ダイニチ工業株式会社の最新四半期決算報告書を分析しましたので、その内容をご紹介します。
企業情報
企業名: ダイニチ工業株式会社
証券コード: 59510
決算期: 2023年12月31日
ダイニチ工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ダイニチ工業株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期決算(2023年12月31日)の内容が今回報告されました。
主な事業
ダイニチ工業は暖房機器や環境機器などの住環境機器の製造・販売を行っている企業です。主力商品の石油暖房機器やコーヒー豆焙煎機、加湿器などを展開しています。住宅市場に注力しており、国内トップシェアを誇る石油ファンヒーターなどの商品で高い評価を得ています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期累計期間の売上高は183億45百万円と前年同期比で6.4%減少しました。一方、営業利益は19億58百万円、経常利益は21億19百万円、四半期純利益は14億99百万円となり、いずれも前年同期比で減少しています。利益率も低下傾向にあります。
売上・利益の推移
ダイニチ工業の売上高は毎年10月〜12月期(第3四半期)にピークを迎える季節変動が大きい傾向にあります。今期は気温が高めに推移したため、暖房需要が減少し、売上は前年同期から減少しました。一方、利益面では原材料価格やエネルギー価格の上昇などにより、収益性が低下しています。
四半期連結貸借対照表について
ダイニチ工業は単独決算のため、四半期連結貸借対照表は作成されていません。以下は個別の四半期貸借対照表の内容となります。
資産の部
当第3四半期会計期間末の総資産は326億16百万円と、前事業年度末比で23億61百万円増加しました。主な増加要因は、受取手形及び売掛金の増加と電子記録債権の増加によるものです。一方で現金及び預金が43億27百万円減少しています。
負債の部
負債合計は51億18百万円と前事業年度末比9億59百万円増加しました。これは主に返金負債が12億4百万円増加したことによるものです。
純資産の部
純資産は274億97百万円と前事業年度末比14億1百万円増加しました。利益剰余金が11億43百万円増加したことが主な要因です。
ROAとROE
ダイニチ工業のROAは前年同期比で低下傾向にあり、ROEも低下しています。これは主に売上減少と収益性の悪化により利益率が低下していることが影響しています。ただし、財務体質は健全で自己資本比率は84.3%と高水準を維持しています。
キャッシュフロー
今期の営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期から減少しています。これは売上高の減少と仕入債務の減少によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資等により支出が増加しました。財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払いがありました。全体としてキャッシュ・ポジションは弱含みの推移となっています。
配当の支払額
ダイニチ工業は年間22円の配当を実施しています。第3四半期決算時点では6月末の年間配当の一部である6月分の配当11円が支払われています。利益水準に応じて安定的な配当を実施する方針です。
今後の展望
ダイニチ工業はコストアップに対応した販売価格の改定や生産体制の最適化などに取り組んでいます。一方で、先行きの不透明感から、市場環境の変化にも注意を払う必要があります。新商品の投入や販売促進活動の強化、海外市場への進出など、収益拡大につながる施策に期待が寄せられています。
編集部のまとめ
ダイニチ工業の第3四半期決算は、売上・利益ともに前年同期を下回る結果となりました。原材料高や物価上昇の影響で収益性が悪化している一方で、財務体質は健全を維持しています。今後は新商品力の強化や海外展開などで収益基盤の確立に取り組むことが課題といえます。
ダイニチ工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ダイニチ工業の決算日は3月31日で、第3四半期決算(2023年12月31日)の内容が今回報告されました。配当は年間22円で、第3四半期決算時点では前年度分の6月分の11円が支払われています。今後の動向にも注目が集まります。