杏林製薬株式会社の2023年4月1日から2023年12月31日までの第3四半期決算報告書をご紹介します。売上高87,267百万円と前年同期比8.1%の増収となりました。利益面でも営業利益4,465百万円と前年同期比5.0%減と下げたものの、国内新薬の成長が底支えとなっています。この決算で見る限り、杏林製薬は着実に事業を伸ばし続けている企業といえるでしょう。
企業情報
企業名: 杏林製薬株式会社
証券コード: 45690
決算期: 2023年3月31日
杏林製薬株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
杏林製薬株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期決算は2023年12月31日が期末となります。
主な事業
杏林製薬株式会社は主に医療用医薬品の製造・販売を行う企業です。特に国内における新薬の開発と後発医薬品の製造・販売に注力しています。2023年4月1日には旧杏林製薬株式会社を吸収合併し、企業体制を刷新しました。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は売上高87,267百万円、営業利益4,465百万円、経常利益5,053百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益3,914百万円と好調に推移しています。新型コロナの影響も和らぎ、主力の新薬が好調に伸長したことが業績を押し上げています。
売上・利益の推移
過去3年間の業績を見ると、売上高は113,270百万円(2023年3月期)、87,267百万円(2024年3月期第3四半期)と推移しています。利益面でも経常利益は4,723百万円(2023年3月期)、5,053百万円(2024年3月期第3四半期)と安定的に推移しています。新型コロナの影響を受けましたが、新薬の伸長で業績を下支えできています。
四半期連結貸借対照表について
杏林製薬の2023年12月31日時点の四半期連結貸借対照表をみると、資産合計178,942百万円、負債合計52,365百万円、純資産合計126,576百万円となっています。財務体質は健全で、借入金も適正水準に抑えられています。
資産の部
資産の部では、流動資産が120,501百万円あり、現金・預金、売掛金、たな卸資産などが主な内訳です。また固定資産が58,440百万円あり、有形固定資産や投資有価証券などが中心です。研究開発投資や設備投資を着実に行っている様子が見て取れます。
負債の部
負債の部では、流動負債が47,588百万円あり、支払手形・買掛金、短期借入金、未払法人税等などが主な内訳です。また固定負債が4,777百万円あり、長期借入金などが中心です。有利子負債は適正水準に抑えられています。
純資産の部
純資産の部では、株主資本が123,390百万円あり、資本金、資本剰余金、利益剰余金などが主な内訳です。またその他の包括利益累計額が3,186百万円あり、その他有価証券評価差額金などが含まれています。財務体質は健全といえるでしょう。
ROAとROE
杏林製薬のROA(総資産利益率)は前期3.2%、当期2.9%と推移しています。また、ROE(自己資本利益率)は前期3.8%、当期3.1%となっています。利益率は若干低下しましたが、依然として健全な水準を維持しています。新規投資や研究開発投資を行いながらも、着実に収益を積み上げられている企業といえます。
キャッシュフロー
キャッシュフローの推移をみると、営業活動によるキャッシュ・フローは9,765百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは3,235百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは4,798百万円の支出となっています。経営活動によるキャッシュの創出力は健全であり、今後の設備投資や研究開発投資に充てられる可能性があります。
配当の支払額
杏林製薬は、2023年5月22日取締役会で1株当たり20円の中間配当、2023年11月8日取締役会で1株当たり32円の期末配当を決議しました。合計で1株当たり52円の年間配当となっています。企業業績も安定しているため、株主還元にも注力している様子がうかがえます。
今後の展望
杏林製薬は2023年度から新たな長期ビジョン「Vision 110」をスタートさせました。創薬力の強化、新薬パイプラインの拡充、新薬の普及など、様々な成長戦略に取り組んでいきます。医療用医薬品市場の成長が期待できるなか、杏林製薬の更なる飛躍が期待されます。
編集部のまとめ
杏林製薬の第3四半期決算は、売上高・利益ともに好調に推移しました。新型コロナの影響も和らぎ、既存の主力新薬の伸長や後発医薬品の堅調な推移などが業績をけん引しています。企業体質も健全で、今後の成長が期待できる企業と言えるでしょう。株主還元にも積極的で、株主の皆さまにも期待される決算だったと思います。
杏林製薬株式会社の決算日や配当についてまとめました。
杏林製薬の決算日は3月31日で、第3四半期決算は2023年12月31日が期末となります。配当については、中間配当1株当たり20円、期末配当1株当たり32円、年間52円の配当を実施しており、株主還元にも注力している様子がうかがえます。