この度、ステラファーマ株式会社の第3四半期決算報告がアナウンスされましたね。ステラファーマは、難治性がんを対象とした新しい治療法の研究開発に取り組む注目の製薬企業です。今回の決算では、売上高や損益の状況、資産や負債の内訳など、企業の財務状況をしっかりとチェックできます。どんな内容だったのでしょうか。
企業情報
企業名: ステラファーマ株式会社
証券コード: 48880
決算期: 2023年3月期
ステラファーマ株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ステラファーマの決算は、3月31日が期末です。そのため、今回報告されているのは2023年3月期の第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)の業績となります。四半期ごとの決算を公表しているので、株主や投資家の方々はこまめに業績の推移をチェックできますね。
主な事業
ステラファーマは、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の研究開発を主な事業としています。BNCT とは、がん細胞に特異的に集積するホウ素化合物に中性子を照射し、がん細胞を選択的に破壊する新しい放射線治療法です。従来の放射線治療と比べ、正常細胞への影響が少ないのが特徴です。現在、再発膠芽腫や皮膚血管肉腫などの難治性がんを対象に治験を進めており、がん治療の新しい選択肢として期待されています。
今期の業績と利益率は?
今期(2023年3月期第3四半期)の売上高は200,193千円、経常損失は466,654千円、四半期純損失は469,561千円となりました。研究開発費の増加などにより、引き続き損失計上となっています。ただし、売上高は前年同期比で14.3%増加しており、徐々に事業規模が拡大してきていることがわかります。
売上・利益の推移
ステラファーマは創業間もない企業で、まだ製品販売に至っていない段階です。そのため、主な収益は提携先からの一時金収入などが中心となっています。過去3年間の売上高は、2022年3月期が175,169千円、2023年3月期第3四半期が200,193千円と、徐々に増加傾向にあります。一方で、研究開発費の先行投資により、経常損失および四半期純損失は続いています。
四半期連結貸借対照表について
ステラファーマの四半期貸借対照表を見てみると、資産合計が3,926,718千円、負債合計が1,255,517千円、純資産が2,671,200千円となっています。資産の大部分は現金・預金や有価証券といった流動資産が占めており、研究開発投資に充てられているようです。一方、借入金などの固定負債が減少傾向にあり、自己資本比率は67.8%と健全な財務体質を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が2,258,116千円、有価証券が301,390千円となっています。研究開発に必要な資金を手元に確保しつつ、一時的な余資は有価証券で運用しているようですね。一方で、仕掛品が797,436千円と、開発パイプラインの進捗に応じて増加しています。
負債の部
負債の部では、長期借入金が813,294千円となっています。研究開発投資のための資金調達を行っているものと考えられます。一方で、買掛金が減少しており、事業規模の拡大に合わせて仕入れ管理が適切に行われているようです。
純資産の部
純資産の部では、資本金が2,938,110千円、資本剰余金が195,722千円となっています。新株予約権の行使による増資が進んでいることがわかります。一方で、利益剰余金はマイナス469,561千円と、累積損失が継続しています。
ROAとROE
ステラファーマは、まだ製品化には至っていないため、収益性を示すROAやROEの数値は低水準となっています。しかし、研究開発に注力することで、将来的な事業成長と収益力の向上が期待されます。経営陣は、研究開発のスピードアップと効率化、そして早期の製品化実現に全力で取り組んでいるものと推測されます。
キャッシュフロー
今期の営業活動によるキャッシュ・フローはマイナス408,639千円となっています。これは、研究開発費の先行投資などによる支出が大きかったためです。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローはプラス239,953千円となっており、有価証券の運用などにより資金を確保しています。今後は、研究開発の進捗に合わせて、キャッシュポジションの改善が期待されます。
配当の支払額
ステラファーマはまだ配当を行っておらず、今後の業績改善と利益確保を優先しているようです。研究開発段階の企業にとって、内部留保を確保し、事業拡大に向けた投資を行うことが重要です。株主の皆様には、研究開発の進展と業績回復に期待していただきたいと思います。
今後の展望
ステラファーマは、BNCT治療の研究開発を加速させており、再発膠芽腫や皮膚血管肉腫などの難治性がんを対象に、国内外で複数の治験を進めています。2023年12月には、切除不能な皮膚血管肉腫を対象に、希少疾病用医薬品の指定を取得するなど、着実に進展しています。今後も、BNCT治療の実用化に向け、さらなる研究開発への投資が期待されます。
編集部のまとめ
ステラファーマは、BNCT治療の研究開発に注力する製薬企業で、難治性がんへの新しい治療法として期待されています。今回の決算では、売上高は前年同期比で増加傾向にあり、事業規模の拡大が見られます。一方で、研究開発への先行投資により、依然として損失計上が続いています。しかし、治験の進展や希少疾病用医薬品の指定取得など、着実に前進しており、今後の業績改善が期待されます。株主の皆様におかれましては、引き続き同社の取り組みに注目していただきたいと思います。
ステラファーマ株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ステラファーマ株式会社は、3月31日が決算日となっています。また、現時点では配当を実施していませんが、今後の業績回復と利益確保に期待が寄せられています。難治性がんに対するBNCT治療の実用化を目指し、研究開発投資に注力している企業です。株主の皆様におかれましては、同社の成長に期待しつつ、決算情報の推移にもご注目ください。