三井金属鉱業株式会社の第3四半期連結決算が発表されました。中国などの経済減速が影響しているものの、企業の収益は健闘しており、株主還元の強化にも期待が寄せられています。非鉄金属やモビリティ事業を中心に着実な業績を残しており、今後の更なる成長が注目されます。
企業情報
企業名: 三井金属鉱業株式会社
証券コード: 57060
決算期: 3月期
三井金属鉱業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
三井金属鉱業株式会社の決算期は3月期で、第3四半期決算は2023年12月31日までの決算となります。通期決算は2024年3月31日が決算日となっています。
主な事業
三井金属鉱業は非鉄金属、機能性材料、モビリティの3つが主力事業です。非鉄金属事業では亜鉛・銅など金属製品を中心に、機能性材料事業では電子部品用の銅箔や機能性粉体を手がけています。モビリティ事業では排ガス浄化触媒や自動車用部品などを製造しています。これらの事業を通して幅広い産業分野に製品を提供しています。
今期の業績と利益率は?
第3四半期連結累計期間の売上高は4,765億円と前年同期比4.4%の減収となりました。一方、経常利益は269億円と10.6%の増益となっています。受取配当金の増加などにより経常増益を確保しています。収益性については、売上高に対する経常利益率は5.7%と良好な水準を維持しています。
売上・利益の推移
三井金属鉱業は過去3年の売上高と経常利益の推移をみると、コロナ禍で一時落ち込んだものの、着実に回復基調にあります。2023年3月期では、売上高6,520億円、経常利益271億円と大幅な改善が見られました。金属や機能性材料の需要回復を背景に、堅調な業績を維持しています。
四半期連結貸借対照表について
三井金属鉱業の2023年12月末の総資産は6,270億円と前期末比48億円減少しています。資産の部では、現金及び預金が63億円増加した一方、棚卸資産が59億円減少しています。負債の部では、有利子負債が140億円減少し、自己資本比率は41.9%と前期末より1.8ポイント上昇しています。財務体質の改善が進んでいます。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が63億円増加した一方、棚卸資産が59億円減少しています。また、設備投資に伴い、有形固定資産が57億円増加しています。
負債の部
負債の部では、長短借入金やコマーシャル・ペーパーが140億円減少し、負債総額は前期末比148億円減少の3,556億円となりました。エクイティ比率の改善が進んでいます。
純資産の部
純資産の部では、親会社株主に帰属する四半期純利益151億円の計上や為替換算調整勘定の増加などにより、前期末比99億円増加の2,713億円となりました。自己資本比率も41.9%と高い水準を維持しています。
ROAとROE
三井金属鉱業のROA(総資産利益率)は前年同期比で1.8ポイント上昇の4.1%となっています。また、ROE(自己資本利益率)は前年同期比で1.3ポイント低下の5.8%となっています。これは主に利益の増加とともに自己資本の増加により、収益性は改善しつつ効率性は低下したためです。今後さらに収益力を高めるべく、効率的な事業運営に努めていく必要があります。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・インフローが254億円、投資活動によるキャッシュ・アウトフローが126億円となっています。前年同期と比較して、営業キャッシュ・フローが改善しており、財務体質が強化されつつあります。一方で、設備投資等の支出が増加しているため、今後の設備投資の動向が注目されます。
配当の支払額
三井金属鉱業の第3四半期にかけては、期初に年間配当金140円を実施しました。さらに、第2四半期には中間配当70円を支払っており、株主還元の充実化を図っています。今後の業績動向に応じて、さらなる配当増額も期待されます。
今後の展望
三井金属鉱業は、中期経営計画「22中計」の2年目を迎えており、パーパスを基軸とした企業ビジョンの実現に向けて、各事業で「経済的価値」と「社会的価値」の両立を目指しています。電子部品や自動車向けの需要は不透明ですが、新素材開発や省エネ関連製品の拡充など、成長分野への注力に期待が持てます。今後も持続的な企業価値の向上に取り組んでいくことが期待されます。
編集部のまとめ
三井金属鉱業は、非鉄金属やモビリティ関連製品を中心に、着実な業績を残しています。第3四半期決算では、経常利益が前年同期比10.6%増と好調でした。また、財務体質の改善も進み、株主還元の充実化にも力を入れています。今後も注目すべき企業といえるでしょう。
三井金属鉱業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
三井金属鉱業の決算日は3月31日で、第3四半期決算は12月31日までとなります。また、同社は年間配当金140円、うち中間配当が70円と、株主還元に積極的に取り組んでいます。今後の業績拡大に期待が寄せられます。