株式会社QPS研究所(東証グロース:55950)の第2四半期決算報告をご紹介します。同社は小型衛星を使った地球観測衛星データ事業を展開する企業で、この度の業績は前年同期と比べて減収になったものの、事業拡大に向けた取り組みを積極的に進めています。決算の概要や今後の展望についてお伝えしていきます。
企業情報
企業名: 株式会社QPS研究所
証券コード: 55950
決算期: 2023年6月1日〜2024年5月31日
株式会社QPS研究所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社QPS研究所の決算日は5月31日です。そのため、同社の第2四半期決算はこの2023年11月30日時点の業績となります。
主な事業
同社の主力事業は地球観測衛星データ事業です。小型の合成開口レーダ(SAR)衛星を製造・打ち上げ、取得したデータを顧客に提供する事業モデルを確立しています。安全保障分野やインフラ維持管理などの民間分野での活用が期待されており、同事業を中心に事業拡大を目指しています。
今期の業績と利益率は?
当第2四半期の業績は、売上高469,859千円、営業損失81,127千円、経常損失162,202千円、四半期純損失164,425千円となりました。利益率は未だ低い水準ですが、衛星製造や打ち上げ、そしてデータ販売事業の立ち上げ段階にあるため、赤字が続いているのが現状です。
売上・利益の推移
同社の前期(2022年6月1日〜2023年5月31日)の業績は売上高372,072千円、経常損失323,924千円、当期純損失1,105,199千円と、大幅な赤字決算となりました。今期第2四半期も損失計上を余儀なくされていますが、今後の事業拡大に向けて先行投資を続けていく方針です。
四半期連結貸借対照表について
2023年11月30日時点の貸借対照表では、資産合計が6,243,897千円、負債合計が1,217,454千円、純資産合計が5,026,443千円となっています。
資産の部
流動資産は2,207,696千円で、主に現金及び預金の減少により前期末から1,656,937千円減少しています。一方、固定資産は4,036,200千円と大幅に増加しており、主に製造中の衛星の設備投資によるものです。
負債の部
流動負債は614,404千円と前期末から289,113千円増加し、固定負債は603,049千円と295,364千円増加しています。これは主に長期借入金の増加によるものです。
純資産の部
純資産合計は5,026,443千円と前期末から173,387千円減少しています。これは主に四半期純損失の計上による利益剰余金の減少によるものです。
ROAとROE
同社のROAは前期末時点で-19.0%と低い水準です。ROEも前期末時点で-21.2%と低下しています。これは、衛星の製造や打ち上げに伴う先行投資が先行していることによるものです。今後の事業拡大に伴い、収益性の改善が期待されます。
キャッシュフロー
当第2四半期のキャッシュフローでは、営業活動による資金の減少が113,045千円、投資活動による資金の減少が2,071,838千円となりました。一方、財務活動によるキャッシュ・フローは223,000千円の増加となっています。これは主に長期借入金の調達によるものです。
配当の支払額
当期は配当を実施しておりません。今後の事業拡大に向けた先行投資に注力するため、当面の間は配当は見送る方針のようです。
今後の展望
同社は2023年12月に東証グロース市場に上場し、さらなる資金調達を行うことで、小型SAR衛星の製造・打ち上げ体制の強化や、事業基盤の拡充を図っていく予定です。これにより、安全保障分野や民間分野でのデータ販売拡大を目指し、将来的な収益改善と企業価値向上に繋げていくものと期待されます。
編集部のまとめ
株式会社QPS研究所は、小型の地球観測衛星を活用したデータ事業を展開する先進企業です。現在は事業立ち上げ段階のため赤字を計上していますが、東証グロース市場への上場と資金調達により、事業基盤の強化が期待できます。今後の成長に注目したいと思います。
株式会社QPS研究所の決算日や配当についてまとめました。
株式会社QPS研究所の決算日は5月31日で、当期は配当を実施しておりません。今後の事業拡大に向けた先行投資に注力するため、配当は見送る方針のようです。