三菱製鋼株式会社の最新の決算報告書が公開されました。自動車や建設機械、工作機械業界向けの鋼材製品を製造している同社の中間期業績は前年同期と比べると微減となりましたが、販売価格の上昇や北米子会社の業績改善などにより、全体としては伸張基調にあるようです。
企業情報
企業名: 三菱製鋼株式会社
証券コード: E01233
決算期: 3月期
三菱製鋼株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
三菱製鋼株式会社の決算は3月期となっています。第3四半期決算の報告書は2024年2月9日に提出されました。
主な事業
三菱製鋼株式会社は特殊鋼鋼材事業、ばね事業、素形材事業、機器装置事業を主な事業としています。特殊鋼鋼材は自動車や建設機械、工作機械などの産業機械向けに供給され、ばねは主に自動車向けに製造しています。また素形材や環境関連機器の製造・販売も手掛けています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は1,259億61百万円と前年同期比で0.4%減少しました。一方、営業利益は27億83百万円と3.1%減少しています。自動車業界の回復に伴いばね事業の売上が増加しましたが、特殊鋼鋼材事業の減収により全体としては微減となりました。
売上・利益の推移
三菱製鋼の売上高は1,700億円前後で推移しています。利益面では、2023年3月期の経常利益が37億43百万円と堅調な業績を残しました。ただし当第3四半期では経常損失に転じ、親会社株主に帰属する四半期純損失が5億65百万円となりました。
四半期連結貸借対照表について
同社の総資産は1,473億30百万円となり、前期末から90億79百万円減少しました。これは借入金の返済や法人税の支払いなどにより、現金同等物が減少したためです。一方、負債総額は988億70百万円と前期末から78億51百万円減少しており、自己資本比率は28.4%となっています。
資産の部
流動資産は934億11百万円で、前期末から123億97百万円減少しました。これは主に現金及び預金の減少によるものです。固定資産は539億19百万円と前期末から33億17百万円増加しています。
負債の部
流動負債は433億4百万円と前期末から60億84百万円減少しました。これは主に仕入債務の減少によるものです。固定負債は555億66百万円と前期末から17億67百万円減少しています。
純資産の部
純資産は484億60百万円と前期末から12億27百万円減少しました。これは主に利益剰余金の減少によるものです。自己資本比率は28.4%となっています。
ROAとROE
同社のROAは2.1%、ROEは4.5%となっています。前期と比べるとROAは0.5ポイント低下、ROEは2.1ポイント低下しています。これは主に営業利益の減少と親会社株主に帰属する四半期純損失の計上によるものと考えられます。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは42億57百万円の収入となりました。一方で投資活動によるキャッシュ・フローは32億26百万円の支出となり、財務活動によるキャッシュ・フローは36億45百万円の支出でした。この結果、現金及び現金同等物の当第3四半期末残高は205億3百万円となっています。
配当の支払額
三菱製鋼は2023年6月に期末配当として1株当たり40円、2023年12月には中間配当として25円の配当を実施しています。この結果、2023年3月期の年間配当は65円となっています。
今後の展望
三菱製鋼は自動車関連需要の回復と、建設機械、工作機械の需要減少への対応が課題となっています。今後は販売価格の転嫁や生産性向上などによる収益改善に注力していく方針です。中長期的には、環境対応製品の開発や海外事業の拡大などにも取り組み、事業基盤の強化を図りたいとしています。
編集部のまとめ
三菱製鋼の決算は前年同期と比べて微減となりましたが、自動車関連需要の回復や販売価格の上昇などにより、収益は堅調に推移しているようです。一方で建設機械や工作機械向けの特殊鋼鋼材の需要減少が課題となっています。今後は、販売価格の転嫁と生産性向上に注力し、収益力の維持・向上を図るとともに、環境対応製品の開発や海外事業の拡大にも取り組んでいく方針のようです。
三菱製鋼株式会社の決算日や配当についてまとめました。
三菱製鋼の決算は3月期で、第3四半期決算は2024年2月9日に公表されました。当期の年間配当は1株当たり65円と、前期から5円増配となっています。同社は収益力の維持・向上を目指すとともに、環境対応製品の開発や海外事業の拡大にも注力していく方針です。