大成ラミック株式会社の2023年12月期第3四半期決算報告を分析しました。売上高は約21,369百万円と前年同期比4.4%減収となりましたが、経常利益は1,251百万円と堅調に推移しました。原材料価格高騰の影響を受けたものの、価格改定の効果が徐々に表れてきている好調な決算結果です。
企業情報
企業名: 大成ラミック株式会社
証券コード: E01058
決算期: 2024年3月期
大成ラミック株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
大成ラミック株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期決算は12月31日に行われ、その決算報告書が2月14日に提出されています。
主な事業
大成ラミック株式会社は、包装フィルムと包装機械の製造・販売を行う会社です。主力の包装フィルム事業では、食品・日用品メーカー向けの軟包装資材を製造・販売しています。包装機械事業では、自社製造の液体充填機を国内外に販売しています。両事業で高い技術力と安定した供給力を発揮しています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の業績は、売上高が21,369百万円と前年同期比4.4%の減収となりました。一方で、営業利益は1,254百万円、経常利益は1,251百万円と2桁の減益ながらも高い収益性を維持しています。利益率も経常利益率は5.9%と堅調な水準を保っています。
売上・利益の推移
大成ラミック株式会社の売上高は、コロナ禍の影響を受けて一時的に落ち込みましたが、2023年3月期には29,220百万円の高水準に回復しています。利益面では、経常利益が2,624百万円と好業績を維持しています。直近の第3四半期には原材料価格高騰の影響を受け減益となったものの、全体としては企業の収益力は健康的に推移しています。
四半期連結貸借対照表について
大成ラミック株式会社の財務の健全性は高く、自己資本比率は75.5%と極めて優良な水準を維持しています。利益の積み上がりにより、純資産は23,306百万円と堅調に推移しています。一方で、総資産は30,887百万円となっており、キャッシュ管理と投資効率の向上に課題を残していると言えるでしょう。
資産の部
主要な資産は、現金及び預金が4,876百万円、受取手形及び売掛金が7,182百万円、有形固定資産が12,156百万円となっています。在庫管理の効率化や設備投資の最適化など、資産の有効活用が課題です。
負債の部
大きな負債は、買掛金が4,682百万円となっています。有利子負債は低位で、長期借入金は41百万円と非常に健全な財務体質を維持しています。
純資産の部
純資産は23,306百万円と高水準を維持しています。自己資本比率は75.5%と極めて高い水準にあり、長期的な事業発展に備えた財務基盤が構築されています。
ROAとROE
大成ラミック株式会社のROA(総資本利益率)は2.6%、ROE(自己資本利益率)は3.4%となっています。ROAは業界平均並みの水準ですが、ROEは高水準を維持しています。これは、高い自己資本比率に支えられた収益性の高さが背景にあります。今後は資産効率の改善に注力し、さらなる収益力向上が期待されます。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比で減少しており、866百万円の収入となっています。一方で、設備投資などに活用された投資活動によるキャッシュ・フローが850百万円のマイナスとなりました。これらを反映し、当第3四半期末の現金及び預金は4,876百万円となっています。手元資金の有効活用や投資効率の改善が今後の課題として考えられます。
配当の支払額
大成ラミック株式会社は、株主還元の一環として中間配当を1株33円、期末配当を1株37円実施しています。この結果、年間配当金は1株当たり70円となり、配当性向は24.0%となっています。株主還元に積極的な企業姿勢が窺えます。
今後の展望
大成ラミック株式会社は、包装フィルム事業と包装機械事業の両輪を強化することで、さらなる業績拡大を目指しています。特に包装フィルム事業では、原材料価格高騰への対応力強化や、環境配慮型製品の開発に注力しています。包装機械事業でも、海外市場への展開拡大を図るなど、中長期的な成長に向けた施策を着実に推進しています。
編集部のまとめ
大成ラミック株式会社は、優良な収益性と健全な財務体質を維持しながら、着実な成長を遂げている企業と言えるでしょう。原材料高騰などの外部環境変化に柔軟に対応しつつ、積極的な新製品開発や海外展開など、中長期的な視点に立った経営を展開しています。今後も企業価値の向上に期待したい銘柄といえます。
大成ラミック株式会社の決算日や配当についてまとめました。
大成ラミック株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期決算は12月31日に行われています。また、同社は株主還元に積極的で、2023年3月期は年間配当金が1株当たり70円と高水準の配当を実施しています。今後も安定した収益基盤と健全な財務体質を維持し、株主還元の充実が期待される企業です。