小林製薬は、健康と衛生に関する製品を開発・販売する老舗企業です。今期の決算では、新製品の発売や訪日外国人需要の増加などにより売上高が9.0%増加し、経常利益も前年同期比5.7%増加となりました。一方で、機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」の回収対応に伴う製品回収関連損失3,648百万円の計上により親会社株主に帰属する四半期純利益は72.9%減少しています。今後の展望としては、徹底的な品質管理体制の構築により信頼回復に努めつつ、引き続き新製品の発売や海外事業の拡大により業績向上を目指すとしています。
企業情報
企業名: 小林製薬株式会社
証券コード: E01047
決算期: 2024年3月期
小林製薬株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
小林製薬の決算期は12月31日で、四半期報告書は3月31日、6月30日、9月30日、12月31日に提出されています。
主な事業
小林製薬は、医薬品、ヘルスケア用品、日用品などの製造・販売を行う企業です。主力製品には、「ネオーナンS」「メイマック」「アンメルツ」などのブランドがあります。国内事業と海外事業(米国、中国、東南アジアなど)を展開しており、国内事業が全体の売上高の約74%を占めています。
今期の業績と利益率は?
当期の売上高は36,485百万円と前年同期比9.0%増加しました。一方で、機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」の回収対応による製品回収関連損失3,648百万円の計上により、親会社株主に帰属する四半期純利益は976百万円と前年同期比72.9%減少しています。
売上・利益の推移
過去1年間の売上高は173,455百万円、経常利益は27,330百万円でした。売上高は年々増加傾向にあるものの、今期は回収関連損失の影響により利益は減少しています。今後は、新製品の発売や海外事業の拡大により、更なる業績向上が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
小林製薬の四半期連結貸借対照表では、前期末と比べ総資産が6,220百万円減少し、261,253百万円となっています。一方、負債は6,370百万円減少し、56,286百万円となっています。純資産は204,966百万円で、自己資本比率は78.3%と高い水準を維持しています。
資産の部
流動資産は主に現金及び預金の減少9,126百万円、受取手形及び売掛金の減少15,376百万円などにより、前期末比19,910百万円減少しています。固定資産は建物及び構築物の増加5,764百万円、建設仮勘定の増加6,531百万円などにより、13,690百万円増加しています。
負債の部
流動負債は主に未払金の減少7,305百万円により、前期末比5,158百万円減少しています。固定負債は大きな変動はありません。
純資産の部
利益剰余金は3,335百万円減少しましたが、為替換算調整勘定の増加3,132百万円などにより、純資産は149百万円増加しています。自己資本比率は78.3%と極めて健全な水準を維持しています。
ROAとROE
小林製薬のROAは直近12か月で10.2%、ROEは10.0%となっています。ROAは製品回収関連損失の影響により低下したものの、高水準を維持しています。また、ROEも10%を超えており、株主への収益還元も適切に行われていると評価できます。
キャッシュフロー
当第1四半期の営業キャッシュ・フローは△3,929百万円と減少しています。これは主に「紅麹コレステヘルプ」関連の製品回収対応により3,648百万円の特別損失が発生したためです。設備投資などの投資活動によるキャッシュ・フローは△5,546百万円と支出超過となり、財務活動によるキャッシュ・フローも444百万円の減少となりました。今後は製品回収関連の支出が落ち着けば、キャッシュ・フローの改善が期待できます。
配当の支払額
小林製薬は、2024年3月期の期末配当を1株当たり58円と決定しました。年間配当金は前期より6円増加し、合計116円となる見込みです。配当性向は43.2%と、株主への利益還元を積極的に行っています。
今後の展望
今期の業績については、機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」に関する製品回収関連損失の影響を大きく受けましたが、新製品の発売や訪日外国人需要の取り込みなどにより売上高は増加しています。今後は、原因究明と再発防止策の強化により信頼回復に努めつつ、海外事業の拡大や新製品の投入など、持続的な成長を目指していきたいとしています。
編集部のまとめ
小林製薬は、機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」の回収対応による一時的な減益要因があったものの、全体としては順調な業績を維持しています。新製品の発売や海外事業の拡大など、今後も事業の成長に期待できる企業といえます。健全な財務体質と株主還元も評価できる企業です。
小林製薬株式会社の決算日や配当についてまとめました。
小林製薬の決算日は12月31日で、四半期報告書は3月31日、6月30日、9月30日、12月31日に提出されています。配当は、2024年3月期の期末配当を1株当たり58円と決定し、年間では合計116円の配当を予定しています。今後も持続的な成長と株主還元に期待が持てる企業といえます。