リンカーズ株式会社の2024年7月期第3四半期決算報告書が公開されました。新たなサービスの拡充や海外展開に注力する同社の、利益面での一時的な苦戦が見られるものの、中長期的な成長への布石を打っている様子が伺えます。今後の動向に期待が高まります。
企業情報
企業名: リンカーズ株式会社
証券コード: E37987
決算期: 7月
リンカーズ株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
リンカーズ株式会社の決算日は7月31日です。第3四半期決算(2023年8月1日~2024年4月30日)の決算発表は2024年6月13日に行われました。
主な事業
リンカーズ株式会社は、「マッチングで世界を変える」をミッションに、企業間のマッチングプラットフォームを提供するビジネスマッチング事業を主力としています。具体的には、技術探索や用途開拓、調達支援などのサービスを通じて、企業が抱えるニーズとシーズのマッチングを支援しています。また、金融機関や事業会社向けのマッチングシステムの提供や、技術ニーズ・シーズの調査を手掛けるリサーチサービスも展開しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期累計期間(2023年8月1日~2024年4月30日)の業績は、売上高が1,104,007千円と前年同期比12.4%減となりました。一方で、営業損失は164,804千円となり、前年同期の営業利益から大幅な悪化が見られました。これは、新たな海外展開に向けた投資や、リサーチ事業の立ち上がり遅れなどの影響によるものです。
売上・利益の推移
直近の業績推移を見ると、2022年7月期は売上高が1,607,768千円、営業利益が85,750千円と好調でしたが、2023年7月期第3四半期では売上高が減少し、営業損失に転じています。しかし、中長期的には、企業のオープンイノベーション需要の高まりなどを背景に、同社のマッチングプラットフォームサービスへの期待は高まっていくと考えられます。
四半期連結貸借対照表について
リンカーズ株式会社は単体での決算報告のため、連結貸借対照表ではなく単体の四半期貸借対照表が公表されています。
資産の部
当第3四半期会計期間末(2024年4月30日)の総資産は2,016,427千円で、前事業年度末(2023年7月31日)から66,734千円減少しています。これは主に、現金及び預金の減少や売掛金の減少によるものです。一方で、ソフトウェアなどの無形固定資産が増加しています。
負債の部
負債合計は205,987千円で、前事業年度末から34,115千円減少しました。借入金の返済などにより長期借入金が減少したほか、未払法人税等も減少しています。
純資産の部
純資産合計は1,810,440千円で、前事業年度末から32,619千円減少しました。四半期純損失の計上により利益剰余金が減少した一方で、新株予約権の行使による資本金及び資本準備金の増加がありました。
ROAとROE
リンカーズ株式会社のROA(総資産経常利益率)は前事業年度末の3.8%から当第3四半期会計期間末では-3.2%に悪化しています。また、ROE(自己資本当期純利益率)も前事業年度末の5.5%から当第3四半期会計期間末では-2.6%と低下しました。これは、営業損失の計上や四半期純損失の計上により、収益性が一時的に悪化したことが主な要因です。
キャッシュフロー
当第3四半期累計期間のキャッシュフローの状況については、四半期財務諸表の作成時点で四半期キャッシュ・フロー計算書が作成されていないため、詳細な情報は公表されていません。ただし、現金及び預金の残高が前事業年度末から43,134千円減少していることから、営業活動によるキャッシュ・アウトフローが生じている可能性が高いと考えられます。
配当の支払額
リンカーズ株式会社は、創業以来配当を実施していません。成長投資に資金を充当するため、内部留保の充実に注力しているものと推察されます。
今後の展望
リンカーズ株式会社は、ビジネスマッチングプラットフォームの拡充と、リサーチ事業の強化に注力していく方針です。新たに海外企業向けの探索サービスを開始したほか、金融機関向けマッチングシステムの導入も順調に進んでいます。また、リサーチ事業の拡大に向けて新設会社の設立も検討するなど、中長期的な成長に向けた布石を打っています。今後の業績回復に期待が高まります。
編集部のまとめ
リンカーズ株式会社は、企業間のマッチングプラットフォームを提供するビジネスマッチング事業を強みとする企業です。当第3四半期の業績は一時的な苦戦が見られましたが、新たなサービスの拡充や海外展開、リサーチ事業の強化など、中長期的な成長に向けた施策を推進しています。今後の業績回復に期待が高まる企業と言えるでしょう。
リンカーズ株式会社の決算日や配当についてまとめました。
リンカーズ株式会社の決算日は7月31日で、第3四半期決算は2024年6月13日に公表されました。また、同社は創業以来配当を行っておらず、内部留保の充実に注力していることが分かりました。今後の業績改善と、株主還元策の実施に注目が集まります。