日本鋳鉄管株式会社の最新の決算報告書が公開されました。同社は、上下水道用のダクタイル鋳鉄管の製造・販売を主要な事業としている国内有数のメーカーです。この決算報告をまとめたので、一緒に見ていきましょう。
企業情報
企業名: 日本鋳鉄管株式会社
証券コード: 56120
決算期: 2023年3月期
日本鋳鉄管株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本鋳鉄管の決算期は3月期です。具体的な決算日は毎年3月31日で、四半期報告書の提出期限は連結会計年度の第3四半期会計期間終了後45日以内となります。
主な事業
日本鋳鉄管の主要事業はダクタイル鋳鉄管の製造・販売です。ダクタイル鋳鉄管は上下水道管路の配管材料として広く使用されており、強度や耐久性に優れた製品を製造・供給しています。また、樹脂管やガス管等の関連製品の製造・販売も手掛けています。主力のダクタイル鋳鉄管事業を中心に、幅広い水関連製品を提供する企業として、社会インフラ整備に寄与しています。
今期の業績と利益率は?
日本鋳鉄管の当第3四半期の業績は、全国的な管路布設工事の遅れや減少により売上高が前年同期比で2.6%減少の130億3百万円となりました。一方で、原材料価格やエネルギー価格の高騰を販売価格に適切に反映したことや、コスト削減に取り組んだことで、営業利益は6億54百万円と前年同期比70.5%の大幅増加を果たしました。
売上・利益の推移
直近の売上高は132億円前後で推移しています。一方で、営業利益は2021年3月期の5億円台から2022年3月期は7億円台に増加するなど、収益性の向上が続いています。また、親会社株主に帰属する当期純利益も3億円台から4億円台に改善しており、業績は着実に回復基調にあります。
四半期連結貸借対照表について
日本鋳鉄管の最新の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は198億92百万円となっています。前期末から12億87百万円増加しており、事業の拡大とともに財務状況も改善傾向にあることがわかります。
資産の部
資産の部では、流動資産が139億35百万円と大部分を占めています。現金及び預金、受取手形及び売掛金、電子記録債権などが主な内訳です。固定資産は59億56百万円で、土地や機械装置などの有形固定資産が中心となっています。
負債の部
負債の部では、流動負債が72億82百万円と大きな割合を占めています。主な内訳は支払手形及び買掛金、電子記録債務です。固定負債は36億73百万円で、長期借入金などが含まれています。
純資産の部
純資産の部は90億36百万円となっており、自己資本比率は43.8%と健全な水準を保っています。利益剰余金の積み上がりにより、株主資本は堅調に推移しています。
ROAとROE
日本鋳鉄管のROA(総資産利益率)は直近3年間で2.0%前後で推移しています。一方、ROE(自己資本利益率)は、2022年3月期には4.2%と改善傾向にあり、直近3年間で4%台を維持しています。これは、売上高の増加と収益性の向上によって、株主資本利益率が徐々に上昇していることを示しています。
キャッシュフロー
日本鋳鉄管の営業活動によるキャッシュ・フローは前期比で増加傾向にあり、現金及び預金残高も堅調に推移しています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資により支出が増加しており、今後の成長に向けた設備投資が計画されていることがわかります。
配当の支払額
日本鋳鉄管の直近の年間配当金は33円で、前期比3円増加しています。配当性向は29.2%となっており、堅調な業績を背景に株主還元も強化されています。
今後の展望
日本鋳鉄管は、カーボンニュートラル実現に向けてキュポラ炉から電気炉への転換に取り組むとともに、製造子会社の設立を通じてクボタとの製造合弁会社を設立する計画を発表しました。こうした戦略的な取り組みにより、環境対応と生産性向上を両立し、持続的な成長を目指しています。今後の業績推移にも期待がかかっています。
編集部のまとめ
日本鋳鉄管は、ダクタイル鋳鉄管を中心とした水関連事業で高い競争力を持つ企業です。今回の決算では、全国的な管路工事の減少に直面しつつも、原材料や電力コストの高騰に柔軟に対応し、収益性を向上させています。加えて、環境対応と生産性向上に向けた新たな取り組みにも着手しており、持続的な成長が期待されます。今後の業績動向にも注目が集まります。
日本鋳鉄管株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本鋳鉄管の決算期は3月期で、毎年3月31日が決算日となっています。また、同社の年間配当金は33円と、前期比3円増加しており、堅調な業績を背景に株主還元も強化されています。今後の持続的な成長に向けた取り組みに注目が集まります。