東京インキ株式会社の2023年度第3四半期の決算報告が発表されました。売上高は329億88百万円と前年同期比5.7%の増収、営業利益は6億75百万円と大幅に増益になりました。好調なパフォーマンスの背景には、原材料価格の上昇に対する製品価格の改定や、コロナ禍からの回復による需要の改善などが挙げられます。引き続き競争力の強化と顧客満足の向上、新事業領域の開拓に取り組んでいくと見られます。
企業情報
企業名: 東京インキ株式会社
証券コード: 4635
決算期: 3月期
東京インキ株式会社の決算日・決算時期(スケジュール）は？
東京インキ株式会社の決算期は3月期で、第3四半期は2023年12月31日に締め切られています。決算日は年に4回、6月、9月、12月、3月の最終日となっています。
主な事業
東京インキ株式会社は、オフセットインキ、グラビアインキ、インクジェットインクなどのインキ事業、マスターバッチ、樹脂コンパウンドなどの化成品事業、ネトロン、土木資材、農業資材などの加工品事業を展開しています。また、不動産賃貸事業も手がけています。同社は包装・印刷関連業界を中心に、幅広い顧客層に製品とサービスを提供しています。
今期の業績と利益率は？
2023年度第3四半期の業績は、売上高が329億88百万円、営業利益が6億75百万円と前年同期に比べ大幅に増加しました。インキ事業では原材料価格上昇への対応、化成品事業ではタイ国連結子会社の好調が寄与しました。営業利益率は2.0%と前年同期の0.2%から大きく改善しました。
売上・利益の推移
東京インキ株式会社の最近3年間の業績推移を見ると、売上高は2022年度が434億6百万円、2023年度第3四半期が329億88百万円と増加傾向にあります。一方、営業利益は2022年度が47億83百万円、2023年度第3四半期が6億75百万円と大きく変動しています。原材料価格高騰の影響を受けつつ、販売価格改定などで収益力は改善されつつあります。
四半期連結貸借対照表について
東京インキ株式会社の2023年12月31日時点の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は511億86百万円となっています。前期末から33億89百万円増加しており、主な増加要因は現金及び預金の増加や棚卸資産の増加などです。
資産の部
資産の部では、流動資産が313億36百万円で全体の61.2%、固定資産が198億49百万円で38.8%となっています。流動資産では現金及び預金や売上債権の増加が目立ち、固定資産では投資有価証券の時価上昇などが寄与しています。
負債の部
負債の部では、流動負債が188億19百万円で全体の82.9%、固定負債が39億1百万円で17.1%となっています。流動負債では仕入債務の増加が主な要因です。
純資産の部
純資産の部は284億65百万円で、自己資本比率は55.2%となっています。利益剰余金の積み上がりや、その他の包括利益累計額の増加などから、着実に純資産が積み上がってきています。
ROAとROE
東京インキ株式会社の収益性を示す指標であるROA(総資産経常利益率)とROE(自己資本当期純利益率)は、2023年度第3四半期でそれぞれ1.8%、2.8%となっています。前期に比べROAは低下しましたが、ROEは改善しています。事業の効率性と自己資本の生産性が全体としては向上傾向にあると言えます。
キャッシュフロー
2023年度第3四半期のキャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは11億4百万円の収入となっています。投資活動によるキャッシュ・フローは4億54百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは5億84百万円の支出となり、全体として現金及び預金は5億16百万円増加しました。
配当の支払額
東京インキ株式会社は株主還元として、2023年度の中間配当を1株当たり40円実施しています。前期と同水準の配当となっています。通期の配当予想は未発表ですが、業績の回復基調を受けて増配も期待されます。
今後の展望
東京インキ株式会社は、長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」を策定し、持続可能な価値提供企業を目指しています。原材料価格高騰への対応と需要の取り込みを進めつつ、環境配慮製品の開発や温室効果ガス排出削減などのサステナビリティ対応にも取り組んでいきます。中長期的な成長に向け、さらなる事業基盤の強化が期待されます。
編集部のまとめ
東京インキ株式会社の2023年度第3四半期決算は、売上高、営業利益ともに前年同期を大幅に上回る好業績となりました。原料高騰への価格転嫁が奏功し、各事業分野で収益力が改善されています。今後も競争力強化とサステナビリティ経営の推進により、持続的な企業価値向上が期待されます。
東京インキ株式会社の決算日や配当についてまとめました。
東京インキ株式会社の決算日は年4回、6月、9月、12月、3月の各月末となっています。2023年度の中間配当は1株当たり40円で、前期と同水準の配当が行われました。今後の業績回復を受けて、増配も期待されます。
