株式会社サンユウの決算報告書が公開されました。同社は、みがき棒鋼や冷間圧造用鋼線などの製造・販売を手掛ける企業です。今回の決算では、売上高が前年同期比3.1%増加し、経常利益は前年同期比35.9%減少と厳しい経営環境の中で苦戦を強いられました。しかしながら、企業努力によって収益性は維持でき、今後のさらなる業績向上に期待がかかります。
企業情報
企業名: 株式会社サンユウ
証券コード: 56970
決算期: 3月期
株式会社サンユウの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社サンユウの決算日は3月31日で、年に1回の決算となっています。四半期決算は、6月30日、9月30日、12月31日、3月31日の年4回行われています。
主な事業
株式会社サンユウは、みがき棒鋼と冷間圧造用鋼線の製造・販売を主な事業としています。自動車、建設機械、建築などの幅広い需要分野に製品を提供しており、国内有数のメーカーとして高い競争力を誇っています。同社は、これらの製品の製造技術や品質管理に強みを持ち、長年に渡り着実な事業成長を遂げてきました。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が前年同期比3.1%増加の18,283百万円となりました。一方、営業利益は前年同期比37.3%減少の574百万円、経常利益は前年同期比35.9%減少の627百万円と厳しい結果になりました。利益率は低下傾向にあるものの、収益性は維持できている状況です。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と当期純利益の推移を見ると、売上高は堅調に推移しているものの、利益面では2022年度に大きく落ち込んだことがわかります。これは、原材料価格高騰の影響を大きく受けたためと考えられます。しかし、直近では加工賃の値上げなどにより収益性の改善に取り組んでおり、今後の業績回復が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
直近の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は19,956百万円となっています。主な内訳は、現金及び預金が3,262百万円、売掛金が3,943百万円、商品及び製品が2,581百万円などとなっています。一方、負債合計は9,763百万円で、そのうち支払手形及び買掛金が6,118百万円となっています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が増加したほか、売掛金や商品及び製品が増加しています。これは、売上高の増加に伴う受取手形・売掛金の増加や在庫の積み増しによるものと考えられます。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が増加しています。これは、原材料価格高騰に伴う仕入債務の増加によるものです。一方で、長期借入金が減少しており、財務体質の改善が進んでいます。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が増加しています。これにより、自己資本比率は47.2%と高水準を維持しており、財務基盤は健全といえます。
ROAとROE
ROA(総資産経常利益率)は3.1%、ROE(自己資本利益率)は3.8%となっています。この水準は前年同期と比べてやや低下しているものの、依然として一定の収益性を維持できています。ただし、今後は原材料価格高騰の影響を吸収し、収益性の改善に努める必要があるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが597百万円の収入となっています。これは主に、税金等調整前四半期純利益の計上に加え、仕入債務の増加によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは107百万円の支出となり、財務活動によるキャッシュ・フローは168百万円の収入となりました。全体として643百万円の現金及び現金同等物の増加となっています。
配当の支払額
株式会社サンユウは、年2回の配当を実施しています。第2四半期末と期末の年2回、1株当たり32円の配当を行っています。直近の配当性向は50%前後で推移しており、財務体質の健全性と株主還元のバランスを取りながら、着実に利益を株主の皆様に還元しています。
今後の展望
株式会社サンユウは、原材料価格高騰や為替変動の影響をコストダウンや製品価格の見直しなどで吸収し、収益性の改善に努めていく方針です。また、自動車やインフラ分野での需要の回復に期待しつつ、新規用途の開拓にも取り組む予定です。さらに、生産設備の増強や生産性向上によって、中長期的な事業拡大を目指しています。
編集部のまとめ
株式会社サンユウの決算は、厳しい経営環境の中でも一定の収益性を維持できたと評価できます。原材料価格高騰の影響を受けながらも、加工賃の見直しや生産性向上などの経営努力により、収益力の確保に取り組んでいることが確認できました。今後も自動車関連を中心とした需要回復と、さらなる収益力強化に期待が高まります。
株式会社サンユウの決算日や配当についてまとめました。
株式会社サンユウの決算日は3月31日で、年1回の本決算を行っています。また、1株当たり年32円の配当を実施しています。安定的な株主還元を行いつつ、収益性の改善にも注力しており、同社の業績動向に注目が集まります。