カバー株式会社の決算報告書を分析しました。同社は日本発のエンターテインメントやカルチャーを世界に広める事業を手掛けており、VTuber事業が好調に推移しています。直近の第3四半期累計期間は2桁の増収増益を達成し、売上高19,225,271千円(前年同期比50.2%増)、営業利益3,491,375千円(同101.3%増)を記録しました。特に音楽配信やライブイベントなど、顧客接点の幅広い事業展開が奏功したようですね。今後も同社の成長に注目が集まりそうです。
企業情報
企業名: カバー株式会社
証券コード: E38478
決算期: 3月31日
カバー株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
カバー株式会社の決算日は3月31日です。決算報告は、2月下旬もしくは3月上旬に行われます。
主な事業
カバー株式会社は、「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」をミッションに掲げ、日本発のエンターテインメントやカルチャーを世界に広める事業を展開しています。具体的には、自社制作のVTuberのプロデュース、SNSでの配信、ライブイベントの開催、関連商品の販売など、コンテンツ事業を中心に事業を展開しています。同社の強みは、人気VTuberを次々と生み出し、YouTubeなどのメディアを通じて日本のポップカルチャーを世界に発信できることです。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期累計期間(2023年4月1日~12月31日)は、売上高19,225,271千円(前年同期比50.2%増)、営業利益3,491,375千円(同101.3%増)と大幅な増収増益を達成しました。特に、自社VTuberの音楽活動が好調で、地上波テレビ番組やカラオケ、各種配信サイトでの露出が広がったことが業績拡大につながりました。利益率についても、売上総利益率が47.5%と高水準を維持できています。
売上・利益の推移
直近3期の推移を見ると、売上高は着実に増加しており、前期は12,802,099千円、当期は19,225,271千円と大幅な増収を果たしました。利益面でも、前期の営業利益1,734,609千円から当期は3,491,375千円と劇的な改善が見られます。VTuber事業の人気拡大と、関連商品の販売好調が業績を押し上げている様子が窺えます。
四半期連結貸借対照表について
カバー株式会社の最新の四半期連結貸借対照表(2023年12月31日時点)を見ると、資産合計は18,788,913千円と前期末から2,901,903千円増加しています。資産の主な増加要因は、新スタジオの建設や本社移転に伴う有形固定資産の増加、「ホロアース」開発に伴う無形固定資産の増加、そして商品在庫の増加などです。一方、負債は9,157,308千円で前期末から276,607千円の増加にとどまっています。この結果、純資産は9,631,604千円となり、自己資本比率は51.2%と健全な財務体質を維持しています。
ROAとROE
ROAは前期の8.1%から当期13.9%に大きく改善しました。これは、営業利益の大幅な増加に加え、資産の効率的な運用によるものと考えられます。一方、ROEは前期の18.3%から当期27.3%に上昇しており、株主資本の活用度が高まっていることが分かります。同社のVTuber事業が順調に成長していることが、これらの指標の改善につながっていると言えるでしょう。
キャッシュフロー
同社の四半期キャッシュ・フロー計算書を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは3,089,831千円の増加となっています。これは主に、税引前四半期純利益の計上と、売掛金の減少によるものです。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは2,340,550千円の減少となっており、新スタジオ建設や本社移転に伴う設備投資が大きな要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは、増減がないという状況です。全体としては、現金及び現金同等物は749,228千円の増加となっており、健全な資金繰りを維持できている様子が伺えます。
配当の支払額
同社は現在、配当を実施していないようです。上場後間もないこともあり、内部留保を活用して事業拡大に注力する方針のようです。株主への還元は今後の課題の一つになると考えられます。業績の伸びが続けば、株主還元策への期待も高まってくるでしょう。
今後の展望
カバー株式会社は、今後も自社VTuberの育成やコンテンツ拡充、関連商品の販売などに注力し、国内外でのブランド力向上と収益拡大を目指していく方針です。特に、「ホロアース」と呼ばれるメタバースサービスの本格展開や、英語圏VTuberの活動強化など、海外市場への進出にも力を入れています。これらの取り組みにより、同社の中長期的な成長が期待されています。
編集部のまとめ
カバー株式会社は、VTuber事業を中心に順調な業績拡大を続けています。音楽活動の好調や関連商品の販売増加、そして海外市場での認知度向上など、同社の成長戦略が実を結んでいる様子が見て取れます。今後も自社VTuberの育成や新規サービス展開など、積極的な事業投資が期待されます。株主還元については課題も残されていますが、業績の伸びが続けば、株主還元策の強化も見込めるかもしれません。注目の企業といえるでしょう。
カバー株式会社の決算日や配当についてまとめました。
カバー株式会社の決算日は3月31日で、決算報告は2月下旬もしくは3月上旬に行われます。同社は現在、配当を実施していませんが、今後の業績成長や株主還元策の強化に期待が集まっています。