東海カーボン株式会社の2024年度第1四半期決算報告が公開されました。この決算では、売上高が前年同期比5.0%減と減収を記録しましたが、主力事業の強化や新事業への投資など、同社の中長期的な経営戦略の推進が見られ、今後の業績回復に期待がかかります。
企業情報
企業名: 東海カーボン株式会社
証券コード: 53010
決算期: 2024年度第1四半期(2024年1月1日~2024年3月31日)
東海カーボン株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
東海カーボン株式会社の決算は毎年3月31日が期末となっており、第1四半期決算は5月に発表されます。今回の2024年度第1四半期決算は、2024年5月14日に公表されました。
主な事業
東海カーボン株式会社は、カーボンブラック、ファインカーボン、スメルティング&ライニング、黒鉛電極、工業炉及び関連製品などの事業を展開しています。カーボン関連製品を中心にグローバルで事業を展開しています。
今期の業績と利益率は?
2024年度第1四半期の業績は、売上高が821億61百万円と前年同期比5.0%の減収となりました。一方で、営業利益は34億89百万円と前年同期比69.6%の大幅減益となっています。事業環境の悪化による減収と固定費負担の増加が影響しています。
売上・利益の推移
東海カーボン株式会社は、2023年度通期の売上高が3,639億46百万円、営業利益が416億7百万円と過去最高業績を記録しました。しかし、2024年度第1四半期は外部環境の悪化により減収減益となりました。今後は、主力事業の強化と新事業への投資で業績の回復を目指しています。
四半期連結貸借対照表について
東海カーボン株式会社の2024年度第1四半期の連結貸借対照表では、前期末比で総資産が6,602億42百万円と増加しています。一方、負債は2,791億25百万円と減少し、純資産は3,811億17百万円と増加しています。自己資本比率は52.1%と健全な水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、有形固定資産が前期末比増加しており、設備投資が進んでいることがわかります。また、投資有価証券も増加傾向にあります。
負債の部
負債の部では、借入金などの有利子負債が増加しましたが、支払手形・買掛金などの仕入債務の減少により、全体として減少しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金やその他の包括利益累計額が増加しており、財務体質の強化がうかがえます。自己資本比率も52.1%と高水準を維持しています。
ROAとROE
東海カーボン株式会社のROA(総資産利益率)は前期(2023年度)において6.4%と健全な水準を保っています。一方でROE(自己資本利益率)は7.1%と厳しい状況にあります。今後は事業構造改革などを通じて収益性の向上とともに、資本効率の改善にも取り組む必要があると考えられます。
キャッシュフロー
東海カーボン株式会社の2024年度第1四半期のキャッシュフローは公表されていません。ただし、設備投資が増加していることから、設備投資を中心とした投資活動によるキャッシュ・アウトが増加傾向にあると推察されます。一方で、営業活動によるキャッシュ・インは減少しているものと考えられます。
配当の支払額
東海カーボン株式会社は、年間配当金を1株当たり18円と、前期から3円増額しています。保有する内部留保の一部を株主還元に活用する方針で、企業価値の向上と株主還元のバランスを取っていると評価できます。
今後の展望
東海カーボン株式会社は、2024年から2026年までの3年間を対象とする新中期経営計画「T-2026」を発表しています。この計画では、売上高4,580億円、営業利益530億円の達成を目標とし、主力事業の強化、事業ポートフォリオの再構築、サステナビリティ経営の推進などに取り組んでいきます。外部環境の変化に対応しつつ、長期的な企業価値の向上を目指していく方針です。
編集部のまとめ
東海カーボン株式会社の2024年度第1四半期決算では、新型コロナウイルス感染症の影響や外部環境の悪化により減収減益となりましたが、長期的な成長戦略の推進により、今後の業績回復が期待されます。また、財務基盤の強化や株主還元の拡充など、企業価値の向上に取り組む姿勢も見られ、同社の今後の動向に注目が集まっています。
東海カーボン株式会社の決算日や配当についてまとめました。
東海カーボン株式会社の決算日は3月31日で、第1四半期決算は5月に発表されています。また、同社は年間配当金を1株当たり18円と、前期から3円増額しており、株主還元にも積極的に取り組んでいると言えます。