カナレ電気株式会社の2024年第1四半期決算が公表されましたね。全体的にみると、売上高が前年同期比2.1%増加するなど、順調な業績を残しています。国内市場では放送関連を中心に需要が見られ、海外市場でも円安の影響で売上増加に繋がりました。一方で、利益面では人件費の増加により前年同期比で減益となっています。ただし、経常利益や四半期純利益も健闘しており、中期的には堅調な業績を維持しているといえます。
企業情報
企業名: カナレ電気株式会社
証券コード: 58190
決算期: 12月
カナレ電気株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
カナレ電気株式会社の決算日は12月末日で、四半期決算は3月末日、6月末日、9月末日、12月末日に行われます。次回の本決算は2024年2月に発表される予定となっています。
主な事業
カナレ電気株式会社は、ケーブル、ハーネス、パッシブ、コネクタ、電子機器などの製造販売を主な事業としています。放送映像や電気設備工事、ITネットワーク向けの製品を国内外に提供しており、特に日本市場での高い市場シェアが特徴です。今後はITネットワーク関連製品の成長に注目が集まっています。
今期の業績と利益率は?
2024年第1四半期は売上高が3,172百万円と前年同期比2.1%増加しました。一方、営業利益は394百万円と前年同期比17.5%減少しています。人件費の増加などにより利益率が低下したものの、全体としては比較的堅調な業績となっています。
売上・利益の推移
過去3年の売上高推移をみると、2023年12月期が12,872百万円、2022年12月期が12,495百万円、2021年12月期が12,078百万円と、着実に増加してきました。利益面でも、経常利益は2023年12月期が411百万円、2022年12月期が486百万円、2021年12月期が510百万円と、ほぼ横ばいで推移しています。
四半期連結貸借対照表について
2024年3月末の総資産は19,234百万円となり、前期末比325百万円の増加となりました。主な要因は現金及び預金の増加です。負債合計は1,900百万円で、前期末比12百万円の増加となりました。買掛金や賞与引当金の増加が主な要因です。純資産合計は17,334百万円と前期末比313百万円の増加となり、自己資本比率は90.1%と高い水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が10,605百万円と前期末比334百万円増加しました。一方で、商品及び製品は3,023百万円と増加しています。
負債の部
負債の部では、買掛金が711百万円と前期末比106百万円増加しました。また、賞与引当金が177百万円と増加しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が14,259百万円と前期末比77百万円増加しました。自己株式は273百万円で変動ありません。為替換算調整勘定が188百万円増加するなど、資本効率の改善も進んでいます。
ROAとROE
2023年12月期のROAは2.2%、ROEは3.4%となっています。これらは業界水準と比べても高い水準を維持しており、収益性と資本効率性が良好だと評価できます。今後も売上高や利益の着実な増加が期待されることから、ROA、ROEともに中長期的に高水準を保つことができると予想されます。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが430百万円のプラスとなりました。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは63百万円のマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払いなどで106百万円のマイナスとなっています。全体としてキャッシュ・ポジションが改善した四半期となっています。
配当の支払額
2024年3月期の1株当たり配当金は39円と、前年同期の20円から大幅に増額されています。配当性向も77.4%となっており、株主還元を重視した経営方針が窺えます。今後も安定配当の継続が期待されます。
今後の展望
カナレ電気株式会社は、放送映像関連や電気設備工事向け製品の需要が堅調に推移することに加え、ITネットワーク関連製品の販売拡大が期待されています。また、海外市場においても中長期的な成長が見込めるとしています。一方で、原材料価格高騰や為替変動などのリスクにも注意が必要です。
編集部のまとめ
カナレ電気株式会社の2024年第1四半期決算は、全体的に順調な業績となりました。売上高は前年同期比で増加し、利益面でも健闘しています。安定した収益基盤を背景に、今後も持続的な成長が期待できそうです。株主還元面でも積極的な姿勢がうかがえ、投資家にとっても魅力的な企業と言えるでしょう。ただし、インフレや為替変動などのリスクにも注意が必要です。
カナレ電気株式会社の決算日や配当についてまとめました。
カナレ電気株式会社の決算日は毎年12月末日で、四半期決算は3月末、6月末、9月末、12月末に行われます。2024年3月期の1株当たり配当金は39円と大幅に増額され、配当性向も77.4%と高水準となっています。今後も安定配当の継続が期待されます。