日本碍子株式会社の2023年3月期第3四半期決算が公開されました。売上高は前年同期比1.8%増の4,225億27百万円となり、営業利益は12.6%減の503億17百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は34.4%減の338億76百万円となりました。インフレに伴う労務費上昇などがマイナス要因となっている一方、自動車関連製品の出荷増加などが業績を押し上げています。
企業情報
企業名: 日本碍子株式会社
証券コード: 53330
決算期: 3月期
日本碍子株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本碍子株式会社の決算日は3月31日です。決算発表は通常6月下旬に行われます。また、四半期決算の発表は、6月、9月、12月、3月の年4回行われています。
主な事業
日本碍子株式会社は主に自動車排ガス浄化用部品、電子部品、がいし製品などを手掛ける企業です。成長分野としてエレクトロニクス関連分野に注力しており、半導体やデータセンター向けの製品も手がけています。また、環境・エネルギー分野でも高い技術力を発揮しており、系列の子会社とともに電力貯蔵用NAS®電池の製造などにも取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の売上高は4,225億27百万円と前年同期比1.8%増加しました。一方で、営業利益は503億17百万円と12.6%減少しています。営業利益率は11.9%となりました。インフレの影響による人件費上昇などがマイナス要因となっています。利益面では厳しい状況が続いているものの、自動車関連製品の出荷増加などにより減収を抑えられた結果、業績は堅調に推移したと言えます。
売上・利益の推移
日本碍子株式会社の最近の売上高と利益の推移は以下の通りです。売上高は2023年3月期に5,592億40百万円、営業利益は658億87百万円を記録しました。前年同期比で売上高は7.1%増、営業利益は7.1%増と順調に推移しています。また、親会社株主に帰属する当期純利益は550億48百万円となり、ROEは8.7%を達成しました。
四半期連結貸借対照表について
資産の部
当第3四半期末の資産合計は1兆754億78百万円と前連結会計年度末に比べ463億10百万円増加しました。これは主として現金及び預金や棚卸資産、有形固定資産等が増加したことによるものです。
負債の部
負債合計は4,073億96百万円と前連結会計年度末に比べ206億74百万円増加しました。これは主として社債や短期借入金等が増加した一方、長期借入金が減少したことによるものです。
純資産の部
純資産合計は6,680億82百万円と前連結会計年度末に比べ256億36百万円増加しました。これは主として為替換算調整勘定や利益剰余金が増加したことによるものです。自己資本比率は61.4%となっています。
ROAとROE
日本碍子株式会社のROAは5.1%、ROEは5.3%となっています。前年同期に比べROAは0.5ポイント低下、ROEは1.0ポイント低下しました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益が減少したことによるものです。ただし、依然として高い水準の収益性を維持しています。
キャッシュフロー
当第3四半期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが+560億円、投資活動によるキャッシュ・フローが-333億円、財務活動によるキャッシュ・フローが-93億円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローが黒字を確保できたことで、手元流動性は高い水準を維持できています。
配当の支払額
日本碍子株式会社は年2回、期末配当と中間配当を実施しています。当期は1株当たり配当金58円を予定しています。このうち、中間配当は1株当たり25円が2023年12月に支払われました。内部留保と株主還元のバランスを取りながら、安定的かつ継続的な配当を実施しています。
今後の展望
日本碍子株式会社は、中長期的には電気自動車や再生可能エネルギー向けの需要拡大に期待しています。自動車排ガス浄化部品や電力貯蔵用NAS®電池などの主力製品の販売拡大が見込めるほか、半導体製造装置用部品の需要回復も期待されます。一方で、原材料価格高騰やグローバル経済の不確実性などのリスクにも注意を払う必要があります。今後の経営環境の変化に機敏に対応し、持続的な成長を目指していきます。
編集部のまとめ
日本碍子株式会社の2023年3月期第3四半期決算は、自動車関連製品の出荷増加により減収を抑えられたものの、人件費高騰の影響から減益となりました。ただし、財務体質は健全で、手元流動性も高く、配当も安定して実施できる水準を維持しています。中長期的には再生可能エネルギー関連製品の需要拡大が期待されており、今後の成長に期待がかかっています。
日本碍子株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本碍子株式会社の決算日は3月31日で、決算発表は毎年6月下旬に行われています。また、年2回の期末配当と中間配当を実施しており、当期は1株当たり配当金58円を予定しています。企業としての収益力と財務基盤は健全であり、今後の事業環境の変化に応じて持続的な成長を目指していくことが期待されます。