日本板硝子株式会社の2023年12月期第3四半期決算報告が発表されました。売上高は前年同期比で8%の増収となる6,127億円と好調でした。個別開示項目前営業利益も増益となる321億円と、事業の回復が順調に進んでいることがうかがえます。特に自動車用ガラス事業が大きく改善したことが業績の押し上げ要因となっています。
企業情報
企業名: 日本板硝子株式会社
証券コード: 52020
決算期: 3月期
日本板硝子株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本板硝子株式会社の決算期は3月期で、第3四半期は2023年12月期となります。決算発表は2月中旬に行われます。
主な事業
日本板硝子株式会社はグローバルに事業を展開している企業で、建築用ガラス事業、自動車用ガラス事業、高機能ガラス事業の3つの主力事業を持っています。太陽電池パネルの基板ガラスや自動車用ガラス、ディスプレイ用の薄板ガラスなど、さまざまなガラス製品を製造・販売しています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期では、売上高が前年同期比で8%増の6,127億円と増収基調となりました。個別開示項目前営業利益も321億円と前年同期比で増益となっています。この背景には自動車用ガラス事業の業績回復があります。同事業は第3四半期の個別開示項目前営業利益が93億円と、前年同期の損失から大幅に改善しています。
売上・利益の推移
過去3年の連結業績を見ると、売上高は2021年3月期の6,357億円から2022年3月期には5,654億円へと減少しましたが、2023年3月期には6,127億円まで回復しています。営業利益も2021年3月期の295億円から2022年3月期には80億円まで落ち込みましたが、2023年3月期には321億円と大幅に回復しています。自動車用ガラス事業の業績が改善したことが主な要因となっています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末の総資産は9,535億円で、前期末から21億円の増加となっています。負債は8,207億円で、前期末から59億円の減少です。一方、純資産は1,329億円と前期末から80億円の増加となっており、自己資本比率も11.6%と前期末から1.4ポイント改善しています。
資産の部
総資産の内訳は、非流動資産が6,359億円、流動資産が3,129億円となっています。主な増減は、有形固定資産が3,898億円と前期末から19億円増加、売上債権及びその他の債権が898億円と前期末から188億円増加しています。
負債の部
負債の内訳は、非流動負債が5,124億円、流動負債が3,081億円となっています。主な増減は、社債及び借入金が4,950億円と前期末から45億円増加、仕入債務及びその他の債務が1,612億円と前期末から3億円減少しています。
純資産の部
純資産の内訳は、親会社の所有者に帰属する持分が1,109億円、非支配持分が220億円となっています。自己資本比率は11.6%と前期末から1.4ポイント改善しています。
ROAとROE
2023年3月期のROAは3.1%、ROEは3.8%と前期と比べ改善傾向にあります。営業利益が改善した一方で、有利子負債や純資産が増加したことにより、収益性と効率性の両面で好影響を及ぼしています。ただし、まだ十分な水準には至っていないことから、今後の更なる業績回復に期待が持てます。
キャッシュフロー
第3四半期連結累計期間のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが192億円のプラス、投資活動によるキャッシュフローが316億円のマイナス、財務活動によるキャッシュフローが129億円のマイナスとなりました。キャッシュ管理も順調に推移しているといえるでしょう。
配当の支払額
日本板硝子株式会社は2023年12月期第2四半期の配当金として1株当たり65円を支払いました。前期と同水準の配当を維持しており、今後も株主還元を継続していくと考えられます。
今後の展望
自動車用ガラス事業やアジアの建築用ガラス市場の好調を背景に、今後も売上高の増加と営業利益の改善が期待できます。ただし、原材料価格の上昇や為替変動リスクなども抱えているため、引き続き収益性の向上に向けた取り組みが課題となっています。
編集部のまとめ
日本板硝子株式会社の2023年12月期第3四半期決算は、自動車用ガラス事業の回復により増収増益となりました。今後も需要の回復と価格改定の効果などから、業績は順調に推移していくと見込まれます。ただし、原材料価格上昇や為替リスクなどの課題も残されているため、収益性の向上に向けた取り組みが重要になってくるでしょう。
日本板硝子株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本板硝子株式会社の決算期は3月期で、第3四半期決算は2023年12月期となります。2023年12月期の配当金は1株当たり65円で、前期と同水準の配当を維持しています。今後も株主還元を継続していくことが期待されます。