気になる会社の決算に注目していますか?今回は株式会社朝日ラバーの最新の決算報告書を分析してみました。同社は合成ゴム製品の製造販売を手掛けている企業で、自動車や医療・衛生分野などに幅広く展開しています。前期に続き、前期と比べ売上高、営業利益、経常利益、純利益いずれもが減少していますが、その状況をしっかりと分析していきましょう。
企業情報
企業名: 株式会社朝日ラバー
証券コード: 5162
決算期: 3月決算
株式会社朝日ラバーの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社朝日ラバーの決算日は3月31日です。決算発表は通常4~6月頃に行われることが多く、今回の第3四半期決算も2024年2月13日に発表されています。
主な事業
株式会社朝日ラバーは、ゴム製品の製造・販売を主な事業としています。自動車内装のシート用発泡ゴムやLED照明用のASAカラーLED、医療・衛生用のゴム栓など、幅広い用途で同社の製品が使われています。近年は医療・ライフサイエンス分野への注力も強化しており、今後の成長が期待されています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は52億50百万円と前年同期比4.0%減少しました。一方で、営業利益は1億14百万円、経常利益は1億34百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億27百万円と、いずれも前年同期を下回る結果になりました。利益率も低下傾向にあり、営業利益率2.2%、経常利益率2.6%、純利益率2.4%と厳しい状況です。
売上・利益の推移
直近3年間の業績推移を見ると、売上高は52~57億円台で推移していますが、利益面では前期から減少傾向にあります。営業利益は2億円台から1億円台へ、経常利益は2億円台から1億円台へと減少しています。純利益も同様に1億7千万円台から1億2千万円台へと落ち込んでいます。原材料価格の高騰や為替変動の影響を受けていることが主な要因と考えられます。
四半期連結貸借対照表について
まず資産の部を見ると、当第3四半期末の総資産は94億87百万円で、前期末比1億円増加しています。主な増加要因は、現金及び預金の増加によるものです。一方、負債の部では44億70百万円と前期末比26百万円減少しています。純資産は50億16百万円で、自己資本比率は52.9%となっています。
資産の部
資産の部では、流動資産が54億45百万円と前期末比3億72百万円増加しています。主な増加要因は現金及び預金の増加です。一方、固定資産は40億42百万円と前期末比2億71百万円減少しています。有形固定資産が微増しているものの、投資有価証券の売却などにより投資その他の資産が減少しています。
負債の部
負債の部では、流動負債が24億80百万円と前期末比1億12百万円増加しています。短期借入金の増加が主な要因です。固定負債は19億89百万円と前期末比1億39百万円減少しており、長期借入金の返済が進んでいます。
純資産の部
純資産の部は、50億16百万円と前期末比1億27百万円増加しています。利益剰余金の積み上がりや為替換算調整勘定の増加が主な要因です。自己資本比率は52.9%と安定した水準を維持しています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前期の3.4%から当期は2.8%へと低下しています。一方、ROE(自己資本利益率)は前期の4.1%から当期は2.5%と大幅に低下しています。これは営業利益や純利益の減少により、収益性が悪化していることが要因と考えられます。今後は収益力の改善が課題となってきそうです。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは3億98百万円の収入となっています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは1億45百万円の支出となっており、これは主に有形固定資産の取得によるものです。また、財務活動によるキャッシュ・フローは1億17百万円の支出となっており、配当金の支払いや借入金の返済などが主な要因です。この結果、現金及び現金同等物は4億3百万円増加して23億85百万円となりました。
配当の支払額
株式会社朝日ラバーは、株主の皆さまに対する利益還元を経営の重要課題の1つと位置付けています。当第3四半期決算では、中間配当として1株当たり10円の配当を実施しています。前期実績と同額の配当で、配当性向は35.7%となっています。今後も一定水準の配当を維持していく方針のようです。
今後の展望
株式会社朝日ラバーは、2030年に向けた中期経営計画「AR-2030VISION」を推進しています。その中で、「光学事業」「医療・ライフサイエンス事業」「機能事業」「通信事業」の4つの重点事業分野に注力し、顧客の多様化するニーズに応える新製品の開発や、研究開発投資の強化などに取り組んでいきます。また、原材料価格上昇や為替変動の影響を最小限に抑える施策も進めており、収益力の改善に期待が寄せられています。
編集部のまとめ
株式会社朝日ラバーは、ゴム製品の老舗企業として長年にわたり事業を展開してきましたが、近年の経営環境の変化による収益性の悪化が課題となっています。しかし、医療・ライフサイエンス分野への新たな取り組みや、顧客ニーズに合わせた製品開発などにも注力しており、今後の事業成長への期待も高まっています。引き続き同社の動向に注目していきたいと思います。
株式会社朝日ラバーの決算日や配当についてまとめました。
株式会社朝日ラバーの決算日は3月31日で、決算発表は通常4~6月頃に行われます。当期は2024年2月13日に第3四半期決算が発表されており、中間配当として1株当たり10円の配当を実施しています。配当性向は35.7%となっています。同社は今後も一定水準の配当を維持していく方針のようです。