株式会社日本色材工業研究所の2023年11月期第3四半期決算は、前年同期比で大幅な増収増益となりました。海外の化粧品需要の回復に加え、国内でも新型コロナウイルス感染症の影響が和らいで需要が増加したことが追い風となりました。利益面では、原材料費や外部委託費の増加を吸収できるほど売上が伸びたほか、生産性の向上によるコスト削減効果も表れています。今後も「ウィズ/アフター・コロナ」に合わせた事業展開を進め、さらなる成長を目指していくと期待できそうです。
企業情報
企業名: 株式会社日本色材工業研究所
証券コード: 49200
決算期: 2月期
株式会社日本色材工業研究所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社日本色材工業研究所の決算期は2月期で、通期決算は毎年4月中旬に発表されます。また、第3四半期決算は1月中旬に発表されています。
主な事業
株式会社日本色材工業研究所は、化粧品や医薬品の受託製造を主力事業としています。国内外の大手化粧品メーカーやドラッグストアなどに製品を供給しており、特に化粧品事業が売上の中心を占めています。製造拠点は日本と欧州にあり、幅広い製品ラインナップと高い品質管理体制を強みとしています。
今期の業績と利益率は?
2023年11月期第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比30.6%増の11,055百万円、営業利益は前年同期比270.3%増の306百万円と大幅な増収増益となりました。国内外での化粧品需要の回復を背景に、受注が順調に拡大したことが業績を押し上げています。利益率も改善傾向にあり、営業利益率は2.8%まで回復しました。
売上・利益の推移
直近の業績推移を見ると、2022年2月期は売上高が11,760百万円、営業利益が389百万円と過去最高を記録しました。2023年2月期第3四半期では、新型コロナの影響で減収減益となりましたが、2023年11月期第3四半期には売上高が11,055百万円、営業利益が306百万円と急回復しています。特に欧州事業の好調が目立ち、海外売上比率も33.4%まで高まっています。
四半期連結貸借対照表について
2023年11月30日時点の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は16,874百万円となっています。前期末比で825百万円増加しており、主に棚卸資産の増加によるものです。一方、負債合計は13,472百万円で、前期末比で435百万円増加しています。流動負債が増加した一方で、固定負債が減少しています。純資産は3,401百万円で、前期末比389百万円の増加となっています。
資産の部
資産の部では、流動資産が6,841百万円と前期末比で681百万円増加しました。主な増加要因は、棚卸資産の581百万円増加です。一方、固定資産は10,032百万円と143百万円増加しています。
負債の部
負債の部では、流動負債が6,372百万円と前期末比1,029百万円増加しました。主な増加要因は、電子記録債務の288百万円増加、買掛金の171百万円増加などです。一方、固定負債は7,100百万円と594百万円減少しています。
純資産の部
純資産の部では、3,401百万円と前期末比389百万円増加しました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の256百万円増加と、その他の包括利益の132百万円増加によるものです。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は、2022年2月期が2.4%、2023年2月期第3四半期が0.4%でしたが、2023年11月期第3四半期は1.5%まで改善しています。また、ROE(自己資本利益率)は、2022年2月期が13.1%、2023年2月期第3四半期が3.1%でしたが、2023年11月期第3四半期は7.6%まで上昇しています。利益率の改善と自己資本の増加により、収益性と資本効率性が高まってきていると評価できます。
キャッシュフロー
当社の四半期連結キャッシュ・フロー計算書によると、営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期比で大幅に改善しています。これは、売上の回復に加えて、たな卸資産の増加などによる運転資金の増加が抑えられたことが主な要因です。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資により減少しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済により減少しています。
配当の支払額
株式会社日本色材工業研究所は、無配となっています。過去の配当実績を見ても、2019年2月期以降は無配が続いています。企業の成長フェーズにあると考えられ、内部留保の活用によって設備投資などの成長投資に注力しているものと推察されます。
今後の展望
株式会社日本色材工業研究所は、新型コロナの影響が和らいで需要が回復基調にある中で、持続的な成長に向けて取り組んでいくと見られます。国内外の化粧品メーカーからの受注増加に対応するため、つくば工場の拡張や生産性向上などの設備投資を進めており、コスト競争力の強化にも注力しています。また、SDGsへの対応やクリーン・ビューティーなどの新しい化粧品ニーズにも注目しながら、収益力の向上と持続的な成長を目指していくと期待されます。
編集部のまとめ
株式会社日本色材工業研究所の2023年11月期第3四半期決算は、新型コロナの影響が和らぐ中で大幅な増収増益となりました。国内外での化粧品需要の回復を受けて、受注が順調に拡大しているほか、生産性の向上によるコスト削減効果も表れています。今後も「ウィズ/アフター・コロナ」に合わせた事業展開を進め、さらなる成長を目指していくと期待できそうです。
株式会社日本色材工業研究所の決算日や配当についてまとめました。
株式会社日本色材工業研究所の決算期は2月期で、通期決算は毎年4月中旬に発表されています。また、第3四半期決算は1月中旬に発表されています。一方、配当は無配が続いているようです。今後の事業成長に向けた内部留保の活用を優先しているものと思われます。