株式会社トーアミの直近の決算報告を分析してみましょう。売上高は17%増加と堅調な推移をみせています。収益面でも営業利益が前年同期から大幅改善し、事業基盤の強化が進んでいることが分かります。このような好調な業績は、公共投資や民間設備投資の堅調な動きを背景に、新市場開拓やグループ連携強化の成果が表れてきた結果だと評価できましょう。今後も安定から成長へという方針のもと、さらなる発展が期待されます。
企業情報
企業名: 株式会社トーアミ
証券コード: E01441
決算期: 2024年3月期
株式会社トーアミの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社トーアミの決算日は3月31日で、年1回の決算を行っています。決算期は2024年3月期となり、本四半期報告書は第3四半期(10月-12月)の業績を報告しているものです。
主な事業
株式会社トーアミは、土木建築用資材事業と土木・建築工事事業を展開しています。主力の土木建築用資材事業では、建設現場で使用される棒線加工品やコンクリート二次製品用溶接金網、メッシュフェンス等の製造・販売を行っています。一方、土木・建築工事事業では、公共工事や民間設備投資に関する施工も手掛けており、グループ内の相互連携を強化することで収益基盤の強化を図っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は134億59百万円と前年同期比17%増加しました。利益面では、営業利益が2億54百万円と前年同期の営業損失から大幅に改善し、経常利益も2億65百万円となっています。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億79百万円と、前年同期の純損失から大幅な黒字転換を果たしています。このように、主力事業の好調な推移や収益性の改善により、厳しい事業環境の中でも利益水準を高めることができました。
売上・利益の推移
過去3年間の業績をみると、売上高は15,414百万円から13,459百万円と推移しており、建設業界の需要が足踏み状態にある中でも概ね横ばいを維持しています。一方で、営業利益は△95百万円から254百万円へ改善しており、コストコントロールの強化や事業連携による収益性の向上が見られます。先行きの不透明感はありますが、同社は中期経営計画を着実に実行し、収益力の向上に取り組んでいるものと評価できるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は189億45百万円となり、前期末から約5億86百万円増加しています。主な増加要因は、受取手形及び売掛金が5億5百万円、電子記録債権が4億77百万円増加したことなどによります。負債合計は80億45百万円で、前期末から4億67百万円の増加となりました。
資産の部
流動資産の合計は106億19百万円で、前期末から約49百万円増加しています。主な変動は、現金及び預金が5億26百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金、電子記録債権が増加したことによります。固定資産は83億26百万円で、前期末から5億37百万円の増加となっています。
負債の部
流動負債は58億43百万円で、前期末から約13億1百万円増加しています。主な要因は、支払手形及び買掛金が5億69百万円、短期借入金が4億円増加したためです。固定負債は22億1百万円で、前期末から約8億34百万円減少しています。
純資産の部
純資産合計は109億円で、前期末から約1億18百万円増加しました。自己資本比率は57.5%となっており、財務基盤は健全な水準を維持しています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前年同期の△0.4%から1.3%に改善し、ROE(自己資本利益率)も前年同期の△0.3%から1.8%に改善しています。この背景には、収益性の向上と資産効率の改善があります。設備投資や事業連携強化などにより、稼ぐ力を高めつつ、効率的な資産運用にも取り組んでいることが分かります。今後もこの流れを維持し、収益性と資本効率の向上を目指していくことが期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは1億2百万円のプラスとなっています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは6億59百万円のマイナスとなっており、主に設備投資に伴う支出が大きかったことがわかります。財務活動によるキャッシュ・フローは1億30百万円のマイナスとなっています。全体としては、現金及び現金同等物が5億26百万円減少した形となっています。今後は営業活動によるキャッシュ・インフローを確保しつつ、投資活動による支出を抑制していくことが重要です。
配当の支払額
当期の期末配当は1株当たり7.50円、中間配当も7.50円と、年間15円の配当を実施する予定です。この水準は前期から変わらず、安定した配当政策を維持しています。株主還元を重視しつつ、内部留保の確保にも努め、将来の事業拡大や設備投資に充当していく方針のようです。
今後の展望
株式会社トーアミは、建設・土木業界の厳しい環境の中でも、新市場開拓やグループ内連携の強化、設備投資による生産効率化などに積極的に取り組み、収益力の改善に努めています。今後も中期経営計画に基づき、「安定から成長へ」の方向性を推進し、さらなる業績の向上を目指すことが期待されます。
編集部のまとめ
株式会社トーアミは、建設資材市場における主力プレイヤーとして、厳しい事業環境の中でも着実に業績を改善しています。売上高は堅調に推移し、収益性の指標であるROAやROEも改善傾向にあるなど、確実な成長軌道に乗っているといえます。今後も中期経営計画に沿った施策を着実に実行し、さらなる成長を目指していくことが期待されます。
株式会社トーアミの決算日や配当についてまとめました。
株式会社トーアミの決算日は3月31日で、年1回の決算を行っています。配当については、1株当たり年間15円の安定配当を実施する予定で、株主還元にも注力しています。業績の向上と財務体質の強化を両立させながら、さらなる企業価値向上に取り組んでいくことが期待されます。