日本製罐株式会社の2023年12月期第3四半期の決算報告が発表されました。売上高は前年同期比13.7%増の9,211百万円、経常利益は111.1%増の313百万円と大きな増収増益となりました。主力の18L缶の出荷数は若干落ち込んだものの、原料価格の上昇を価格に転嫁できたことで増収に貢献しています。また、美術缶の出荷も好調でした。今後も持続可能な社会構築に向けて、鉄鋼メーカーと連携しながら金属缶の優位性をアピールしていく方針です。
企業情報
企業名: 日本製罐株式会社
証券コード: E01408
決算期: 3月期
日本製罐株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本製罐株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期の決算は12月31日となります。決算発表スケジュールは、第1四半期(6月末)、第2四半期(9月末)、第3四半期(12月末)、本決算(6月末)となっています。
主な事業
日本製罐株式会社は、主に金属缶の製造・販売を行う企業です。18L缶やアートな意匠の美術缶などを製造しており、飲料メーカーやお酒メーカー向けが主要な顧客となっています。また、不動産賃貸事業にも取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
第3四半期の業績は、売上高が前年同期比13.7%増の9,211百万円、営業利益が153.6%増の262百万円となりました。経常利益は111.1%増の313百万円と大幅な増益基調となっています。主力の18L缶は若干の落ち込みがありましたが、原材料価格の上昇分を適切に転嫁できたことが利益率改善につながりました。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高は、2022年3月期が10,920百万円、2023年3月期第3四半期が8,103百万円、2024年3月期第3四半期が9,211百万円と増加傾向にあります。一方、経常利益は2022年3月期が268百万円、2023年3月期第3四半期が148百万円、2024年3月期第3四半期が313百万円と大きく増えています。主力製品の販売数量増加と価格転嫁によって業績が改善してきました。
四半期連結貸借対照表について
直近の2023年12月末の連結貸借対照表を見ると、総資産は15,061百万円となり、前期末比1,116百万円増加しています。主な要因は、電子記録債権の増加によるものです。一方、負債合計は8,923百万円で前期末比995百万円増加しており、支払手形及び買掛金の増加が主因です。純資産は6,138百万円となり、自己資本比率は34.4%となっています。
資産の部
資産の部では、流動資産が1,189百万円増加し、7,688百万円となりました。固定資産は72百万円減少し、7,373百万円です。流動資産の増加は主に電子記録債権の増加によるものです。
負債の部
負債の部では、流動負債が886百万円増加し、5,721百万円となりました。固定負債は108百万円増加し、3,202百万円です。流動負債の増加は主に支払手形及び買掛金の増加によるものです。
純資産の部
純資産合計は、6,138百万円となり、前期末比121百万円増加しました。これは主に利益剰余金の増加によるものです。自己資本比率は34.4%となっています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は、2022年3月期が1.9%、2023年3月期第3四半期が1.3%、2024年3月期第3四半期が2.0%と徐々に改善傾向にあります。ROE(自己資本利益率)も2022年3月期が4.8%、2023年3月期第3四半期が3.4%、2024年3月期第3四半期が4.0%と同様に改善してきました。売上高の増加と原価管理の効率化により収益性が高まってきていると言えるでしょう。
キャッシュフロー
直近の第3四半期のキャッシュフロー状況を見ると、営業活動によるキャッシュフローは増加しているものの、投資活動によるキャッシュフローは減少しています。これは主に設備投資の増加によるものです。一方、財務活動によるキャッシュフローは借入の増加により、プラスとなっています。全体としては手元流動性が高まってきていると評価できます。
配当の支払額
2023年3月期は1株当たり配当金が70円の水準でした。前期から20円の増配となっています。安定的な収益基盤の確立により、株主還元力も高まってきていると言えるでしょう。今後も着実な増配が期待できそうです。
今後の展望
日本製罐株式会社は、主力製品の18L缶について、価格転嫁を進めることで業績の回復に取り組んでいます。また、環境に優しい金属缶の特性を訴求し、持続可能な社会作りに貢献できるよう、鉄鋼メーカーとも連携して活動していく方針です。中長期的には、少子高齢化による需要減少が見込まれますが、美術缶などの高付加価値製品の開発で、収益基盤を強化していきたいと考えています。
編集部のまとめ
日本製罐株式会社の2023年12月期第3四半期の決算は、増収増益と好調な業績となりました。主力の18L缶の販売は若干落ち込んだものの、原料価格上昇の価格転嫁が功を奏しました。また、アーティスティックな美術缶の販売も好調でした。今後は環境問題にも配慮し、持続可能な事業活動に取り組んでいく方針です。株主還元も着実に行われており、投資家にとっても魅力的な企業と言えるでしょう。
日本製罐株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本製罐株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期決算は12月31日です。2023年3月期は1株当たり配当金が70円と前期から20円増配となりました。今後も安定的な収益基盤を背景に、株主還元の強化が期待されます。