株式会社アーレスティの2023年12月期第3四半期決算報告が発表されました。自動車業界を中心としたこの企業は、市況回復や電動車需要の高まりを背景に順調な業績を上げています。今回の決算では、連結売上高が前年同期比で増加し、営業利益・経常利益・四半期純利益の各利益指標も黒字化に転じたのが特徴的です。
企業情報
企業名: 株式会社アーレスティ
証券コード: 58520
決算期: 2024年3月期
株式会社アーレスティの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社アーレスティの決算期は3月期で、今回発表したのは2023年3月期第3四半期(2023年4月1日~12月31日)の決算となります。毎年5月頃に通期の決算を、2月頃に第3四半期の決算を発表しています。
主な事業
株式会社アーレスティは、自動車用アルミダイカスト部品を中心とした事業を展開しています。日本、北米、アジアの3地域でダイカスト事業を展開するほか、アルミニウム事業や完成品事業も手掛けています。自動車の軽量化やCO2削減に貢献する製品づくりが同社の強みです。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の連結業績は、売上高1,188億円(前年同期比+13.8%)、営業利益16億円(前年同期は4億円の損失)、経常利益18億円(前年同期は1億円の損失)と、増収増益で着実に改善が進んでいます。営業利益率は1.4%と高くはありませんが、自動車生産の回復基調を受けて着実に収支が改善傾向にあります。
売上・利益の推移
同社は過去2年ほど、自動車業界の生産調整の影響を大きく受けてきましたが、2023年第3四半期は売上高、営業利益、経常利益ともに増加に転じたと報告しています。特に北米地域の売上高が大きく伸びた一方、中国市場での競争激化により、アジア地域の収益は減少しています。今後の持続的な成長には、電動車分野での事業拡大が課題となっています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末の四半期連結貸借対照表では、総資産が1,422億円となり、前期末比で52億円増加しました。これは主に、売上債権の増加や有形固定資産の増加によるものです。一方負債は807億円と、前期末比で3億円の増加にとどまっています。
資産の部
資産の部では、流動資産が623億円、固定資産が799億円と、前期末から着実に積み上がってきています。特に有形固定資産が731億円と、事業拡大に向けた投資が進んでいることがわかります。
負債の部
負債の部では、流動負債が589億円、固定負債が218億円となっています。有利子負債も前期末から減少傾向にあり、財務体質の改善が進んでいます。
純資産の部
純資産は614億円で、前期末から48億円増加しました。自己資本比率は43.1%と健全な水準を維持しています。利益剰余金の積み上がりや為替換算調整勘定の改善により、財務基盤が強化されています。
ROAとROE
同社のROA(総資産利益率)は1.2%、ROE(自己資本利益率)は4.5%となっています。前期から大幅に改善してきており、今後はさらに収益性を高めていく必要がありますが、事業基盤の回復が進んでいることがうかがえます。
キャッシュフロー
同社の業績改善に伴い、営業キャッシュフローも増加傾向にあります。一方で、積極的な設備投資により投資キャッシュフローはマイナスとなっています。今後は営業活動によるキャッシュの創出力を高め、財務的な安定性とともに再投資余力を高めていくことが重要となります。
配当の支払額
同社は、2023年12月期第2四半期までに1株当たり5円、第3四半期には10円の配当を実施しており、年間の配当性向は35%程度を見込んでいます。今後も株主還元の強化を進めていく方針です。
今後の展望
同社は、2030年を目標年度とする長期経営計画「10年ビジネスプラン」を推進しており、「低コストで生産性の高いものづくりの確立」「生産時のCO2排出量の削減」「電動車向け部品中心の事業ポートフォリオへの転換」を戦略の柱としています。自動車の電動化加速に合わせ、需要変化への対応力強化に取り組んでいます。
編集部のまとめ
株式会社アーレスティは、自動車業界の回復基調を受け、業績が順調に改善してきています。特に北米地域の好調な受注に支えられ、連結売上高、利益ともに大幅に伸長しました。一方で、中国市場での競争激化に伴う収益悪化が課題となっており、今後の電動車事業への展開が重要になってきます。同社の持続的成長には、コスト競争力の向上と新市場開拓が鍵を握るでしょう。
株式会社アーレスティの決算日や配当についてまとめました。
株式会社アーレスティの決算期は3月期で、毎年5月頃に通期決算、2月頃に第3四半期決算を発表しています。1株当たり年間配当は10円前後と、株主還元にも力を入れています。自動車業界の市況回復に伴い、同社の収益性は改善傾向にあり、今後の業績推移に注目が集まります。