住友電気工業株式会社の四半期決算報告書を見ると、同社が順調に業績を伸ばしていることがわかります。売上高が前年同期比10.6%増、営業利益は56.4%も増益と、堅調な成長を遂げています。環境エネルギー関連事業やワイヤーハーネスなどの自動車関連事業が好調で、高付加価値製品の販売拡大で収益力も高まっています。今後は、グローバルな生産体制の強化や新製品開発に注力し、さらなる事業拡大が期待されます。
企業情報
企業名: 住友電気工業株式会社
証券コード: 5801
決算期: 3月期
住友電気工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
住友電気工業株式会社の決算は3月期で、毎年3月31日を基準日としています。四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日の各四半期末日が基準日となっています。
主な事業
住友電気工業株式会社は、環境エネルギー関連事業、情報通信関連事業、自動車関連事業、エレクトロニクス関連事業、産業素材関連事業の5つのセグメントで事業を展開しています。主力製品として、電力ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ワイヤーハーネス、電子ワイヤー、超硬工具などを製造・販売しています。グローバルに展開する総合電機メーカーとして、幅広い分野で事業を展開しています。
今期の業績と利益率は?
当四半期の業績は売上高3,221,926百万円、営業利益148,332百万円と前年同期を大きく上回りました。利益率も営業利益率4.6%と高水準を維持しています。自動車関連事業の好調や、電動車向け製品の需要増加が大きく貢献しました。環境エネルギー関連事業やエレクトロニクス関連事業でも収益を確保できました。
売上・利益の推移
過去3年の推移をみると、売上高は2022年3月期から2023年12月期までの3年間で約1兆円増加しており、急激な成長を遂げています。営業利益も2022年3月期の94,825百万円から、当四半期には148,332百万円と大幅な増益となっています。主力のワイヤーハーネスや電力ケーブル、光デバイス関連製品の売上拡大が業績拡大の原動力となっています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月31日時点の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は4兆2,210億円と前期末から2,080億円増加しました。資産の部では、投資有価証券や棚卸資産が増加しています。一方、負債の部では借入金が減少しましたが、社債や買掛金が増加しており、総負債は7,740億円増加しています。純資産は2兆2,440億円と前期末から1,330億円増加しました。自己資本比率は48.1%と高い水準を維持しています。
資産の部
現金及び預金が305,885百万円と前期末から26,453百万円増加しています。また、保有株式の時価上昇に伴い投資有価証券が大幅に増加しました。さらに、円安の影響もあり、棚卸資産や有形固定資産も増加しています。
負債の部
借入金が減少した一方、社債が90,019百万円増加しました。また、仕入先への支払いも増加したため、支払手形及び買掛金が37,000百万円増加しています。
純資産の部
親会社株主に帰属する四半期純利益の計上に加え、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定の増加により、純資産は2兆2,440億円と前期末から1,330億円増加しています。自己資本比率も48.1%と高い水準を維持しています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は2.1%、ROE(自己資本利益率)は4.1%となっています。ROEは前年同期の3.4%から上昇しており、自己資本の効率的な活用が進んでいます。一方、ROAは横ばいで推移しています。今後は、資産の有効活用とコスト削減によるさらなる収益力向上に努める必要があります。
キャッシュフロー
当四半期累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが2,888億円の収入となりました。一方で、設備投資による支出や配当金の支払いなどで1,800億円の支出もありました。現金及び現金同等物は前期末から265億円増加し3,059億円となっています。財務体質の健全性が維持されていると評価できます。
配当の支払額
当社は年2回の配当を実施しており、中間配当は1株当たり25円、期末配当は未定ですが、前期の年間配当は50円でした。配当性向は34.5%と、安定的な配当を行っています。今後も業績に応じた適切な配当を実施していく方針です。
今後の展望
世界経済の減速懸念や物価上昇、地政学リスクなど不透明な事業環境が続くと予想されますが、当社は「グリーンな地球と安心・快適な暮らし」の実現に向けて、各事業での成長戦略を強力に推進していきます。具体的には、電力ケーブルや電動車向け製品の拡販、光デバイスなどの通信機器の高付加価値化、ワイヤーハーネスの生産性向上などに注力します。また、資本効率も重視し、ROICの改善に向けた取り組みを強化していく方針です。これらの施策を通じて、企業価値のさらなる向上を目指していきます。
編集部のまとめ
住友電気工業株式会社の今回の四半期決算は、増収増益で大変良好な結果となりました。主力の自動車関連事業やエネルギー・通信関連事業が好調に推移し、収益力が向上しています。また、財務体質も安定しており、株主還元もしっかりと行っています。今後は、新製品開発やグローバル事業の強化など、さらなる成長に向けた施策に期待が高まります。今後の業績推移にも注目していきたいと思います。
住友電気工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
住友電気工業株式会社の決算期は3月期で、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日の各四半期末日が基準日となっています。また、年間の配当は1株当たり50円前後で安定的に実施しており、中間配当は25円となっています。今後も業績に応じた適切な配当を行っていく方針です。