図研エルミック株式会社の2023年12月期第3四半期決算が公表されました。売上高は699百万円と前年同期比6.9%増加し、経常利益は129百万円と8.7%増加という、好調な業績となっています。この企業が手がける通信ミドルウェアは、IoT時代の重要なインフラとして期待されており、今後の成長が期待されます。
企業情報
企業名: 図研エルミック株式会社
証券コード: 4706
決算期: 3月期
図研エルミック株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
図研エルミック株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期決算では、2023年12月31日を会計期間の最終日としています。通常の年次決算は毎年6月に行われます。
主な事業
図研エルミック株式会社は、通信ミドルウェア事業を中心に事業を展開しています。同社の主力製品であるストリーミング技術は、IoT製品やインフォテインメント、産業機器などの分野で高い評価を得ており、開発からアプリケーション構築、検証環境の提供まで一気通貫で提供できるソリューションを展開しています。同社は、この強みを活かしてさらなる事業拡大を目指しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期累計期間の売上高は699百万円と前年同期比6.9%増加しました。また、経常利益は129百万円と8.7%増加するなど、好調な業績を維持しています。売上総利益率は52.5%と高水準を保っており、同社の技術力の高さが窺えます。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と経常利益の推移を見ると、売上高は925百万円から699百万円と減少傾向にあるものの、経常利益は172百万円から129百万円とほぼ横ばいで推移しています。このように、売上高の変動にかかわらず一定の利益を確保できる強固な収益基盤を築いています。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表を見ると、資産総額は999百万円と前事業年度末に比べ15百万円増加しました。また、負債総額は141百万円と55百万円減少し、自己資本比率は85.8%と高水準を維持しています。健全な財務体質を持つ企業であると言えるでしょう。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が738百万円と大幅に増加しましたが、一方で受取手形及び売掛金が202百万円と減少しています。これにより、流動性の高い資産構成となっています。
負債の部
負債の部では、買掛金が18百万円、未払法人税等が5百万円と減少しており、財務の健全性が高まっています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が222百万円と大幅に増加しています。これにより、自己資本比率は85.8%と非常に高い水準を維持しており、財務基盤の強さが窺えます。
ROAとROE
同社のROA(総資産利益率)は前年同期の18.1%から13.1%に低下しました。一方、ROE(自己資本利益率)は前年同期の18.1%から10.4%に低下しています。これは売上高は増加したものの、利益が減少したことが主な要因です。ただし、いずれも高水準の指標を維持しており、企業の収益性は健全に推移していると言えるでしょう。
キャッシュフロー
四半期キャッシュ・フロー計算書を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローが99百万円のプラスとなっており、安定的なキャッシュ創出力を有していることが分かります。また、投資活動によるキャッシュ・フローは11百万円のマイナスと、設備投資などに充当されています。これらの結果、現金及び預金残高が大幅に増加しています。
配当の支払額
当第3四半期累計期間において、1株当たり3円の中間配当が行われました。前年同期は配当がなかったため、今期は株主還元が強化された形となっています。今後も安定的な配当が期待できそうです。
今後の展望
市場環境としては、IoTやエッジコンピューティング、自動運転など、同社の強みを活かせる分野での需要が拡大しています。このため、同社は要件定義から設計・実装、検証までのソリューション提供により、顧客企業の開発工数の削減と開発期間の短縮化に貢献できると期待されます。今後も、この強みを活かした事業拡大が期待できるでしょう。
編集部のまとめ
図研エルミック株式会社は、通信ミドルウェア事業を中心に好調な業績を維持しています。売上高は微減したものの、利益水準は高く、健全な財務体質を有しています。また、IoTやエッジコンピューティングなどの成長市場で、同社の技術力が評価されつつあり、今後の更なる業績拡大が期待されます。株主還元も強化されており、同社の株式は投資魅力が高いと言えるでしょう。
図研エルミック株式会社の決算日や配当についてまとめました。
図研エルミック株式会社の決算日は3月31日で、通常の年次決算は6月に実施されます。当第3四半期決算では、1株当たり3円の中間配当が支払われました。同社は成長市場での技術力が評価されつつあり、今後も安定的な収益と配当が期待できそうです。