日本ペイントホールディングス株式会社の決算報告書を見ると、同社は塗料・コーティング事業や塗料周辺事業を展開する大手企業であることがわかります。過去にアセアンやオセアニア地域での積極的な M&A によって事業規模を大きく拡大してきた同社は、世界的な経済環境の変化の中でも堅調な業績を維持しています。
企業情報
企業名: 日本ペイントホールディングス株式会社
証券コード: 46120
決算期: 12月期
日本ペイントホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール）は？
日本ペイントホールディングス株式会社は、12月31日を決算日としています。そのため、5月中旬に決算短信の発表、6月下旬に株主総会の開催といった流れで決算スケジュールが進められます。
主な事業
日本ペイントホールディングス株式会社は、自動車用塗料、汎用塗料、工業用塗料などの塗料・コーティング事業と、接着剤などの塗料周辺事業を展開しています。塗料事業においては国内外での製造・販売体制を強化し、グローバル展開を推進してきました。また、M&Aを通じて事業領域を拡大するなど、積極的な経営戦略を展開しています。
今期の業績と利益率は？
今期の決算では、連結売上収益が3,843億円と前年同期比で16.4%の増収となりました。また、連結営業利益は426億円と前年同期比で22.2%の増益となりました。これは主力事業である中国の汎用塗料の販売数量が増加したことや、円安の影響などによるものです。同社の営業利益率は11.1%と高水準を維持しています。
売上・利益の推移
日本ペイントホールディングス株式会社は、過去数年にわたって着実に売上収益と利益を伸ばしてきました。2023年には売上収益が1,442億円、営業利益は1,898億円と、堅調な業績を示しています。特に中国を中心としたアジア地域での事業拡大が大きな成長ドライバーとなっています。
四半期連結貸借対照表について
同社の2024年3月末の総資産は2兆8,890億円と前期末から約1,757億円の増加となりました。これは主に、のれんの増加などによる非流動資産の増加によるものです。一方、負債合計は1兆4,368億円と前期末から約916億円増加しており、社債や借入金の増加が主な要因です。親会社所有者帰属持分比率は49.8%と健全な財務体質を維持しています。
資産の部
同社の資産の部では、現金及び現金同等物が2,799億円、棚卸資産が1,921億円、のれんが9,555億円となっています。成長戦略の一環として積極的なM&Aを行ってきた同社では、のれんが大きな資産を占めています。
負債の部
負債の部では、社債及び借入金が7,738億円と大きな割合を占めています。また、営業債務及びその他の債務が2,788億円となっています。M&Aなどにより事業規模を拡大してきた同社は、その資金を借入金で調達してきました。
純資産の部
純資産の部では、親会社の所有者に帰属する持分が1兆4,400億円と、健全な財務状態を維持しています。親会社所有者帰属持分比率は49.8%と高水準を維持しており、財務の安定性が高い企業といえます。
ROAとROE
日本ペイントホールディングス株式会社のROA(総資産利益率)は4.3%、ROE(自己資本利益率)は8.8%となっています。これらの指標はいずれも高水準にあり、同社の資産効率や収益性の高さを示しています。過去数年の堅調な業績を反映して、ROA、ROEともに改善傾向にあります。
キャッシュフロー
同社のキャッシュ・フローは安定的な推移となっています。当第1四半期では394百万円の営業キャッシュ・フローの支出となりましたが、これは主に運転資本の増加によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは2,355億円の支出となり、M&Aなどの積極的な投資が行われています。財務活動によるキャッシュ・フローは56億円の収入となっています。
配当の支払額
日本ペイントホールディングス株式会社は、株主への利益還元を重視しており、2023年12月期の1株当たり年間配当金は8.00円と前期から2.00円増配となりました。同社は今後も安定的な配当政策を継続していく方針で、株主還元の充実に努めていきます。
今後の展望
日本ペイントホールディングス株式会社は、自動車用塗料や汎用塗料を中心に、中国を始めとするアジア地域での事業拡大に注力しています。同社はグローバル展開を加速させ、2025年3月期には売上高2兆円、営業利益2,000億円の達成を目指しています。海外事業の収益性向上や、デジタル化の推進などを通じて、より強固な経営基盤の構築を目指しています。
編集部のまとめ
日本ペイントホールディングス株式会社は、塗料事業を中心に高い収益性を維持しながら着実に成長を遂げてきた企業です。特に中国やアジア地域での事業拡大が大きな成長ドライバーとなっており、今後もこの地域での事業拡大に期待が寄せられています。また、M&Aを通じた事業領域の拡大や、デジタル化の推進など、積極的な経営戦略を展開しています。同社の今後の業績動向に注目が集まるところです。
日本ペイントホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本ペイントホールディングス株式会社の決算日は12月31日です。そのため、5月中旬に決算短信の発表、6月下旬に株主総会の開催といった流れで決算スケジュールが進められます。また、同社は株主への利益還元を重視しており、2023年12月期の1株当たり年間配当金は8.00円と前期から2.00円増配となりました。今後も安定的な配当政策を継続していく方針です。
