住友大阪セメントから2023年の第3四半期決算報告が発表されました。売上高167,479百万円、経常利益5,919百万円と、前年同期に比べ大幅に増収増益となったことがわかりました。セメント事業の販売価格の値上げやコスト削減が奏功し、業績の改善につながっています。子会社の電子材料事業も引き続き好調に推移しています。今後も環境対策や新分野への挑戦を通じて、持続可能な成長を目指していくようです。
企業情報
企業名: 住友大阪セメント株式会社
証券コード: 52320
決算期: 2023年4月1日~2024年3月31日
住友大阪セメント株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
住友大阪セメントの決算は、3月31日を期末としています。この第3四半期の決算報告は、2023年10月1日から12月31日までの3ヶ月間の業績を示しています。今後、通期の決算は2024年5月ごろに発表される予定です。
主な事業
住友大阪セメントは、セメント事業を中心に鉱産品、建材、光電子、新材料などを手がけています。特にセメントや石灰石の製造・販売が主軸となっています。最近では半導体向け電子材料の事業にも注力しており、高機能素材分野でも存在感を発揮しています。環境対策やDX化など、事業の多角化にもチャレンジしています。
今期の業績と利益率は?
今期第3四半期の業績は、売上高167,479百万円、経常利益5,919百万円と大幅な増収増益となりました。セメント事業の販売価格の値上げが寄与し、収益性の改善につながっています。また、電子材料事業も好調に推移しています。営業利益率は2.9%と、前年同期の△4.7%から大幅に改善しました。今後もコスト管理の強化や成長分野への注力によって、収益性の向上が期待されます。
売上・利益の推移
住友大阪セメントの売上高は、2022年度第3四半期が150,499百万円だったのに対し、2023年度第3四半期は167,479百万円と大幅に増加しました。経常利益も2022年度第3四半期の-6,417百万円から、2023年度第3四半期は5,919百万円と黒字転換を果たしています。セメント事業の収益力の回復と電子材料事業の好調が業績を牽引しています。
四半期連結貸借対照表について
住友大阪セメントの2023年12月末の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は356,386百万円となっています。前期末から171百万円減少しましたが、依然として高水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が18,355百万円と前期末から3,813百万円増加しました。一方で、原材料及び貯蔵品が27,214百万円と前期末から10,747百万円減少しています。
負債の部
負債の部では、短期借入金が26,422百万円、長期借入金が28,942百万円となっています。長短借入金を合わせた有利子負債は55,364百万円と、前期末から2,117百万円減少しました。
純資産の部
純資産の部では、190,257百万円と前期末から5,666百万円増加しています。利益剰余金が114,281百万円に増加したことが主な要因です。自己資本比率は52.7%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
住友大阪セメントのROA(総資産経常利益率)は、2022年度第3四半期が-1.8%だったのに対し、2023年度第3四半期は1.7%まで改善しています。また、ROE(自己資本当期純利益率)も、前年同期の-0.9%から当期は5.6%まで上昇しています。収益力の回復と自己資本の増強により、資産効率や株主価値の向上につながっています。今後も事業構造改革を通じて、収益性と資本効率の一層の改善が期待されます。
キャッシュフロー
2023年度第3四半期のキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローが20,122百万円のプラスとなっています。これは、税金等調整前四半期純利益の計上や、たな卸資産の減少等によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローは16,308百万円のマイナスと、設備投資などに資金を振り向けています。全体としては3,813百万円の増加となり、手元流動性が改善しました。
配当の支払額
住友大阪セメントは、2023年6月と12月に年2回の配当を実施しています。2023年6月の期末配当は1株60円、2023年12月の中間配当も1株60円と、合計年間120円の配当を行っています。今後も業績の改善に応じて、株主への還元を継続していく方針のようです。
今後の展望
住友大阪セメントは、「環境解決」をキーワードに持続的な成長を目指しています。セメント事業では、国内販売価格の値上げなどによる収益力の回復を図るほか、海外展開や新素材の開発にも注力しています。また、半導体製造装置向けの電子材料事業でも、生産能力の増強と収益基盤の強化に取り組んでいきます。これらの施策によって、中長期的な企業価値の向上を目指しているようです。
編集部のまとめ
住友大阪セメントの2023年度第3四半期決算は、売上高、経常利益ともに大幅な増収増益となりました。セメント事業のコスト管理強化と販売価格の値上げが奏功しているほか、電子材料事業の好調も業績を押し上げています。財務面でも、自己資本比率の向上や有利子負債の削減など、経営基盤の強化が進んでいます。今後は成長分野への投資を加速させ、持続可能な企業価値の向上に取り組んでいくと見られます。
住友大阪セメント株式会社の決算日や配当についてまとめました。
住友大阪セメントの決算日は3月31日で、第3四半期決算は12月31日までの3ヶ月間の業績を示しています。配当は年2回(6月と12月)行われ、2023年度は1株当たり年間120円の配当を実施しています。業績の回復に伴い、株主への還元も強化される見込みです。