エン・ジャパンの2023年12月期第3四半期決算を分析したので、その概要をご紹介します。総合人材サービス企業のエン・ジャパンは、国内外のサービス事業を通して、人材の採用・育成を支援しています。今期の業績は、広告宣伝費の投資や組織の強化により、売上高が前年同期比0.3%増加したものの、利益は減少しました。しかし、プラットフォームサービスなど成長分野の好調さから、今後の業績に期待が寄せられます。
企業情報
企業名: エン・ジャパン株式会社
証券コード: 48490
決算期: 3月期
エン・ジャパン株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
エン・ジャパンの決算日は3月31日で、決算報告書の提出期限は翌年の6月末です。四半期決算も年4回行っており、今回分析した第3四半期決算は12月31日を期末としています。
主な事業
エン・ジャパンは、国内外の総合人材サービス企業です。主要な事業は、人材紹介や人材派遣、教育研修、HR-Techサービスなど、企業の採用・育成をサポートするさまざまなソリューションの提供です。人材プラットフォームの運営を通じて企業の採用課題を解決するほか、投資事業のHR-Tech engageなどでも注目を集めています。
今期の業績と利益率は?
今第3四半期の業績は、売上高が前年同期比0.3%増の49,734百万円となりました。一方で、広告宣伝費の増加や組織強化のための人件費の増加により、営業利益は2,544百万円と前年同期比35.5%減少しています。経常利益も前年同期比32.4%減の2,822百万円となりました。
売上・利益の推移
エン・ジャパンの売上高は、2023年3月期にかけて67,716百万円と堅調に推移しています。一方、利益面では、積極的な投資により2024年3月期第3四半期の経常利益は2,822百万円と前年同期から減少しました。
今後は、成長分野への投資効果が表れ、売上・利益ともに改善していくことが期待されます。
四半期連結貸借対照表について
エン・ジャパンの2023年12月末の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は46,475百万円となっています。前期末と比較して5,492百万円減少しています。主な要因は、現金・預金や預け金の減少です。
負債は15,825百万円と前期末から1,016百万円減少しており、純資産は30,649百万円となっています。
資産の部
エン・ジャパンの資産の部では、流動資産が28,478百万円となっており、前期末から7,504百万円減少しています。主な要因は、現金・預金や預け金の減少です。一方、固定資産は17,996百万円となっており、前期末から2,012百万円増加しています。
負債の部
負債の部では、流動負債が13,009百万円と前期末から1,870百万円減少しています。未払金や賞与引当金が減少したことが主な要因です。固定負債は2,815百万円となっており、前期末から853百万円増加しています。
純資産の部
純資産の部では、30,649百万円となっており、前期末から4,476百万円減少しています。主な要因は、配当金の支払いや自己株式の取得によるものです。
ROAとROE
エン・ジャパンのROA(総資産利益率)は、前年同期の6.8%から当第3四半期は6.1%と低下しています。これは、利益の減少や総資産の減少が影響しています。一方、ROE(自己資本利益率)は前年同期の8.1%から当第3四半期は7.3%とやや低下しているものの、高い水準を維持しています。これは、安定した収益性と健全な財務体質が背景にあると言えます。
キャッシュフロー
エン・ジャパンのキャッシュフローは、営業活動により3,123百万円のキャッシュが収入しています。一方で、投資活動により1,280百万円、財務活動により4,831百万円のキャッシュが支出されています。全体として、現金及び現金同等物が2,988百万円減少しています。これは、自己株式の取得や配当金の支払いなどが主な要因です。
配当の支払額
エン・ジャパンは、2023年6月に1株当たり70.1円の期末配当を実施しました。これにより、年間配当金は1株当たり70.1円となっています。
今後も、株主還元の強化を目指していく方針です。
今後の展望
エン・ジャパンは、人材サービスのデジタル化やグローバル展開など、成長分野への投資を強化していく方針です。HR-Tech engageなどの新規事業の伸長や、人財プラットフォームの利用拡大が期待されます。また、中計達成に向けた組織の強化にも取り組んでおり、中長期的な業績拡大が見込まれます。
編集部のまとめ
エン・ジャパンの2023年12月期第3四半期決算は、広告宣伝費の増加や人件費の上昇により、利益率が低下しました。しかし、成長分野への投資が進むなか、中長期的な競争力の強化が期待されます。また、安定した収益性と健全な財務体質を背景に、株主還元の強化にも力を入れています。
今後の業績動向に注目が集まるところです。
エン・ジャパン株式会社の決算日や配当についてまとめました。
エン・ジャパンの決算日は3月31日で、四半期決算も年4回行っています。2023年6月期の年間配当金は1株当たり70.1円でした。今後も、株主還元の充実を目指していく方針のようです。