株式会社ファインシンターの2023年12月期第3四半期決算報告が公表されました。安定した業績とモノづくり革新への取り組みが注目ポイントです。主力の自動車焼結事業が半導体不足の影響を脱し、販売が回復。また、デジタル変革と生産性向上に向けた施策が段階的に成果を上げてきました。当社は今後も事業基盤の強化と収益力向上に取り組み、持続的な成長を目指していきます。
企業情報
企業名: 株式会社ファインシンター
証券コード: 59940
決算期: 3月期
株式会社ファインシンターの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ファインシンターの決算期は3月期で、決算日は3月31日です。第3四半期決算は2023年12月31日時点での業績となります。
主な事業
株式会社ファインシンターは、自動車用焼結部品の製造・販売が主力事業です。自動車向け以外にも、鉄道用ブレーキパーツや油圧機器部品など、様々な産業分野の焼結製品を手がけています。自動車、鉄道、産業機械など幅広い顧客に製品を提供し、グローバル事業展開を行っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は321億40百万円と前年同期比で8.7%の増収となりました。収益面でも、営業利益3億53百万円、経常利益2億95百万円と大幅な増益を達成しています。自動車焼結事業が好調に推移し、固定費削減や原価改善にも取り組んだことが業績向上につながりました。
売上・利益の推移
直近の第3四半期までの業績は、新型コロナの影響を受けながらも 売上高は回復基調にあります。前年同期から利益面でも大幅な改善が見られ、収益力の向上が進んでいます。中期的にもモノづくり革新や事業構造改革に取り組むことで、持続的な成長と収益性の向上を目指しています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の 総資産は519億64百万円と前期末比27億68百万円増加しました。主な要因は、タイ子会社の第2拠点立ち上げに伴う建設仮勘定の増加と、保有株式の評価額上昇によるものです。一方、負債は326億88百万円と17億59百万円増加し、長期借入金が増加しています。
資産の部
流動資産は208億14百万円、固定資産は311億49百万円と、タイ第2拠点の設備投資に伴い建設仮勘定が大幅に増加しています。また、保有株式の評価額上昇も資産の増加につながりました。
負債の部
短期借入金や支払手形・電子記録債務が増加したほか、新設備投資のため長期借入金も10億93百万円増加しています。
純資産の部
純資産は192億75百万円と前期末比10億8百万円増加しました。利益剰余金の積み上げ、為替換算調整勘定や有価証券評価差額金の増加により、自己資本比率は31.8%と一定の財務健全性を維持しています。
ROAとROE
株式会社ファインシンターのROA(総資産利益率)は前期末の0.7%から改善しつつも、まだ低水準にあります。一方、ROE(自己資本利益率)は前期末の△2.7%から改善し、2.1%となりました。収益性の向上と資本効率の改善に向け、モノづくり革新やDX投資などに取り組んでおり、今後の業績回復が期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期の四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていませんが、営業活動によるキャッシュ・フローは引き続き黒字を確保できていると考えられます。一方で、設備投資に伴う支出が増加しており、財務活動によるキャッシュ・フローでは借入金の増加を示しています。将来の成長に向けた投資と財務基盤の強化に取り組んでいるものと推察されます。
配当の支払額
当第3四半期累計期間では配当は行われていません。直近の第2四半期末(2022年9月30日)までは1株当たり10円の期末配当を実施していましたが、今期の業績回復を受けて、今後の配当政策にも期待が持てそうです。
今後の展望
株式会社ファインシンターは、今後も モノづくり革新や事業構造改革に取り組み、収益力の向上と持続的な企業価値の向上を目指しています。主力の自動車焼結事業では、新製品開発や生産性向上に注力。また、電動車部品や非自動車事業の拡大など、事業ポートフォリオの最適化にも力を入れています。加えて、ESG経営の強化にも積極的に取り組むことで、ステークホルダーからの信頼を高め、中長期的な成長につなげていきます。
編集部のまとめ
株式会社ファインシンターは、自動車用焼結部品の製造・販売を主力事業とする企業です。当第3四半期の決算では、売上高・利益ともに大幅な増加を果たしました。製造現場の生産性向上やコスト削減、新製品開発などに注力し、収益力の向上に成果を上げています。今後も事業基盤の強化と新分野への挑戦を通じて、持続的な成長を目指していきます。
株式会社ファインシンターの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ファインシンターの決算期は3月期で、決算日は3月31日です。当第3四半期(2023年12月31日時点)の業績は安定して推移しており、配当については前回(2022年9月期)まで年1回の期末配当を実施していました。今後の業績動向に応じて、再び配当の再開が期待されます。