アンジェス株式会社の2024年第1四半期決算報告がリリースされました。医薬品開発に注力する創薬ベンチャーのアンジェス株式会社は、遺伝子治療薬や新型コロナワクチン開発など、医療・医薬品分野で着実に成果を上げています。今回の決算では、研究開発の進捗や新製品の承認など、前年同期に比べ大幅な業績改善が見られました。企業の成長とともに、今後の期待も高まっています。
企業情報
企業名: アンジェス株式会社
証券コード: 45630
決算期: 12月期
アンジェス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
アンジェス株式会社の決算期は12月期です。通常の上場企業と同様、第1四半期決算は3月末に発表されています。
主な事業
アンジェス株式会社は、遺伝子医薬品の開発・実用化を目指すバイオベンチャーです。遺伝子治療薬のコラテジェンや、新型コロナウイルスワクチンなどの研究開発に取り組んでいます。また、遺伝子診断検査の受託事業や、遺伝性疾患治療薬の導入なども手がけています。
今期の業績と利益率は?
今期の業績は、事業収益が113,561千円と大幅に改善しました。特に、連結子会社のEmendo社が開発したゲノム編集技術のライセンス収入や、拡大新生児スクリーニングの検査受託収入が好調でした。一方で、研究開発費や販管費が高水準で推移したことから、経常損失は1,527,122千円となりました。
売上・利益の推移
売上高は、遺伝子治療薬コラテジェンの販売やスクリーニング検査の受託などにより前年同期比584%増と大幅に改善しています。一方、医薬品開発に伴う研究開発費は高止まりしており、営業損失は2,476,692千円となっています。しかし、営業外収益の増加により、経常損失は前年同期比47.3%改善しました。
四半期連結貸借対照表について
アンジェス株式会社の四半期連結貸借対照表では、総資産が280億2,948万円となっています。前期末比8億6,306万円の減少ですが、これは主に現金及び預金の減少によるものです。一方、のれんが22,385,934千円と大きな割合を占めており、Emendo社の買収に伴うものです。
資産の部
流動資産は、43億9,319万円と前期末比15億2,808万円減少しました。主な減少要因は、運転資金等の支出により現金及び預金が20億4,480万円減少したことです。固定資産は、のれんの増加などから236億3,628万円と前期末比6億6,502万円増加しています。
負債の部
負債合計は29億7,668万円となり、前期末比1億8,731万円の増加です。買掛金が2億7,134万円増加したことなどが主な要因です。
純資産の部
純資産は250億5,279万円と前期末比10億5,037万円減少しました。親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により、利益剰余金が減少したことが主な要因です。
ROAとROE
アンジェス株式会社のROAは前期末の7.4%から5.4%に、ROEは前期末の28.5%から23.0%に低下しています。これは、前述の通り営業損失の計上や、資産の増加などによるものです。医薬品開発に必要な先行投資が続く中で、収益性の改善が課題となっています。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュ・フローは、運転資金の使用などにより2,044,800千円の減少となりました。研究開発費の支出や、ゾキンヴィの購入などによるものです。今後、新薬の上市やライセンス収入の増加などにより、キャッシュ・ポジションの改善が期待されます。
配当の支払額
アンジェス株式会社は創薬ベンチャーとして、これまで配当を実施していません。成長段階にあり、内部留保を確保しながら事業投資に充てる方針です。今後の業績次第では、株主還元の検討も視野に入るかもしれませんが、当面は配当の支払いはない見通しです。
今後の展望
アンジェス株式会社は、自社開発品の製品化や、開発パイプラインの拡充に注力しています。遺伝子治療薬コラテジェンの承認取得や、新型コロナワクチンの研究開発などが期待されます。さらに、ゲノム編集治療の開発や、検査受託事業の拡大など、事業基盤の強化にも取り組んでいます。医療分野での革新的な技術の実用化に向け、将来の業績拡大が期待されています。
編集部のまとめ
アンジェス株式会社の2024年第1四半期決算では、遺伝子治療薬やゲノム編集技術などの研究開発進展により、収益が大幅に改善しました。一方で、医薬品開発の先行投資負担が重く、依然として営業損失が続いています。しかし、新製品の承認や、検査受託事業の拡大など、事業基盤の強化に取り組んでおり、今後の業績回復に期待が寄せられます。創薬ベンチャーとしての挑戦は続きます。
アンジェス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
アンジェス株式会社は12月期の決算で、第1四半期決算は3月末に発表されています。また、成長段階にある同社は株主還元を実施していませんが、今後の業績次第では配当検討の可能性も出てくるかもしれません。医療分野での革新的な取り組みに注目が集まる同社の動向に期待が高まっています。