株式会社フジクラの2023年12月期第3四半期決算報告書がリリースされました。光ファイバーや自動車部品、エネルギー関連製品など多岐にわたる事業を手がける同社の、売上高やキャッシュフロー、株主還元などについて詳しくお伝えします。
企業情報
企業名: 株式会社フジクラ
証券コード: 58030
決算期: 2023年12月期
株式会社フジクラの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社フジクラの決算期は3月31日が期末日となっています。そのため、第3四半期の決算報告はこの12月31日時点の決算になります。
同社は四半期ごとに決算報告を行っており、今回のリリースは第3四半期会計期間(2023年10月1日~12月31日)の決算情報です。
主な事業
株式会社フジクラは光ファイバー通信ケーブルやエネルギー関連ケーブル、自動車部品など多岐にわたる製品を手がける企業です。
主要事業セグメントは「情報通信事業部門」「エレクトロニクス事業部門」「自動車事業部門」「エネルギー事業部門」「不動産事業部門」の5つに区分されています。
特にICTインフラ関連製品や自動車電装品、電力ケーブルなどが同社の主力製品となっています。
今期の業績と利益率は?
今期第3四半期の売上高は5,990億円で、前年同期比2.3%の減少となりました。一方、営業利益は514億円、経常利益は515億円と、前年同期比ではそれぞれ9.0%、7.8%の減少でした。
親会社株主に帰属する四半期純利益は358億円となり、前年同期比で23.0%の減少となっています。
売上・利益の推移
同社の直近の売上高と利益の推移をみると、売上高は前期(2023年3月期)は8,065億円と過去最高を更新しました。
一方、営業利益は前期679億円、経常利益も679億円と高水準を維持しているものの、今期第3四半期は減少に転じています。
これは主に、サプライチェーンの問題や経済の減速の影響を受けた結果だと考えられます。
四半期連結貸借対照表について
同社の直近の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は6,903億円で、前期末比で335億円の増加となっています。
流動資産は4,470億円と増加した一方で、固定資産は2,433億円と微減しました。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が1,292億円と大幅に増加しているほか、棚卸資産が1,410億円と前期末比で増加しています。これは主に、為替の影響や事業の拡大に伴う増加と考えられます。
負債の部
一方、負債の部では、有利子負債が1,730億円と前期末比で減少しています。これにより、負債合計は3,547億円と前期末比で77億円の減少となりました。
純資産の部
純資産は3,355億円と前期末比で411億円増加しています。
これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上と為替変動による為替換算調整勘定の増加によるものです。
自己資本比率は45.0%と前期末から3.8ポイント上昇しており、財務体質の改善がうかがえます。
ROAとROE
直近の業績をみると、ROA(総資産利益率)は7.5%、ROE(自己資本利益率)は13.1%となっています。
前期と比べると、ROAは0.8ポイント、ROEは2.1ポイント低下しましたが、いずれも高水準を維持しています。
これは、経済減速の影響を受けつつも、同社の収益性の高い事業が堅調に推移しているためと評価できます。
キャッシュフロー
営業キャッシュフローは717億円の収入となり、前年同期比では57億円の減少となりました。
一方、投資キャッシュフローは488億円の支出と、設備投資などに資金を投下しています。
結果として、フリーキャッシュフローは229億円の収入となり、堅調な資金確保ができています。
配当の支払額
同社は株主還元として、配当を行っています。
第3四半期末の配当は、1株当たり22.50円が支払われる見通しです。
前期通期では、1株当たり30円の配当を実施しており、安定した株主還元を行っています。
今後の展望
同社は既存事業の収益力強化に加え、新興国での事業拡大や次世代通信規格への対応など、中長期的な成長に向けた取り組みを推進しています。
通信インフラ需要の拡大やクリーンエネルギー関連市場の成長など、同社の強みが活かせる分野への投資を進めることで、さらなる業績拡大が期待されます。
編集部のまとめ
株式会社フジクラは、光ファイバーや自動車、エネルギーなど多岐にわたる分野で事業を展開しており、中長期的な成長が期待できる企業と評価できます。
今期第3四半期の決算では、経済減速の影響を受けたものの、事業ポートフォリオの強みを生かし、引き続き高水準の収益性を維持しています。
今後も、成長市場への投資を進め、企業価値の向上につなげていくことが重要になってくると考えられます。
株式会社フジクラの決算日や配当についてまとめました。
株式会社フジクラの決算期は3月31日が期末日となっており、四半期ごとに決算を行っています。
直近の第3四半期の決算では、1株当たり配当が22.50円と、前期通期の1株当たり30円からやや減少したものの、安定した株主還元を行っています。
今後も同社の事業展開や財務体質の改善に注目していく必要があるでしょう。