
武田薬品工業の決算日は3月31日で、第3四半期決算(12月期)の業績は好調に推移しています。配当については、年間配当金が1株当たり184円と安定的な還元を行っており、直近の中間配当も94円と株主への還元に注力しています。今後も持続的な成長と株主還元が期待できる企業であると言えるでしょう。