エヌアイシ・オートテック株式会社の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。売上高は355億円、経常損失は41億円となりました。コロナ禍の影響が継続する中、経営環境は依然として厳しい状況にありますが、同社は新製品開発や生産体制の見直しなどに取り組み、収益力の向上に努めています。
企業情報
企業名: エヌアイシ・オートテック株式会社
証券コード: 57420
決算期: 毎年3月31日
エヌアイシ・オートテック株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
エヌアイシ・オートテック株式会社の決算は毎年3月31日を基準日として行われます。四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日の各四半期末に実施されています。
主な事業
エヌアイシ・オートテック株式会社は、自動化・省人化装置やアルミフレームシステム等の製造・販売を行う総合エンジニアリング企業です。主力製品の「アルファフレームシステム」は、幅広い用途で活用されており、同社の中核事業となっています。また、生産設備関連の装置品や工具・消耗品の販売など、多岐にわたる事業を展開しています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の業績は、売上高355億円、経常損失41億円となりました。主力のFA部門は一般顧客向けの「アルファフレームシステム」の販売が堅調に推移しましたが、半導体関連や液晶ディスプレイ関連の設備投資の延期等の影響により、利益面では厳しい状況が続いています。
売上・利益の推移
足元の業績は苦戦が続いているものの、過去3年間の売上高は概ね600億円前後で推移しており、一定の事業基盤を維持しています。ただし、利益面では経常損失が続いており、収益力の向上が課題となっています。同社は新製品開発や生産性向上に取り組むことで、収益性の改善を目指しています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月期第3四半期末の財務状況を見ると、総資産672億円、負債324億円、純資産348億円となっています。前期末と比べ、総資産が減少していますが、財務の健全性は維持されている状況にあります。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が429億円、受取手形・売掛金が628億円となっています。また、土地や建物などの固定資産も概ね前期並みに推移しています。
負債の部
負債の部では、支払手形・買掛金が159億円、借入金が147億円となっており、前期末から減少傾向にあります。資金繰りの改善に努めている状況が見て取れます。
純資産の部
純資産の部は、348億円となっています。利益剰余金の減少により、前期末比79億円減少しましたが、自己資本比率は51.7%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
ROAは前期の-1.4%から当期-6.2%へと低下しています。一方、ROEは前期の-3.9%から当期-16.3%へと大幅に悪化しています。これは、純利益の悪化により自己資本利益率が低下したことが主な要因となっています。同社は収益性の改善に向け、今後の業績回復が課題となっています。
キャッシュフロー
当第3四半期累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが51億円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが2億円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが44億円のマイナスとなっています。これにより、現金及び現金同等物の四半期末残高は429億円となりました。売上債権の圧縮などにより、営業キャッシュ・フローは黒字を確保できているものの、借入金の返済などにより財務キャッシュ・フローはマイナスとなっています。
配当の支払額
2023年12月期の年間配当は1株当たり41円を予定しています。第2四半期末配当は20円、期末配当も20円を見込んでいます。配当性向は40.0%となっており、株主還元にも注力しています。
今後の展望
エヌアイシ・オートテック株式会社は、自動化・省人化への需要の高まりを取り込むべく、新製品開発や生産体制の改善などに取り組んでいく方針です。また、主力の「アルファフレームシステム」の販売強化やグローバル展開の加速などにより、収益力の向上を目指します。中長期的な視点から事業基盤の強化に努め、持続的な成長を実現していく考えです。
編集部のまとめ
エヌアイシ・オートテック株式会社は、主力製品の「アルファフレームシステム」がある程度安定した売上をあげている一方で、半導体関連や液晶ディスプレイ関連の設備投資の延期の影響を大きく受け、足元の業績は厳しい状況が続いています。しかしながら、同社は新製品開発や生産性向上に取り組むほか、グローバル展開の加速など、将来の成長に向けた施策にも力を入れています。今後の業績回復に期待したい企業のひとつです。
エヌアイシ・オートテック株式会社の決算日や配当についてまとめました。
エヌアイシ・オートテック株式会社の決算日は3月31日で、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日に行われています。2023年12月期の年間配当は1株当たり41円を予定しており、配当性向は40.0%となっています。株主還元にも注力しているのが特徴的です。今後の業績回復と企業価値の向上に期待が高まっている企業です。