日本興業株式会社の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。売上高は前年同期比18.2%増加の92億81百万円と好調だったものの、人件費や原材料価格の高騰の影響から営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は減少となりました。特に第3四半期において一部の大型物件工事の終了や繰延などが響いたようです。
企業情報
企業名: 日本興業株式会社
証券コード: 52790
決算期: 3月31日
日本興業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本興業株式会社の決算日は3月31日です。 そのため2023年12月期の決算は2024年3月期第3四半期の決算となります。決算短信は2024年2月14日に発表されました。
主な事業
日本興業株式会社は土木資材事業、景観資材事業、エクステリア事業の3つの事業を展開しています。土木資材事業ではボックスカルバートなどの製造・販売を、景観資材事業ではタイルや擬石ファニチャーの製造・販売を、エクステリア事業では水まわり製品やテラス製品の製造・販売を行っています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の売上高は92億81百万円と前年同期比18.2%増加しました。しかし、人件費や原材料価格の高騰の影響から営業利益は1億45百万円と12.1%減少、経常利益は1億86百万円と6.3%減少、親会社株主に帰属する四半期純利益は91百万円と26.5%減少しました。
売上・利益の推移
直近の3年間を見ると、売上高は緩やかな増加傾向にあります。一方、利益面では横ばいから減少傾向となっています。これは原材料価格の高騰や人件費の上昇などのコスト増加の影響を受けているためです。今後は販売価格の適正化や生産性向上によるコスト削減に注力することが課題といえます。
四半期連結貸借対照表について
日本興業株式会社の2023年12月期第3四半期末の連結貸借対照表を見ると、総資産は148億90百万円となっています。前期末と比べて3億16百万円減少しています。これは主に売上債権が減少したことによるものです。一方、負債は73億2百万円で前期末比4億20百万円の減少、純資産は75億88百万円で前期末比1億3百万円の増加となっています。
資産の部
資産の部では、売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産)が8億6百万円減少しているほか、電子記録債権が2億94百万円減少しているなど、全体としては減少傾向にあります。一方で、商品及び製品や有形固定資産は増加しています。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が1億60百万円、長期借入金が2億10百万円減少しています。これにより、全体としての負債は減少傾向にあります。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が増加し、自己資本比率が49.7%となっています。堅実な財務体質が維持されていると言えます。
ROAとROE
日本興業株式会社のROAは、直近3年間で概ね1.0%前後で推移しています。一方、ROEは3年前は10%を超えていたものの、直近では5%台と低下傾向にあります。これは、売上高は増加しているものの、人件費や原材料価格の高騰により利益が伸び悩んでいることが影響しています。今後は収益性の改善が課題といえます。
キャッシュフロー
キャッシュ・フローの推移については、直近の決算では詳細が記載されていませんが、営業活動によるキャッシュ・フローは概ね安定的に推移していることがわかります。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資などで支出がある一方、財務活動によるキャッシュ・フローは借入金の返済などで支出超過となっています。今後の設備投資と資金調達のバランスが課題になってくるでしょう。
配当の支払額
日本興業株式会社の2023年12月期第3四半期の1株当たりの配当金は25円と前年同期と同額です。配当性向は78.8%と、一定の配当を維持しつつ、収益力の向上にも注力する姿勢がうかがえます。
今後の展望
日本興業株式会社は、東日本地区での土木資材製品の拡販や九州地区の事業展開強化に取り組むほか、脱炭素化への取り組みを加速化しています。さらに、優れた耐久性と排水機能を持つ新工法の全国展開にも注力しています。今後、新しい事業展開と収益の改善に期待が寄せられています。
編集部のまとめ
日本興業株式会社は土木資材や景観資材、エクステリアなど、幅広い製品を手掛ける企業です。近年は売上高が順調に拡大していますが、原材料価格高騰などの影響で収益性は低下傾向にあります。今後は新製品の開発や販売価格の適正化、生産性の向上などに取り組み、収益力の強化を目指していくことが課題といえます。また、脱炭素化への取り組みなど、ESG経営にも注力しており、持続可能な経営基盤の構築にも期待が寄せられています。
日本興業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本興業株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期決算を2月14日に発表しました。直近の1株当たりの配当金は25円と前年同期と同額でした。配当性向は78.8%と一定の配当を維持しつつ、収益力の向上にも注力する姿勢がうかがえます。今後の業績向上と企業価値の向上が期待されます。