上場企業の荒川化学工業株式会社の決算報告が発表されました。業績は減収となったものの、財務体質は健全に推移しているようです。今回は、同社の企業情報や業績概要、四半期連結貸借対照表の内容などを分かりやすくお伝えしていきましょう。
企業情報
企業名: 荒川化学工業株式会社
証券コード: 49680
決算期: 2023年3月期
荒川化学工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
荒川化学工業の決算日は3月31日です。 決算発表は年4回あり、第1四半期は7月中旬、第2四半期は11月中旬、第3四半期は2月中旬、そして本決算は6月中旬に行われます。
主な事業
荒川化学工業は、機能性コーティング、製紙・環境、粘接着・バイオマス、ファイン・エレクトロニクスの4つの事業セグメントを展開しています。機能性コーティング材料や印刷インキ用樹脂、接着剤、電子部品用化学品などの製品を手掛けており、幅広い産業分野に製品を供給しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は537億13百万円で、前年同期比12.5%の減少となりました。一方、営業損失は19億14百万円と赤字となっています。粘接着・バイオマス事業の収益性悪化が主因です。
売上・利益の推移
過去3年の売上高推移をみると、2022年3月期は794億31百万円、2023年3月期は794億31百万円と、ほぼ横ばいで推移しています。一方で、当期の四半期純損失は5億82百万円と赤字となっており、同社の業績は厳しい状況にあると言えでしょう。
四半期連結貸借対照表について
同社の総資産は1,249億37百万円と、前期末から59億2百万円増加しています。負債も682億77百万円と増加傾向にあり、自己資本比率は44.2%となっています。これらの数値を見ると、同社の財務体質は健全に推移していると評価できます。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が12億35百万円、受取手形及び売掛金が23億67百万円、投資有価証券が24億43百万円増加しました。これらの増加が総資産の増加につながっています。
負債の部
負債の部では、短期借入金が28億41百万円減少しましたが、長期借入金が95億58百万円増加したことなどから、全体として負債が増加しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が減少した一方で、その他有価証券評価差額金が増加したことなどから、前期末比151百万円増加の566億60百万円となっています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前期の3.9%から当期の-0.5%へ低下し、ROE(自己資本利益率)も前期の-8.7%から当期の-1.0%へ悪化しています。これは主に当期純損失の計上によるものです。今後の業績回復が課題といえるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは開示されていませんが、前年同期と比べると減価償却費は1,284百万円増加しており、設備投資の増加などによる資金需要の高まりが伺えます。 今後の資金繰りにも注目していく必要があります。
配当の支払額
荒川化学工業は、年2回の配当を実施しています。当期は中間配当として1株当たり24円の配当を行っています。前期と同水準の配当を維持しており、株主還元にも配慮している企業と言えます。
今後の展望
同社は中長期的な成長市場に注力し、水素化石油樹脂の安定供給と収益性の向上を目指しています。また、研究開発への投資を継続し、新事業の創出にも取り組んでいく方針です。業績面では一時的な困難に直面していますが、今後の動向に期待が持てる企業だと言えるでしょう。
編集部のまとめ
荒川化学工業の当第3四半期の決算は、売上高の減少や営業損失の計上など、厳しい内容でした。しかし、財務体質は健全に推移しており、中長期的な成長に向けた投資も継続している点は評価できます。今後の業績回復と新事業の創出に注目していきたいと思います。
荒川化学工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
同社の決算日は3月31日で、年4回の決算発表を行っています。また、中間配当として1株当たり24円の配当を実施しており、株主還元にも配慮しているようです。今後の業績改善に期待しつつ、継続的な株主還元にも注目していきたいと思います。