株式会社スパンクリートコーポレーションの直近の四半期決算報告書を分析してみました。売上高や利益は前年同期比で減少したものの、その中でも不動産事業が安定した収支を維持しているのが特徴的ですね。スパンクリート事業の収益力回復に向けた取り組みにも期待したいところです。
企業情報
企業名: 株式会社スパンクリートコーポレーション
証券コード: E01174
決算期: 3月31日
株式会社スパンクリートコーポレーションの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社スパンクリートコーポレーションの決算日は3月31日です。決算短信や四半期報告書の発表時期は、各期の6月中旬、8月中旬、11月中旬、2月中旬頃になります。
主な事業
株式会社スパンクリートコーポレーションの主な事業は、「スパンクリート事業」「不動産事業」「プレキャスト事業」の3つです。
スパンクリート事業では、鉄筋コンクリート造の床版や壁材となるスパンクリートの製造・販売を行っています。不動産事業では、オフィスビルの賃貸を行っており、プレキャスト事業では、プレキャスト製品の製造・販売を展開しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が1,499.6百万円と前年同期比で8.6%減少しました。一方で、営業損失は269.4百万円と前年同期の301.0百万円から改善しています。利益率も営業損失率17.9%から16.0%へと改善傾向にあります。
売上・利益の推移
直近3年間の業績推移を見ると、2022年3月期と2023年3月期は連続して営業損失を計上しており、収益力の回復が課題となっています。しかし、不動産事業では高稼働率を維持しており、安定的に利益を計上し、全体の損失を補っています。今後は、スパンクリート事業の収益性改善に注力していく必要がありそうです。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は6,669.2百万円で、前期末比373.2百万円の減少となっています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が2,044.6百万円と前期末比348.5百万円減少しているものの、受取手形及び売掛金が561.8百万円と増加しています。また、投資有価証券も232.9百万円増加しています。
負債の部
負債の部では、短期借入金が500.0百万円と前期末比48.0百万円減少しています。一方で、工事未払金が26.5百万円増加しています。
純資産の部
純資産の部では、資本金が100.0百万円に減少し、その他資本剰余金が5,709.2百万円に増加しています。これは、無償減資による資本金の減少と欠損填補が行われたためです。その結果、自己資本比率は82.9%となっています。
ROAとROE
ROAとROEについては、直近の数値が開示されていないため確認できませんが、営業損失を計上し続けている状況からすると、収益性や資本効率の改善が課題だと考えられます。今後の業績回復に向けた取り組みが重要になってきそうです。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フロー計算書は開示されていませんが、現金及び預金が2,044.6百万円と手元流動性は確保されていることから、当面の経営に支障はないと思われます。今後の設備投資や M&A など、戦略的な資金活用についても注目していきたいところです。
配当の支払額
当第3四半期連結累計期間において、配当の支払いは行われていません。今後の業績回復に合わせて、株主還元の拡充に期待したいですね。
今後の展望
株式会社スパンクリートコーポレーションは、スパンクリート事業の収益性改善と、不動産事業での安定収益確保に注力していく方針です。原材料価格高騰への対応や新製品開発、生産性向上などに取り組み、業績の早期回復を目指していきます。今後の業績動向に注目していきたいと思います。
編集部のまとめ
株式会社スパンクリートコーポレーションは、主力のスパンクリート事業の収益性改善に向けて、販売価格の適正化や新製品開発などに注力しています。一方で、安定的な収益を上げている不動産事業が全体の業績を下支えしています。今後は、スパンクリート事業の収益力を高めるとともに、不動産事業でも新たな施策を展開し、持続的な成長を目指していくことが重要になってくるでしょう。
株式会社スパンクリートコーポレーションの決算日や配当についてまとめました。
株式会社スパンクリートコーポレーションの決算日は3月31日で、四半期報告書の発表は年4回行われています。また、当第3四半期連結累計期間においては配当の支払いは行われていませんが、今後の業績回復に合わせて株主還元の拡充に期待されます。