日本フイルコン株式会社の決算報告を分析しました。同社は産業用機能フィルター・コンベアや電子部材・フォトマスク、環境・水処理関連事業などを手がける会社です。今期の業績は、売上高が前年同期比13.1%増の69億2,447万円、営業利益は同5.7%減の1億2,111万円と好調な売上を維持しつつ、一部事業での工事費高騰の影響を受けました。
企業情報
企業名: 日本フイルコン株式会社
証券コード: 59420
決算期: 11月期
日本フイルコン株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本フイルコン株式会社の決算日は11月30日です。12月に第1四半期決算、翌年2月に通期決算を発表しています。
主な事業
日本フイルコン株式会社は、産業用機能フィルター・コンベア事業、電子部材・フォトマスク事業、環境・水処理関連事業、不動産賃貸事業の4つの事業を手がけています。主力の産業用機能フィルター・コンベア事業では、紙製造用の網(ワイヤー)や各種工業用金網の製造・販売を行っています。電子部材・フォトマスク事業では、半導体やディスプレイ製造に使用される金属製品のエッチング加工やフォトマスクの製造・販売に注力しています。
今期の業績と利益率は?
今期の売上高は69億2,447万円と前年同期比13.1%の増収となりました。一方で、環境・水処理関連事業の大型案件での工事費高騰の影響もあり、営業利益は1億2,111万円と同5.7%減少しています。経常利益は2億2,913万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は9,592万円と減益となりました。
売上・利益の推移
売上高は前年同期比で13.1%増と好調に推移しています。一方で、利益面では環境・水処理関連事業での工事費高騰の影響を受け、営業利益は5.7%減、経常利益も3.3%減となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は54.7%減と大幅な減益となっています。
四半期連結貸借対照表について
日本フイルコン株式会社の2024年2月期第1四半期末の連結貸借対照表では、資産合計が427億4,126万円となっています。前期末に比べ81百万円減少しましたが、全体としては健全な財務状況を維持しています。
資産の部
流動資産は208億8,783万円で前期末比2.7%減、固定資産は218億5,342万円で0.9%増加しています。現金及び預金、商品及び製品が減少しましたが、建設仮勘定が増加したことなどが要因です。
負債の部
負債合計は199億900万円で前期末比1.2%増加しました。短期借入金は増加したものの、支払手形及び買掛金、未払法人税等が減少しています。
純資産の部
純資産合計は228億4,030万円で、自己資本比率は52.5%となっています。前期末比1.4%減少しましたが、健全な水準を維持しています。
ROAとROE
日本フイルコン株式会社のROA(総資産経常利益率)は前年同期の3.9%から2.9%へと低下しています。一方、ROE(自己資本利益率)は前年同期の4.8%から2.3%まで下がっています。これは、環境・水処理関連事業での工事費高騰の影響により利益率が低下したためです。今後の収益改善が望まれます。
キャッシュフロー
当第1四半期の四半期連結キャッシュフロー計算書の作成は行っていないため、詳細なキャッシュフローの状況は不明です。ただし、営業活動によるキャッシュフローの改善が課題となっているようです。
配当の支払額
日本フイルコン株式会社は、2024年2月の期末配当で1株当たり19円を支払いました。前年同期の10円から大幅に増額しています。自己資本比率も高水準を維持しており、安定配当の継続が期待できます。
今後の展望
日本フイルコン株式会社は、引き続き産業用機能フィルター・コンベア事業や電子部材・フォトマスク事業の強化に取り組むとともに、環境・水処理関連事業の収益改善に注力していく方針です。工事費高騰への対応が課題となっていますが、新製品開発やM&Aなど、事業ポートフォリオの最適化を図ることで、持続的な成長を目指しています。
編集部のまとめ
日本フイルコン株式会社の2024年2月期第1四半期決算は、売上高は好調に推移したものの、環境・水処理関連事業の工事費高騰の影響で利益面では減益となりました。財務状況は健全で、安定配当も維持しています。今後は収益性の改善に向けた取り組みが課題となりそうです。
日本フイルコン株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本フイルコン株式会社の決算日は11月30日で、12月に第1四半期、翌年2月に通期決算を発表しています。また、2024年2月の期末配当は1株当たり19円と前年同期の2倍となりました。安定配当の継続が期待できる企業です。