楽天銀行は今期も大幅な増収増益を達成しました。口座数は1,475万口座に達し、単体預金残高も10兆円を超えるなど、順調に成長を続けています。
また、楽天証券との連携サービス”マネーブリッジ”の拡大や、公金の口座振替受付の開始など、決済サービスの強化にも力を入れています。
今後も顧客基盤の拡大と非金利収益の増加を目指し、さらなる成長が期待されます。
企業情報
企業名: 楽天銀行株式会社
証券コード: E03621
決算期: 2023年3月期
楽天銀行株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
楽天銀行株式会社の決算期は3月31日までの1年間となっています。
四半期決算の発表は、第1四半期決算が8月、第2四半期決算が11月、第3四半期決算が2月、本決算が5月となっています。
主な事業
楽天銀行は、オンラインを中心とした金融サービスの提供を主な事業としています。
預金・貸出、為替、クレジットカード決済などの基本的な銀行業務のほか、投資信託の取扱いや住宅ローンの提供など、幅広い金融サービスを展開しています。
また、最近では公金の口座振替の受付開始など、決済サービスの強化にも注力しています。
今期の業績と利益率は?
当期は経常収益101,076百万円、経常利益35,236百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益25,077百万円と、前年同期から大幅な増収増益となりました。
経常利益率は34.9%と高い水準を維持しており、収益性の高い事業モデルを構築できていると評価できます。
売上・利益の推移
過去3年間の業績推移を見ると、経常収益は218,986百万円から101,076百万円と大幅に増加しています。
また、経常利益は27,692百万円から35,236百万円と増益基調を維持しています。
顧客基盤の拡大と非金利収益の増加により、着実に収益力を高めてきたと言えます。
四半期連結貸借対照表について
楽天銀行の直近の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は13兆1,730億円に達しています。
この内訳としては、有価証券が9,671億円、貸出金が3兆9,678億円、現金預け金が4兆5,631億円となっています。
資産の部
資産の部では、有価証券と貸出金が大きな割合を占めています。
有価証券は国債や事業債等の購入により、前期末比で1,867億円増加しました。
また、貸出金は投資用マンションローンや提携ローンの増加などにより、1,872億円の増加となりました。
負債の部
負債の部では、預金が全体の約79%を占めています。
前期末比で1兆848億円増加し、10兆2,047億円となりました。
このうち、普通預金が9兆2,132億円と最も大きな割合を占めています。
純資産の部
純資産の部では、資本金が326億円、資本剰余金が105億円となっています。
また、利益剰余金は2,117億円と、着実に積み上がっています。
全体の純資産は2,707億円と、健全な財務基盤を維持しています。
ROAとROE
楽天銀行のROAは1.9%、ROEは9.3%となっています。
ROAは前年同期比0.2ポイント上昇、ROEは同0.6ポイント上昇しており、収益力と資本効率の両面で改善が進んでいます。
預金残高の増加と貸出金の堅調な伸びを背景に、資産効率と自己資本効率が高まっていると評価できます。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加などにより4兆5,362億円のプラスとなりました。
一方で、有価証券の取得などにより投資活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなっています。
このように、預金の積み上げが順調に進んでおり、健全な財務基盤を維持できていると言えます。
配当の支払額
楽天銀行は当期配当を行っていません。
成長投資に経営資源を集中させるため、内部留保の確保を優先しているものと考えられます。
今後の株主還元については、業績の動向を見ながら検討されるものと期待されます。
今後の展望
楽天銀行は、口座数の拡大と非金利収益の増加に取り組み、順調に成長を続けています。
また、決済サービスの強化にも力を入れており、公金の口座振替の受付開始など、新たな顧客層の開拓にも期待できます。
さらに、台湾子会社の業績も好調に推移しているなど、海外展開にも注力しています。
今後も魅力的なサービスの提供と顧客基盤の拡大により、高収益を維持していくことが期待されます。
編集部のまとめ
楽天銀行は、オンラインを中心とした金融サービスの提供を強みに、着実に業績を伸ばし続けています。
特に、顧客数の拡大と預金残高の増加が収益の拡大につながっている点が注目されます。
また、決済サービスの強化やグローバル展開にも力を入れており、今後の成長が期待できる企業といえるでしょう。
楽天銀行株式会社の決算日や配当についてまとめました。
楽天銀行の決算期は3月31日で、四半期決算は8月、11月、2月、5月に発表されています。
当期は増収増益となり、ROAやROEも改善しています。一方で、配当は行っておらず、内部留保の確保に注力しています。
今後も顧客基盤の拡大と非金利収益の増加を目指し、成長投資に経営資源を集中させる方針のようです。