株式会社フジミインコーポレーテッドの最新の決算報告が発表されました。同社は研磨材など工業用製品を手掛ける老舗企業で、最先端のシリコンウェハーやCMPなどの電子部品向け製品に強みを持っています。今期の業績は減収減益となりましたが、中長期的な成長戦略は順調に進展しているようです。
企業情報
企業名: 株式会社フジミインコーポレーテッド
証券コード: 53840
決算期: 2023年3月31日
株式会社フジミインコーポレーテッドの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社フジミインコーポレーテッドの決算期は3月31日です。四半期決算は、6月30日、9月30日、12月31日、3月31日の年4回実施しています。
主な事業
株式会社フジミインコーポレーテッドは、シリコンウェハー用ポリシング材料、CMPスラリー、研磨材、研磨装置などの製造・販売を手がける総合研磨材メーカーです。半導体やHDD、各種産業機械部品の精密研磨に使用される高機能製品を提供しています。特に、メモリデバイス向けのCMP製品が同社の強みとなっています。
今期の業績と利益率は?
今期の業績は、減収減益となりました。売上高は前年同期比16.4%減の37,778百万円、営業利益は45.7%減の6,109百万円、経常利益は44.2%減の6,455百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は43.7%減の4,797百万円となりました。半導体市場の調整局面を受け、同社の主力製品の出荷が減少したことが主因です。
売上・利益の推移
直近3年の売上高と利益の推移をみると、2022年3月期は過去最高の業績となりました。しかし、2023年3月期は半導体市場の調整を受けて、売上高、各利益ともに大幅に減少しています。長期的に見れば、同社の業績は概ね堅調に推移しているものの、短期的には景気変動の影響を受けやすい傾向にあります。
四半期連結貸借対照表について
同社の直近の四半期連結貸借対照表をみると、資産合計は前期末比1,217百万円減少の78,883百万円、負債合計は前期末比1,802百万円減少の9,287百万円となっています。純資産は前期末比584百万円増加の69,595百万円となり、自己資本比率は88.23%と引き続き高水準を維持しています。
資産の部
資産では、現金及び預金が4,836百万円減少したものの、有形固定資産のその他が1,949百万円、投資有価証券が687百万円、原材料及び貯蔵品が658百万円それぞれ増加しました。
負債の部
負債では、買掛金が901百万円、賞与引当金が765百万円それぞれ減少しました。
純資産の部
純資産では、利益剰余金が736百万円減少したものの、為替換算調整勘定が960百万円、その他有価証券評価差額金が342百万円それぞれ増加しました。
ROAとROE
同社のROA(総資産経常利益率)は8.2%、ROE(自己資本当期純利益率)は7.3%となっています。前期に比べROAは低下したものの、ROEはほぼ横ばいで推移しており、優れた資本効率を維持しています。これは、高い収益性と健全な財務体質を背景としたものと考えられます。
キャッシュフロー
同社のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・フローが4,870百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△2,924百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△6,873百万円となっています。営業キャッシュ・フローが堅調に推移し、投資活動や配当金の支払いにも活用できる強固な財務体質を維持しています。
配当の支払額
同社は、年2回の配当を実施しています。直近の配当金は、中間配当が1株当たり36.67円、期末配当が110円(株式分割前)となっており、年間では146.67円(株式分割後は36.67円)の配当を行っています。配当性向は35.7%となっており、株主還元にも力を入れています。
今後の展望
同社は、半導体市場の需要変動に柔軟に対応しつつ、先端技術への投資や研究開発の強化などを通じて、中長期的な成長を目指しています。また、海外事業の拡大にも注力しており、グローバルな事業展開を加速させています。業界をけん引する同社の今後の動向から目が離せません。
編集部のまとめ
株式会社フジミインコーポレーテッドは、半導体関連市場をはじめとした工業製品向けの研磨材料メーカーとして、着実に事業を拡大してきました。足元では半導体市場の調整の影響を受けて減収減益となりましたが、中長期的には成長軌道に乗っていると評価できます。強固な財務基盤と優れた技術力を背景に、今後の更なる飛躍が期待されます。
株式会社フジミインコーポレーテッドの決算日や配当についてまとめました。
株式会社フジミインコーポレーテッドの決算日は3月31日で、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日、3月31日の年4回実施しています。配当金は年2回、中間配当が36.67円、期末配当が110円(株式分割前)と、十分な株主還元を行っています。今後も同社の業績と配当に注目していきましょう。