この度、医療用医薬品の大手企業「塩野義製薬株式会社」の決算報告を発表しましたので、ご紹介いたします。同社は、感染症治療薬を中心にグローバルで事業を展開し、売上高や利益率も好調に推移しています。直近の業績や今後の展望についてご確認ください。
企業情報
企業名: 塩野義製薬株式会社
証券コード: 4507
決算期: 3月期
塩野義製薬株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
塩野義製薬の決算日は3月31日です。そのため、第3四半期は2023年12月31日が対象期間となります。決算発表は通常3月と6月、9月、12月の年4回行われています。
主な事業
塩野義製薬は、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売を主要事業としています。特に感染症領域の医薬品開発に注力しており、インフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」やCOVID-19治療薬「ゾコーバ」などが主力製品となっています。また、HIV治療薬の開発にも力を入れ、導出先のヴィーブ社とのライセンス契約により安定したロイヤリティー収入を得ています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の売上収益は3,118億円と前年同期比で8.0%の減収となりました。一方で、営業利益は1,387億円と前年同期比5.3%の減益に留まり、高い収益性を維持しています。主な要因は、感染症治療薬の好調な販売と、共同開発品のライセンス移管による一時金の計上です。
売上・利益の推移
塩野義製薬の売上収益は増加基調にあり、2023年3月期は4,266億円の記録を達成しました。利益面でも同様に順調に推移し、営業利益は2,203億円となりました。収益力の高さが特徴で、売上高営業利益率は52%と業界トップクラスの水準を誇っています。
四半期連結貸借対照表について
直近の四半期連結貸借対照表を確認すると、資産合計は1兆3,598億円となっています。負債は1,455億円と健全な財務体質を維持しており、自己資本比率は87.7%と非常に高い水準にあります。
資産の部
非流動資産は6,026億円で、前期末比750億円の増加となっています。主な要因は、為替の影響によるその他の金融資産の増加や、Qpex Biopharma社の子会社化に伴う無形資産の増加です。一方、流動資産は7,572億円と前期末比269億円減少しています。現金及び現金同等物が減少したことが主な背景です。
負債の部
負債合計は1,455億円と前期末より444億円減少しました。流動負債が1,152億円と大幅に減少したことが主な要因です。営業債務や未払法人所得税の減少が主な内訳となっています。
純資産の部
純資産は1兆2,143億円と前期末より924億円増加しました。親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上や、在外営業活動体の外貨換算差額の増加などが主な要因です。自己資本比率は87.7%と非常に高い水準を維持しています。
ROAとROE
塩野義製薬のROA(総資産利益率)は前期末の13.1%から当期末10.6%に低下しました。一方、ROE(自己資本利益率)は前期末の16.8%から当期末13.1%に低下しています。これは、業績の好調に伴い利益が増加した一方で、資産および資本も増加したことが影響しています。高い収益性を維持しつつ、資産効率の向上にも努めているといえます。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは670億円の収入となり、前年同期比49%減少しました。これは主に、税引前四半期利益の減少や法人所得税の支払額増加によるものです。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは101億円の支出と大幅に改善しました。現金及び現金同等物の期末残高は2,847億円と、引き続き手元流動性を確保しています。
配当の支払額
塩野義製薬は、株主還元にも積極的に取り組んでいます。今期の中間配当金は1株当たり75円、年間配当金は前期の120円から150円に増配される見通しです。配当性向は35%程度を目指しており、安定的かつ増加傾向にあります。
今後の展望
感染症領域での新薬開発や、導出先とのアライアンス強化を中心に、今後も持続的な成長が期待できると評価されています。特に、COVID-19治療薬「ゾコーバ」の販売の拡大や、次世代のユニバーサルワクチン開発の進展に注目が集まっています。また、睡眠障害治療薬の開発にも積極的に取り組んでおり、今後の新製品投入にも期待が高まっています。
編集部のまとめ
塩野義製薬は、感染症領域での強みを生かし、高い収益性と財務基盤を維持している企業です。直近の業績は堅調に推移しており、今後も持続的な成長が期待できそうです。特に、COVID-19治療薬や次世代ワクチンの開発動向に注目が集まっています。また、株主還元にも積極的で、安定的な配当水準を維持しています。総合的に判断すると、塩野義製薬は魅力的な銘柄だと評価できるでしょう。
塩野義製薬株式会社の決算日や配当についてまとめました。
塩野義製薬の決算日は3月31日で、年4回の決算発表を行っています。また、同社は株主還元に積極的で、中間配当金は1株当たり75円、年間配当金は150円と増配基調にあります。今後も感染症治療薬や新薬開発への期待が高く、安定的な収益性と配当利回りが特徴といえるでしょう。