株式会社さくらケーシーエスの直近の決算報告書を分析しました。この会社は金融・公共・産業の各分野でシステムの構築やシステム運用などのサービスを提供する情報サービス企業です。売上高は前年同期比0.7%増の16,491百万円と堅調に推移しており、営業利益は91.2%増の928百万円と大幅な増益となりました。特に金融関連部門のシステム構築が増加したことやコスト管理の改善により収益性が高まったようです。今後も成長が期待できる企業といえそうです。
企業情報
企業名: 株式会社さくらケーシーエス
証券コード: E05090
決算期: 3月期
株式会社さくらケーシーエスの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社さくらケーシーエスの決算日は3月31日です。決算発表は通常4月下旬から5月下旬にかけて行われます。
主な事業
株式会社さくらケーシーエスは、金融、公共、産業の各分野においてシステムの設計・開発・運用などのサービスを提供しています。金融関連部門ではSMBCグループ向けのシステム構築やシステム運用管理などが中心で、公共関連部門では自治体や公団体向けのソリューションを手掛けています。また産業関連部門では企業向けのERP(基幹システム)構築やシステム機器販売なども行っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は売上高が16,491百万円と前年同期比0.7%の増収、営業利益が928百万円と91.2%の大幅増益となりました。売上総利益率も改善し、収益性が向上しています。特に金融関連部門のシステム構築が増加したことや、不採算案件の縮小や低採算案件からの撤退などコスト管理の強化により、全体としての収益性が大きく改善しています。
売上・利益の推移
同社の売上高は過去3年間おおむね横ばいで推移しています。一方で、経常利益は2022年3月期に1,038百万円と過去最高を更新し、今期も982百万円と高水準を維持しています。売上は横ばいですが、収益性の改善により利益水準が向上してきたことが特徴です。
四半期連結貸借対照表について
同社の直近の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は22,379百万円と前期末比428百万円減少しています。一方、純資産は18,500百万円と前期末比667百万円増加し、自己資本比率も82.7%と高水準を維持しています。財務体質は引き続き健全であると評価できます。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が7,759百万円と手元流動性が厚く、また受取手形、売掛金及び契約資産が5,412百万円と収支管理も適切に行われています。無形固定資産は504百万円、投資その他の資産は3,566百万円となっています。
負債の部
負債の部では、買掛金が1,115百万円、未払法人税等が264百万円となっています。また、退職給付に係る負債が107百万円となっています。全体としてさほど多くの負債はなく、健全な財務状態を維持できています。
純資産の部
純資産の部では、資本金が2,054百万円、資本剰余金が2,228百万円、利益剰余金が13,231百万円となっています。自己資本比率は82.7%と極めて高水準で、財務健全性が高い水準にあるといえます。
ROAとROE
同社のROA(総資産経常利益率)は4.4%、ROE(自己資本当期純利益率)は3.8%となっています。ROAは同業他社平均を上回る水準にあり、ROEも健全な水準を維持しています。これは収益性の改善に加え、財務体質の健全性が高いことが要因と考えられます。今後も収益力の向上とともに、資本効率の改善が期待できる企業だといえます。
キャッシュフロー
直近の経営成績を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローが堅調に推移しており、投資活動によるキャッシュ・フローもほぼ均衡しているため、全体としてキャッシュ・フローは良好な状況にあると判断できます。手元の現金及び預金も多く、財務体質の強さが窺えます。
配当の支払額
同社は年間配当金を20円(中間配当9円、期末配当11円)と、過去3年間安定的な配当を実施しています。配当性向は2022年3月期が30%程度、今期も20%程度と株主還元も充実させています。株主の皆様への利益還元も積極的に行われている企業だと評価できます。
今後の展望
同社はデジタル化の加速や業務の効率化ニーズに応えるため、金融、公共、産業の各分野でシステムの構築やシステム運用管理のサービスを強化していく方針です。中期経営計画では2025年3月期に売上高240億円、経常利益12億円を目指しており、収益性の改善と持続的な成長が期待できる企業だといえます。
編集部のまとめ
株式会社さくらケーシーエスは金融、公共、産業の各分野でシステムの構築やシステム運用管理などの事業を展開する情報サービス企業です。近年の業績は順調で、売上は横ばいながらも収益性の改善により経常利益は高水準を維持しています。財務体質も健全で、株主還元の面でも充実しているのが特徴です。今後も持続的な成長が期待できる企業だと評価できます。
株式会社さくらケーシーエスの決算日や配当についてまとめました。
株式会社さくらケーシーエスは決算日が3月31日で、決算発表は4月下旬から5月下旬にかけて行っています。配当は年間20円(中間配当9円、期末配当11円)と、過去3年安定的な株主還元を実施しています。今後も収益力の向上と共に、安定的な配当が期待できる企業といえるでしょう。