日立建機とは
日立建機株式会社は、建設機械業界を代表する総合メーカーとして、世界規模で事業を展開している企業です。1950年に純国産技術で開発した機械式ショベル「U05」の完成から始まった同社の歴史は、75年以上にわたって信頼と技術を積み重ねてきた実績を物語っています。
現在、日立建機は海外売上比率が約8割を占めるグローバルカンパニーとして機能しており、先進国だけでなくBRICSやVISTAといった新興国でも製造・販売事業を積極的に展開しています。本社は東京都に置かれ、連結従業員数は26,101名(2025年3月時点)を数えます。
主要事業と製品ラインアップ
日立建機の事業は、複数の主要分野で構成されています。最も重要な製品カテゴリーは油圧ショベルで、建設現場での掘削作業に広く使用されています。このほか、ホイールローダや道路機械といったコンストラクション向け製品も提供しており、建設業界のニーズに幅広く対応しています。
マイニング分野では、大型・超大型油圧ショベルとリジッドダンプトラックを製造・販売しており、鉱山採掘作業の効率化に貢献しています。さらに、ミニホイールローダなどのコンパクト機械も開発しており、多様な作業環境に対応できる製品ポートフォリオを構築しています。
同社は従来の機械製造にとどまらず、アタッチメントを変えることで柔軟に活用できる双腕仕様機や改良土を生産する土質改良機など、革新的な製品開発にも力を入れています。これらの製品は、現場での作業効率化と安全性向上を目指した設計となっており、顧客のニーズに応じた柔軟な対応が可能です。
ソリューション事業の展開
日立建機は単なる機械メーカーからソリューションプロバイダーへの転換を進めています。この戦略の一環として、複数の先進的なソリューションを提供しています。
ダンプトラック自律走行システム(AHS)は、鉱山現場での無人運行を実現する技術で、安全性と効率性の向上に貢献しています。また、鉱山運行管理システムは、鉱山現場の自律型オペレーション実現に向けた重要なツールとなっています。
建設現場向けには、ICT施工ソリューションを提供し、デジタル技術を活用した施工管理の効率化を支援しています。さらに、サービスソリューションConSiteやGlobal e-Serviceといったサービスプラットフォームにより、顧客サポートの質を高めています。
土工用振動ローラの自律転圧システム開発も進行中であり、施工現場の自動化・無人化に向けた取り組みが加速しています。
バリューチェーン事業の強化
日立建機は、製品販売後のライフサイクル全体を支えるバリューチェーン事業に注力しています。この事業モデルは、顧客との長期的な関係構築と継続的な価値提供を実現するものです。
具体的には、部品・サービス、中古車、レンタル、部品再生といった複数の事業領域で構成されています。これらの事業を通じて、顧客は機械の購入から運用、メンテナンス、最終的な処分に至るまで、一貫したサポートを受けることができます。
特に米州・マイニング・バリューチェーン事業の強化は、同社の重要な経営戦略の一つとなっており、これが着実に成果を出していることが経営層からも言及されています。
最近の経営成績と業績見通し
2026年3月期の経営成績について、日立建機は複数回の業績修正を実施しています。2025年度上期(中間期)の決算では、売上収益が微減となる中、親会社株主に帰属する中間利益は18.9%増の377億5,000万円と増益を達成しました。
その後、2026年1月29日に発表された第3四半期決算では、通期の最終利益予想を従来予想の740億円から780億円に上方修正しました。これにより、減益率が9.1%減から4.2%減に縮小する見通しとなっています。
2026年3月期の通期業績予想は、売上収益1兆3,200億円(前期比3.7%減)、調整後営業利益1,320億円(同9.0%減)、親会社株主に帰属する当期利益740億円(同9.1%減)を見込んでいます。ただし、最新の修正予想では最終利益が780億円となっており、前期比での減益幅が縮小する見通しです。
経営層は、油圧ショベルの需要が想定を上回り堅調に推移していることを指摘しており、これが業績修正の背景となっています。一方で、世界的な経済環境の不透明感は継続しており、慎重な見方を維持しているとのことです。
財務状況と株主還元
2025年度末時点での日立建機の財務状況は、比較的堅調な状況を示しています。資産合計は1兆7,791億6,000万円、負債合計は8,981億2,800万円、資本合計は8,810億3,200万円となっており、親会社株主持分比率は46.9%と前年度末の45.2%から1.7ポイント上昇しています。
株主還元については、2026年3月期の年間配当金は前年同等の1株当たり175円を維持する計画です。中間期の配当金は1株当たり75円(前年同期65円)となっており、株主への還元姿勢が継続されています。
経営体制の変化と将来戦略
日立建機は2027年4月に大きな経営体制の変更を予定しています。同社は「ランドクロス株式会社」への移行と、新ブランド「LANDCROS」への転換を計画しており、これは同社の経営史において重要な転換点となります。
この変更は、75年にわたり築いてきた信頼と技術を礎としながら、独立・自立した経営を行う企業、そしてソリューションプロバイダーとしての地位を確立するための重要な一歩と位置づけられています。次の100年を見据えた成長戦略の一環として、新ブランドの育成に注力していく方針です。
2026年は、現中期経営計画「BUILDING THE FUTURE 2025」の総仕上げを行い、次期中期経営計画がスタートする年となります。経営層は、オープンな姿勢でパートナーと連携し、スピード感をもって顧客の課題解決に貢献していくことの重要性を強調しています。
イノベーションと技術開発
日立建機は、建設機械業界の未来を形作るための継続的なイノベーション活動に取り組んでいます。同社が思い描く将来の施工現場は、デジタル技術と自動化技術が統合された環境です。
スマートな製品開発を実現するためのシミュレーション技術の開発も進められており、これにより製品の性能向上と開発効率の向上が実現されています。鉱山現場の自律型オペレーション実現に向けた技術開発も加速しており、業界全体の生産性向上に貢献する取り組みが続いています。
グローバル展開と市場戦略
日立建機の事業展開は、地理的に多様な市場をカバーしています。海外売上比率が約8割を占めることからも、同社がいかにグローバルな事業体制を構築しているかが理解できます。
先進国市場での事業展開に加えて、BRICSやVISTAといった新興国市場での製造・販売事業も積極的に展開しており、これらの地域での経済成長に対応した事業戦略を実施しています。
米州地域での事業強化は、特に重要な戦略領域となっており、マイニング事業との組み合わせにより、資源採掘関連の需要を取り込む体制が整備されています。
人材と組織
日立建機は、グローバルな事業展開を支える人材の確保と育成に注力しています。連結従業員数26,101名(2025年3月時点)の組織体制により、世界各地での事業運営が支えられています。
同社は新卒採用を含む人材採用活動を継続しており、建設機械業界での先進的な技術開発と事業展開を担う次世代人材の育成に力を入れています。
まとめ
日立建機株式会社は、75年以上の歴史を持つ総合建設機械メーカーとして、グローバル市場で重要な地位を占めています。油圧ショベルやホイールローダ、鉱山機械といった主要製品から、ソリューション事業やバリューチェーン事業まで、多角的な事業展開により顧客ニーズに対応しています。最近の業績は、油圧ショベルの堅調な需要に支えられており、通期業績予想の上方修正も実施されています。2027年4月のランドクロス株式会社への移行に向けて、新ブランド「LANDCROS」の育成と次期中期経営計画の策定が進行中です。デジタル技術と自動化技術を活用したイノベーション活動も加速しており、建設機械業界の未来を形作る企業として、その動向が注目されています。
日立建機の変革:自動化・バリューチェーンと新ブランド戦略をまとめました
日立建機株式会社は、建設機械業界を代表する企業として、世界規模での事業展開を実現しています。1950年の創業以来、純国産技術による製品開発と革新的なソリューション提供により、建設業界と鉱山業界の発展に貢献してきました。海外売上比率が約8割を占めるグローバルカンパニーとしての地位を確立し、先進国から新興国まで幅広い市場で事業を展開しています。油圧ショベルなどの主要製品の堅調な需要に支えられながら、ソリューションプロバイダーへの転換を進める同社の経営戦略は、建設機械業界全体の発展方向を示唆するものとなっています。2027年のランドクロス株式会社への移行に向けた準備が進む中、デジタル技術と自動化技術を活用した次世代製品の開発も加速しており、今後の事業展開が期待されています。














